藤井眞吾のギター・ココログ
藤井眞吾のコンサートシリーズ
「夜想曲」初演演奏会
藤井眞吾のコンサートシリーズ vol44《スペイン舞曲》
 
2010
 
 
 
2009

 
 
藤井眞吾のギター・ココログ
2010年5月の Diary
2010


・・・作品を書き終えて

2010年5月31日(日)

  「夜想曲〜鳥の歌による」の初演が終わって、丁度2週間が経ちました。私の作品の初演も、本当に素晴らしい演奏でしたし、とっても楽しい演奏会でした。有り難うございます。
 今、あの演奏会のことを思い出しても、それがとても遠い以前のことのような気がしてなりません。皆さんはどうなのでしょうか? これは、いつも作品を書いて・・・、出来上がり・・・、演奏されて・・・、感じることです。特に今回は作品が出来上がってから、初演までの期間が短かったので、その印象は一層強く感じられます。たった「13分」の作品、わずか「13分」の時の流れではありますが、私がこの作品の中に織り込もうとした時間の経過は、はるかにそれよりも長く、これを何度も何度も頭の中で繰り返して、約三ヶ月間を過ごしましたから、2週間という時間の中にその何百倍もの時間が存在するような錯覚に陥ってしまいます。
 しかし別の考え方をするなら、私がこの作品の構想を持ち始めてから(それは昨年末に富川君にその話を持ちかけられて、それからしばらくしてのことなのですが)、作品が出来上がるまでの時間のことを考えると、2週間というのは遙かに短い時間なのです。そのギャップは、いつも不思議で、まるで現実非現実の世界を何度も往復しているような気分になります。(・・・続きを読む

 


第44回、終了しました

2010年5月30日(日)

20105029_concertserirs_1 コンサートシリーズ第44回《スペイン舞曲》が無事終了しました。昨日は、久しぶりの好天に恵まれ、会場にも軽くエアコンを入れるくらいの気温になり、爽やかでした。グラナドスは本当に久しぶりに演奏しましたが、また新しい経験が出来たような気がします。今回は初めて聞きに来て下さったお客様も多く、また遠方からの客様も嬉しく、勿論いつものお客様には深く感謝、楽器も絶好調の鳴り方で、楽しく充実した時間でした。
来月は「6月26日」(私55歳最後の日であります)、セゴビア編の「アストゥリアス Asturias(I.アルベニス)」などを演奏の予定です。皆様、お楽しみに!

 


スペイン舞曲

2010年5月28日(金)

Oriental   明日の演奏会(藤井眞吾コンサートシリーズ《Danza Espanola スペイン舞曲》)で演奏する「スペイン舞曲 第2番 オリエンタル」の楽譜です。本棚なから引っ張り出してみて気がついたのですが、なんと1984年の日付。この曲を編曲していた頃のことは、いつでも鮮明に思い出されるのですが、なんと26年も前のことでした。当時は今のようにコンピュータや、便利な浄書ソフトなど持っていませんでしたから、楽譜は全部手書きでした。楽譜はとにかく沢山書きました。編曲をするためには、言い尽くせないほど沢山の楽譜を書きました。右手のひらの端が鉛筆の粉で真っ黒になりました。この楽譜は鉛筆で下書きした物を、清書する代わりに、上からサインペンでなぞったものです。
 この楽譜を見て、沢山のことが思い出されました。物は単に「物」であるだけではなく、沢山の記憶をも持っています。この曲は数年前に Finale という浄書ソフトで整理したのですが、これには何の記憶も思い出もありません。やはり私にとって、この曲を編曲したという思い出も記憶も、1984年のこの手書き譜の中にあるようです。明日は天気は良いようです。「スペイン舞曲」是非聞いてみて下さい!(お問い合わせ マンサーナ tel.075-972-2834)

 


スペイン舞曲

2010年5月27日(木)

2010_05_s   グラナドス(Enrique Granados /1867-1916)の音楽を始めて聞いたのは、勿論セゴビアの弾くギターででした。10代の時で、この当時レコードの曲目でも、またギタリストの演奏会や学生の発表会などでも「スペイン舞曲 第5番 アンダルーサ」は大人気の曲でした。ところが私はこの曲は、あまり好きではありませんでした。中学生の時、音楽教室で音楽の先生が「藤井君、ギターにも協奏曲があるって知ってたかい?」といって持ってきてくれた、イエペスの弾くアランフェス協奏曲を大きなステレオで聴いて「わあ、恥ずかしい〜!」と思ったのと、同じくらいこの曲を聴くのがいやでした。
 ですから、エンリケ・グラナドスという作曲家にも若いときには殆ど興味がありませんでした。それが一転して、スペイン舞曲もグラナドスにも興味が出たのは、ピアノでの演奏を聞いてからでした。アリシア・デ・ラローチャも素晴らしかったですが、私がもっと好きなのは、ルイス・ピポーという(作曲家としても有名で、ギター曲も書いている)ピアニストの演奏、そしてもう一人は・・・、何という名前だったか忘れました。押し入れの中で眠っているレコードの中に、スペインで買ったレコードがあるのですが、これは、本当に、本当に美しく、心が揺さぶられます。
  グラナドスの「12のスペイン舞曲」は若いときの作品ですが、個々の作品の完成度が極めて高く、いずれも音楽が高貴で輝きに満ちています。以来、私は自分自身で編曲をして演奏しようとしてきましたが、それは容易なことではありませんでした。ギターにはリヨベットの有名な編曲がありますが、もしかしたら、私はこの編曲があまり好きではないのかもしれません。彼のようにギターの名手であった人たちの手による編曲は、ともするとその人の「手」が編曲に大きく影を落とし、作品本来の色合いを濁らせてしまう場合があります。わたしはこのギタリストがセゴビア以前のスペインのギター音楽で重要な人だとは分かるのですが、時としてその作品も編曲も受け入れがたい場合があります。
 今回演奏するのは「第5番 アンダルーサ Andaluza」と「第2番 オリエンタル Oriental」です。いずれも私自身の編曲です。ピアノのように弾こう・・・、とか原曲に忠実・・・、などとは毛頭思っていません。なぜなら名手グラナドスノピアノ作品は、とてもピアノ的で、とてもギターに移し替えることができるような音ではありません。一見ギターで簡単に弾ける旋律でも、それはピアノで弾くと百倍美しく響くように出来ているのです。ギターで弾くからにはギターの美しさを存分に活用しなければなりませんが、リヨベットがやったアプローチとは全く違う方法を当然とっています。
 演奏会ではそのほかに、アルベニス、ポンセ、ソル、トローバなどの作品を演奏します。演奏会は今週の土曜日(29日)7時から、京都の「アートステージ567」、お問い合わせは「マンサーナ Manzana (Tel.075-972-2834)」です。

 


両国、ギターセミナー

2010年5月24日(月)

 昨年もやったのですが、今年は「アンサンブル講座」が増えて再び両国(東京)で講習会を行います。そういえば昨年は「6 月27日」私の誕生日でした。時期も殆ど同じで、今回は7月4日。「アンサンブル講座」では「超」初心者から、「超」上級者までを対象に、様々なレベルの方達が一堂に会して、ともに音楽を学び、楽しめるよう、新作を書き下ろす予定です。お楽しみに!
 受講生と聴講生を募集中ですが、アンサンブル講座の受講生はもうかなり定員近くまで申し込みがあるそうですので、参加を考えてられる方はお早めに。
 午後からは個人レッスン(公開)ですが、こちらは完全に受講募集を締め切ってしまいました。今年も若いギタリストの皆さんがどんな演奏を聴かせてくれるかとても楽しみです。今回初めての方もいらっしゃいますが、昨年参加された方も何人かいらして、果たして一年でどれくらい成長したか、こういうときは本当にわくわくします。こちらも聴講が可能です。残念ながら受講が間に合わなかった方は、聴講も楽しいと思います。
 大相撲は白鵬が二場所連続の全勝優勝を決めました。両国での二年連続の講習会、暑い暑い「夏場所」になることと思います。参加される皆さん、まずはしっかり体力をつけておいて下さい!

 


奥野君と渡部さん

2010年5月19日(水)

 私の生徒の、奥野隆(おくのたかし)君と渡部友美(わたなべともみ)さんが7月17日に演奏会をすることになりました(マネジメント/マンサーナ Manzana)。一応、私が企画、と言うことになっていますが、実際には二人の自主企画/自主公演です。二人ともこの演奏会に向けて目下、もう練習中。独奏と二重奏があります。
 奥野君は昨年広島のエリザベト音楽を大学を卒業、出身の滋賀県に帰ってギター教室を開きながら演奏活動を開始したところです。渡部さんは出身が広島県、京都の立命館大学を昨年卒業、ギターの勉強を続けるべく私のもとへ通っています。二人にはこの演奏会を開催するに当たって、こんな言葉を贈りました。

・・・《ステージに立っている瞬間(とき)が最も勉強になる》というのは、プロの演奏家なら誰でも経 験していることです。演奏家にとって音楽はもちろんのこと、技術も作品も、生涯勉強を続けなければならないものです。若い人達が成長していくためには沢山 の経験が必要です。発表会という段階を卒業した若い演奏家達が、その新鮮なエネルギーを聴衆にぶつけ、そして経験していく場を作りたいと思っていました。 この「フレッシュコンサートシリーズ」は私の生徒達であり、若い音楽家達が作る音楽会です。成長していく瞬間(とき)を皆さんとともに見守りたいと思って います。

 


レッスン

2010年5月18日(火)

20100517  16日の渋谷でのレッスンは人数が多そうだったので、一人、前日の15日にホテルへ来てもらってレッスンをしたのですが、それでも16日は夜遅くまでレッスンが続きました。
 レッスンというのは一人一人の音楽家との接点ですから、頭の切り換えが大変です。若い人、すでにキャリアをかなり積んでいる人、熱心な愛好家、そして聴講している人もいますから、毎回状況に応じて色々なことを考えなければいけません。そしてそれが「一時間」という時間の中で完結していなければいけません。色々な教え方、レッスンのやり方があると思いますが、私は「最も私が手助けできることは何か」と「生徒に今一番必要なことは何か」、という二つの視点から出来るだけバランスをとって時間を使っています。毎回、将来が楽しみな若者に会うことが出来て本当に楽しいです。今回も沢山の事がありました。
 レッスンと言えば、17日の洗足学園音楽大学での授業も今回が2回目。この一ヶ月間で生徒達がどれだけ成長しているかを楽しみに、授業に行きました。正直に言うと、先月までは「はたして7/10の演奏会に間に合うだろうか?」 という不安が一杯だったのですが、この一ヶ月間でとてもよく勉強してくれたようで、演奏会に向けて手応えを十分に感じることが出来ました。また、この《天使の協奏曲》以外に、院生のために「指揮法」「編曲法」と二つの特別講義をしていますが、四人の院生は皆とてもまじめで、授業に集中しているので、私も楽しく教えることが出来ます。「編曲法」ではこれまで Sor の Op.44から1番と3番を題材に、移調、伴奏を作る、そして今回の宿題はもうひとつの声部を加える、と言う勉強。そして次回は私の「はじまりの音楽」を教材に、様々な編曲の実例を紹介します。写真はまたまた原 善伸せんせいのブログから「パクって」しまいました!

 


《夜想曲》初演

2010年5月13日(金)

02D8E4E4-05F7-4BF3-8652-23DD630D5E4A《夜想曲》初演、無事終了。素晴らしい演奏でした!

今日5月14日に現代ギター社のGGサロンで、富川勝智さん、大島直さん、栗田和樹さんの三人によって、私の新作《夜想曲》が初演されました。この音楽会は「カタロニア」をテーマとしており、カタロニアに関連する作曲家、作品のみで校正されていました。ですからプログラムは、ソル、ブロトンス、リョベートなどの作品。私の作品はカタロニア民謡の「鳥の歌」によるものでした。作品の出来上がりが約束より一ヶ月近く遅くなってしまって、三人の演奏家には大変迷惑をかけたと思うのですが、大変良く仕上げてくれて、作品の内容がじゅうぶんに伝わる演奏をして下さいました。これからもこの作品がどこかで演奏されることを願っています。

 


素晴らしかった、益田正洋リサイタル

2010年5月14日(金)

20100513_masuda 昨夜は、京都府民ホールALTIで益田正洋さんのリサイタル。音楽を 堪能しました。ソル、バッハ、バークレートゥリーナ、トローバ、いず れも素晴らしい演奏で爽快。コンサートのはじまりにもってきたソルは大成功でした。このシンプルで 美しい音楽が益田さんの鮮明な音色と軽やかな演奏で、聴衆を一気に集中 させました。次のバッハは圧巻。この曲がまるで今弾いたばかりのギター の名手、ソルのような作曲家によって書かれた作品であるかのように、何 の困難さも見せず、感じさせず、特に最終楽章のプレストはこの人にしか 出来ない見事な演奏でした。バークレーは一転して、ハーモニーの使い方 が新鮮。当たり前のことですが、しかしこれも奏者の意図した、洒落たプ ログラミングのお陰だろうと納得。
  後半の二人のスペインの作曲家の作品も極めてハイレベルな演奏。だからこそこれらの曲が「傑作」であることを再認識させられ、存分に堪能しまた。特に最後のトローバは大曲ながらその長さを感じさせず、また随所に「ドキっ」とさせられ程美しい瞬間がありました。

さて今日は東京、GGサロンで「夜想曲」の初演。今東京に向かって 新幹線の中です。

 


リハーサル

2010年5月13日(木)

CDF30AD8-ABC7-4FD5-94D6-029FE32DD679リハーサルが始まりました。このホール(アルティ)は響きがゆったりしていて、いつ聞いても気持ちが良いです。さあ、本番が楽しみです。当日券も有ります。問い合わせは「075-972-2834 マンサーナ」、或いは直接会場へ!

 


ココログエディター

2010年5月12日(水)

Cocologeditor  私は「忌まわしい」iPhoneユーザーであります。なぜ「忌まわしい」かという話は、また機会を改めてお話をしますが、最近 nifty がiPhoneユーザーのために「ココログエディター」というアプリを開発しました。AppStoreで偶然見つけてダウンロードしておいたのですが、このブログを始めて以来、「ブログは携帯からアップロードできるから出先からも情報発信できて便利だ」などと思っていたのに、結局携帯で文章を書くことが、きわめて面倒でこの何年間で、数回しか携帯から書き込んだことがありませんでした。
 一般の携帯から一昨年、iPhoneに乗り換えても、文章を書くことはいっこうに簡単にならないどころか、むしろ iPhone でのメール書きは地獄のように不便です。しかも画像を添付するとそのサイズが調整できなかったり、不便きわまりない。しかしこのアプリが出来たので、少しはそれがやりやすくなるだろうかなと期待を込めて、明日から、ちょっとだけ「若者」に負けないように、こまめにブログ更新を iPhone からやってみようかなと思っています。明日は益田正洋さんの演奏会ですから、その進行状況などこまめに書いてみようかな・・・?(といいつつ、この記事はコンピューターのブラウザーからでした)

 


SONATA という試金石

2010年5月12日(水)

いよいよ明日は益田正洋さんの京都でのリサイタルです。楽しみです!
http://manzana.ne.jp/concerts/masuda_2010.html

2010年5月13日 (木)7時開演
チケット/前売¥3500、当日\4000(期間限定ペアチケッ ト¥5000) ご予約 
主催/マンサーナ Manzana Tel.075-972-2834
会場/京都府民ホールアルティ(地下鉄烏丸 線「今出川」下車南へ徒歩5分)
京都学生ギター連名協力公演

プログラムに載せる「曲目解説」を私が執筆しましたので、それを(主催のManzana の許可のもと)ここに、一日早く公開いたします。

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曲目解説

SONATAという試金石

藤井眞吾(ギタリスト/作曲家)

 ヨーロッパの音楽およびその作曲術はキリスト教という宗教との関わり、そして世俗での発展、という両輪によって目覚ましい変化を達成しました。ルネッサンスとバロックの200300年間は特にそれが顕著でしたし、19世紀のクラシックと呼ばれる時代には、音楽を創造する技術そのものが精緻を極め、完成されます。音楽の書法が微細を極め、表現の精度が求められると、そこには演奏者にとって当然のごとく、より高度な演奏技術が求められます。なかでも器楽音楽の分野で発展した「ソナタ形式」は演奏家にとってひとつの挑戦であっただけでなく、それは作曲者の作曲技術が観られる試金石でもあったのです。それは「作者と奏者」そして「音楽と聴衆」の関わりが、ソナタ形式という弁証法的なプロセスを経て、深く語り合う事が出来るという証でもあります。本日の「益田正洋 ギターリサイタル」は「ソナタ SONATA」と銘打った、演奏者としての大きな挑戦ではなかろうかと私は思っています。・・・続きを読む

 


《夜想曲》練習

2010年5月10日(月)

今日は朝早くに京都から新幹線に乗って東京へ。渋谷で三人の練習を聞かせていただきに行ってきました。9時半には渋谷に到着、富川さんのスタジオで大島さん、栗田さんは合宿状態で練習をしていました。4月に「夜想曲」がまだ未完成のとき、一度音を聞かせていただきましたが、曲が完成してからは今日が初めてです。
 まず全体を通して聞かせてもらいましたが、三人ともに、曲のポイントとなる部分はしっかりと押さえて下さっていて かなり、練習をされたことが伺われます。こういった規模の大きな曲では、全体の把握が何よりも大事です。そしてそれのために各部分(楽章、変奏)をどのように作っていくかという作業に移ります。そうすると各部分のテンポの設定や演奏の仕方というのは、前後の流れとの相対的なバランスですから、かなりいろいろな可能性が見つかってきます。
 三時間という時間はあっという間に過ぎてしまいました。12時を過ぎてから練習を終り、近くの沖縄料理屋さんで一緒に昼食。三人は12日にもう一度練習をするそうで、14日の演奏会の成功を約束して散会しました。あっという間の日帰り東京でしたが、これでますます14日の本番が楽しみになりました。皆さんも是非聴きにいらして下さい。 (写真左から、富川勝智さん、大島直さん、栗田和樹さん)

 


サラスパ

2010年5月9日(日)

2010_salaspa  これは昨日の昼食、「サラスパ(=サラダスパゲッティ)」。調理は藤井眞吾であります。初夏のような暑さだったので、なにか簡単にさっぱりしたものを・・・、と作りました。
 以下レシピ。
 まず手鍋にお湯を沸かし、スパゲッティを茹でます。この時小さじ一杯の塩とサラダ油を大さじ一杯ほどを鍋に入れます。塩は味のためですが、サラダ油はこうして茹でることによって、スパゲッティが茹で上がったときに「束になってくっつき合う」ということが防げます。
 スパゲッティが茹で上がるまでに、タマネギ、キュウリ、春キャベツなどの野菜を細切りにし、網に乗せて塩もみをしておきます。次にお皿にドレッシングを作りますが、「酢」「塩」「胡椒」「イタリアンハーブ」「おろしニンニク」「マヨネーズ」さらに「卵黄」を入れて良くかき混ぜます。
 そうこうしているとスパゲッティが茹で上がりますので、湯切りをし冷水で冷やします。良く水を切って、ドレッシングの入っている皿のなかで良く絡めます。用意しておいた野菜を良く絞って塩分を流して、スパゲッティにトッピングして出来上がり。気分で、ちょっとケチャップを加えて、色合いの変化を。実は今日は調理中に「酢」を切らしていることに気づきました。しかたなく「すし酢」を使ってみたのですが、悪くありませんでした。

 


7.《鳥の歌》

2010年5月7日(金)

 ・・・「変奏曲を書くよ」ということは、以前に話をしていましたし、実際これは「鳥の歌」をベースにした作品なのですが、私はこれを「Variation」とは考えていませんし、おそらくその範疇には入らないのかもしれないとも思っています。なぜなら変奏曲というのは「もとの音楽(テーマ)」があって、それを様々な角度から変化させていくものだからです。テーマがあってこそ、変奏曲なのですが、今回の場合は、曲の旋律線をカザルスの演奏を聴きながら採譜して、それを素材として作った音楽だというのが、正しい言い方です。その点で、私は古いスペインの音楽家達が使った「ディフェレンシアス diferencias」という言い方をしたいと思っています。
 たとえばイギリスの大作曲家、B.ブリテンの作品70「夜想曲のように Nocturnal」ではダウランドの「来たれ深き眠りよ」を主題とした変奏曲ですが、・・・(続きを読む

 


京都でSONATA

2010年5月6日(木)

2010_masuda  私のHPでもご紹介いたしましたが、来週木曜日(14日)はいよいよ、益田正洋さんのリサイタルが京都で開催されます。会場は ALTI。この会場はおそらく私が知る日本のコンサート会場の中でも、ギターがもっともナチュラルに聞こえるコンサート会場のひとつでしょう。
 益田さんは(左の写真でもおわかりのように・・・)決して大柄な人ではありませんが、その演奏はまるで「巨人」のようなスケールの大きな演奏です。小さな会場よりは、ALTI のようなゆったりとした空間で聞くほうがはるかに良いだろうと思うのです。それは基本的にプロの演奏家であれば、誰でもそうなのかもしれませんが、特に彼の場合はそうです。
 前回は四年前、京都ホテルオークラの美しいチャペルでの演奏会でしたが、「ああ、これは会場が小さすぎたな・・・」と痛感したのでした。特に今回は、バッハ、トローバ、バークレーなどのソナタ、ソナチネなど、極めて「壮大な作品」ばかり。小さな庭園を縁側からのぞき見るような格好ではなく、山頂にどっしりと腰を下ろして、のんびりと下界の景色を観賞するような楽しみ方をしたいと思います。(プログラムは主催・マンサーナのサイトをご覧下さい。インタビューも読むことが出来ます。)
 実は前回、四年前も彼は「ソナタ」というプログラムで京都公演をしたのですが、今回は全く違う内容で「ソナタ」。最近リリースしたばかりのアルバムからの曲がベースなのですが、このアルバムは私も早速聴かせて頂いたのですが、すばらしい演奏です。ともすると、こういう重厚なプログラムのコンサートは「通好み」などと思われがちですが、私はギターを始めたばかりの人(大学の新入生)や、今からギターを始めよう、なんて言う人にこそ是非聞いてほしいプログラムであり、演奏会になるだろうと思っているのです。なぜなら、こういう演奏会にこそ、クラシックギターのエッセンスがあると思うからです。(・・・なんて、このブログに書くと、これを見た益田君が「よ〜し頑張るぞ〜!」と力んでしまいそうなので、彼には内緒にしておきましょう・・・。のんびりと、壮大な音楽を聴かせて下さい!)

 


6.M.マグダレナのパッサカリア

2010年5月6日(木)

Nocturno13  「6.M.マグダレナのパッサカリア Passacalle de Maria Magdalena 」は完全に独立しているのではなく、前の変奏「5.鳥達のマズルカ Mazurka de los Pajaros」と対になっていることは容易におわかりいただけると思うのです。実はこの二つの変奏全体で、私は「ロンド形式 Rondo」だと考えています。つまり「A1-B-A2-C-A3」という形はオーソドックスなのですが、調関係や各部分の長さはきわめてアンバランスです。

    「A1=183〜191(Mazurka)」
    「B=192〜203(Ebの部分)」
    「A2=204〜211(Mazurka)」
    「C=212〜305(Passacalle)」
    「A3=306〜319(Passacalleのコーダ部)」

・・・という構成です。
(・・・続きを読む

 


金蓮花(きんれんか)

2010年5月5日(水)

2010_kinrenka  今日は暑さのあまり、エアコンを掃除しました。そして夕方には我慢が出来ず、早速エアコンを ON にしてしまいました。夕食を食べ終わるまで、エアコンが入っていることに何の違和感も覚えないほどの暑さでした。30度近くまで気温が上がったそうです。
 写真は我が家の玄関先に見事に咲いた「金蓮花(きんれんか)」。花の名前はからきし駄目な私ですが、今日女房に教えてもらったら、すぐに覚えられました。(名前は覚えても識別できるかどうかは別問題ですが・・・)。学名は「Tropaeolum majus」、別名「ノウゼンハレン(凌霄葉蓮)」「ナスターチウム」と言うのだそうです。これはインターネットで調べたのですが、今流行の Wikipediaによれば、この和名は花は「ノウゼンカズラ(凌霄花)」に似て、葉は「蓮(はす)」に似ているから、とも書かれています。また食することも出来るそうで、ぜひ挑戦してみたいと思っていたら、エキサイトの検索では、更に上の項目、「金蓮花」検索のトップには「金蓮花(きんれんか)」さんという小説家のかたが。知りませんでした。

 


5. 鳥達のマズルカ

2010年5月5日(水)

 さて、この原曲の旋律、および想像されるハーモニーの中から、この曲の特徴となる部分を見つけ出していくと、それは圧倒的に前半の部分に集中していることがわかります。カザルスの演奏によれば後半部分では一カ所だけ、その繰り返しで旋律線が装飾的に変化され、それがどうも拍数そのものも増えていると思わざるを得ないところがあるのですが、それを除けば、後半部分は単に同主調(長調)に転調したことだけで(それも一時的なもので)、旋律線もあまり特徴的なものを見つけることが出来ません。
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娘の作った夕食

2010年5月4日(火)

2010_marysdinner  もうすぐ「母の日」ですが、その日は娘が用事があって「母の日祝い」ができないということで、きょうお祝いをしました。大学から帰ってきた娘が夕食を作ると言うことで、これは我が家にとっては一大事。札幌に行った下の娘は料理が好きで、暇があればなんだんかんだと創作料理をしていたので、大学での寮生活と自炊生活もあまり心配はしていないのですが、長女はいつも「妹頼り」で料理はさっぱりやりませんでしたから。
 しかし私が留守の時には何度か実験的にやっていたらしく、とうとう今日その「お披露目の時」がやってきた、というわけで「一大事」なのです。しかし出来上がってみると、野菜スープ、筍の豚肉ロール、竹輪を使ったチーズ焼き、などなど品数もあり、味も美味しかったです。豚肉の塩胡椒加減もほどよく合格点。ご飯をお代わりして食べてしまいました(親ばかです)。
 食後はモロゾフのチーズケーキまで用意してくれて、娘にしたらひょっとしたら夕食がうまくいかないかもしれないから、そのときにはこれでカバーしようという作戦だったのかもしれませんが、おかげさまで夕食もデザートも最高に美味しく頂きました。(父の日も作ってほしい!)

 


4.遠くに聞こえる歌

2010年5月4日(火)

GuitarStudyへジャンプ ちょうどこの楽章を書いている途中で、僕は皆さんと横浜でお会いし、そして出来ているところまでの「音」を聞かせて頂いたのでした。あれは僕にとって貴重な体験でした。作品を書いているプロセスで、演奏者とコンタクトを持つことは時としてきわめて重要です。実は今回僕は富川君に(・・・今回の演奏者の中で知己のあるのは富川君だけでしたから)何度か、大島君と栗田君がどんな演奏家(人)なのかを何度かメールで尋ねていました。それは僕にとってはきわめて重要なことだったからです。今の僕には不特定の演奏家に向かって作品を書くと言うことが、ひどく不自然でなおかつ難しいことに思えているからです。(・・・続きを読む

 


旬(しゅん)

2010年5月3日(月)

2010_takenoko 「旬(しゅん)」という字に「たけかんむり」をつけると「筍(たけのこ)」という文字になります。私が住んでいる京都府八幡市は竹が有名で、その昔エジソンが八幡さんの竹の繊維を電球に使ったと言われ、エジソン通りという名前の通りもあるくらいですから、この時期の旬はなんといっても筍です。
 特に「朝堀り」の筍は最高で、今朝早くにご近所の方から、堀立の筍を沢山頂きました。さすがに八幡の人は、筍をお裾分けするときには必ず「糠(ぬか)」もつけてくれて、これで「あく抜き」は簡単にできるわけです。夕食は勿論「筍づくし」。
 写真一番手前は椎茸や昆布と炊いた「佃煮」。歯ごたえが気持ちいい! 一番向こうは天ぷら。軽く塩胡椒をしてそのまま頂きます。なんとも軽やかな味わいで、最高です。そして真ん中は「朝堀り」でなければできない、つまり新鮮な筍の醍醐味とでも言うべき「刺身」です。あく抜きをした筍をそのまま、薄く切って、わさび醤油をちょっとつけて頂きますが、魚の刺身とは別格の気品があって、私は大好きです。とろりとした舌触り、甘い味わいは、ちょっと「ホタテの貝柱」の刺身を思い出させます。この季節にしか頂けない、まさに旬の味わいでした。ごちそうさま!

 


夢へのプロローグ

2010年5月3日(月)

Nocturno01  昨夜は奇妙な夢を見ました。演奏会を終わって、来て下さった方々といろいろ挨拶をしていると、小学校時代の友人がいて、驚きながら話をしてみると、私の知り合いのSさんと親戚だから、その人を通じて私の演奏活動のことをずうっと知っていたという・・・。そういえば名字が一緒だから、なるほどなと思ったけれども、目が覚めてからいったいどうしてもう40年以上も前に人のことを思い出したり、名前を思い出したりしたのか、本当に不思議だ。勿論、夢の中のはなしは全部現実とは違うのだけれど。
 さて、先日脱稿したギター三重奏のための「夜想曲」の最初の変奏は「夢へのプロローグ」というタイトル。夢の中では時系列も、空間関係も、人間関係もまったく理解を超えています。この曲ではカタロニア民謡の「鳥の歌」を様々な形に変化させたり、また主題の中に潜む要素を再構成して、新しい音楽を作り、カタロニアを別な角度から眺めようとしています。しかし、それもまた「夢」、だから「夜想曲」なのですが、今三人の演奏者(富川勝智さん、大島直さん、栗田和樹さん)に毎日のように曲の解説をメールで送っています。初演までの時間が余りないので、三人練習の助けに少しでもなればと思い、解説を加えているのですが(・・・曲の完成が約束より大幅に遅れたお詫びに)、これを私のHPのなかにある「GuitarStudy」の「作品研究」に公開することにしました。この作品と、そして初演される演奏会(5月14日、GGサロン)に一人でも多くのかたが興味を持って頂けたらと思っています。

 


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