藤井眞吾、京都でのコンサートシリーズ
2009

 
藤井眞吾のギター・ココログ
2010年1月の Diary
2010


日本とアメリカで

2010年1月30日(土)

いよいよ明日は京都で「地平線の協奏曲」の本番、ソリストの福田進一氏も京都に着いたとのことで、いまから最終リハーサルに出かけるところです。実は彼からの依頼で、最終楽章にギターソロのカデンツァを新に書き下ろしました。これについてはまた後日お話しますが、そういう意味では明日は「新版の初演」と言うことになります。そう思っていたら、カネンガイザー氏からメールが有り、なんと彼は昨日アメリカの Greenboro で「天使の協奏曲」を演奏。50人の若いギタリスト達との共演は大成功だったとの知らせ。そしてなんと明日は彼も再び Cincinnati で「天使の協奏曲」を演奏します。その知らせが地元新聞のサイトにアップされていると知らせがありました。是非ご覧下さい。ですから明日は日本とアメリカで同時に、私の作曲したギター協奏曲が演奏されるというわけです。本当に有り難いことです。

 


京都新聞

2010年1月28日(木)

本日の京都新聞夕刊に、今度の演奏会のことが紹介されました。先日の練習の時に京都新聞の芦田記者が取材に訪れ、私とフィオレンティーノの代表の方々に色々と話を聞き、写真撮影。その後はしばらく「地平線の協奏曲」の練習を聞いていかれました。芦田記者は実はご自身もギターを大学生時代から弾かれており、特にギターに関する経験や知識は豊富な方なので、インタビューはいつも具体的で的確です。今回も私達の練習を聞かれて、この曲がいままでの「マンドリン合奏曲」とは何かが違うことを直ぐに感じ取り、そう話されていました。京都新聞の記事、皆さんもご覧下さい

 


地平線の協奏曲、最後の練習

2010年1月25日(月)

今度の日曜日は京都の ALTI で《地平線の協奏曲》が演奏されます。京都の老舗マンドリンアンサンブルであるフィオレンティーノの特別演奏会で、ソリストには福田進一さんをお迎えしての演奏会です。昨日はその最終練習が行われました。この曲はマンドリン合奏と独奏ギターのための協奏曲ですが、合奏部分のギターパートは一般的なマンドリン合奏曲よりも遥かに重要な役割を担っています。そのためギターパートの人数も必要で、フィオレンティーノにはギターのメンバーが二人しかいませんので、そのほかのエキストラ・メンバーとして私の生徒達をお願いしています。昨日の最終練習では、その中の一人、奥野隆君にソリストの代役をお願いして「通し練習」を行いました。奥野君、立派に代役を果たしてくれたので、有意義な練習ができました。練習の風景を PhotoAlbum にアップしましたので、ご覧下さい。かなり集中力の要る曲です。ソリストの福田さんを迎えてのリハーサルは本番前日の30日、高いレベルの演奏を可能にするために、色々な可能性を練習しましたので、31日の ALTI での演奏会がとても楽しみです。皆さん是非聞きにいらして下さい!(チケット予約は「マンサーナ チケット予約」 まで、お願いします)

 


しなやかな、ジュリアーニ

2010年1月24日(日)

昨日「藤井眞吾 ギター・コンサートシリーズ vol.40《M.ジュリアーニ作品集》」を終えました(プログラムなどはこちらのページをご覧下さい)。今回は作品15や作品61といった大規模で有名な作品もありましたが、何と言っても演奏したかった・・・、お聴きいただきたかった曲は作品73、78、51、100などの小品の数々です。特に作品100は「練習曲集」と題されていますが、その副題には「カデンツァ、前奏曲など」とあるように、バロック時代の自由なファンタシーやプレリュードのような作品群は、単独で演奏することよりも、何かそのほかの作品と配置されることを待ち望んでいるかのような曲ばかりで、今回はバガテルとセットで演奏してみましたが、とても面白かったです。今回は約三週間かけて、Bucher を弾くために爪を短くすることができましたし、最善の音を出すことが出来たと思います。さあ今日からは爪を伸ばさなければなりません! 来月20日はコンサートシリーズの第41回で、大阪の松岡滋さん、岩崎慎一さんにお手伝いいただいて《アンサンブルの醍醐味》です。 自作の二重奏(「紺碧の舞曲」「Fragmentos」)や三重奏(「River Run」「はじまりの音楽(三重奏番)」のほか、ソルやバッハをお聞き下さい。会場がいつもとは違いますので、ご注意くださいますようお願いします。これも楽しみな企画です。

 


ちょっと長いですが・・・

2010年1月22日(金)

プログラムをアップします。少しだけ曲数を減らしました。でも、やっぱり、ちょっと長めのプログラムかもしれません。まあ、こんなこともこの「コンサートシリーズならではのわがまま」とお許し下さい。「ソナタ 作品15」や「大序曲 作品61」の様な有名な曲もありますが、今回は特に「嬉遊曲 作品78」「バガテル 作品73」「練習曲集 作品100」などの小品にご注目下さい。作品100の練習曲集はそのほかの練習曲集と趣を異にしており、そのサブタイトルには「カデンツァ、カプリース、ロンド、前奏曲」とあるように、単独で演奏するというよりは、何か他の作品との組み合わせで演奏することを望んでいるかのようです。はたしてどんな「ジュリアーニの世界」を描けるか、私自身、明日の演奏会がとても楽しみです。実際のプログラム(印刷)を pdf でダウンロードできるようにしましたので、こちらからご覧下さい。お問合せは「マンサーナ Tel.075-972-2834」です。

 


ジュリアーニの膨大な作品群

2010年1月20日(水)

毎回のことではありますが、プログラム(演奏曲目)考え、整理する作業は極めて大変ですが、同時にとても興奮する楽しいことでもあります。今回のコンサートシリーズは19世紀の大ギタリスト、M.ジュリアーニがテーマですが、彼は作品番号も100を越える多作家でありましたから、それらの中から曲目を選択し、一晩のコンサートに仕上げるのは大変な作業です。 お陰で私の部屋は楽譜で足の踏み場もありません(写真)。いつも沢山の曲を勉強しなければなりませんが、今回はひときわその量が多いのです。沢山の曲を勉強し、プログラムの候補となる曲を絞り、並べ、演奏曲目の概略を作り上げますが、実際に弾いてみると曲が多すぎるということがしばしばあります。運良く、演奏会の前にそれに気付いて修整できればよいのですが、演奏会が始まって、弾きながら「おやおや、曲が多そうだぞ・・・、演奏会が長くなりそうだぞ・・・」と気付くことも時々あります。今回も候補の曲は沢山あります。いったん候補に挙げて練習した曲を諦めるという決断は結構勇気のいるものです。しかし演奏会が冗長になるよりは、そして練習時間を確実に確保するためには、プログラムのダイエットが絶対必要です。本日「一月二十日」、すなわち本番三日前ですが、以下のようなプログラムを考えていますが、まだ少し多いような気がいい体ます。明日も一日、良く考えてみます。

program(予定)

1.前奏曲と《薔薇》
M.Giuliani: Prelude & la Rose
  - Prelude (Etude/E dur), Op.100-5
  - la Rose (from CHOIX de mes Fleurs cheries Op.46)

2. 十八の漸進的練習曲集 作品51 より
M.Giuliani: from Etudes, Op.51
  1. Maestoso (N0.1 C dur, 4/4,)
  2. Grazioso (No.2 C dur, 6/8)
  3. Agitato (No.3 a moll, 2/4)
  4. Maestoso (No.4 G dur, 2/2)
  5. Andantino (No.5 e moll, 2/4)
  6. Andantino (No.10 C dur, 6/8)
  7. Allegretto (No.11 G dur, 2/4)
  8. Vivace (No.12 d moll, 4/4)
  9. Allegretto (No.13 F dur, 3/4)

3.華麗なソナタ 作品15
M.Giuliani: Sonata Brillante, Op.15
  1. Allegro spirito
  2. Adagio con grand espressione
  3. Finale - Allegro vivace


4.嬉遊曲 作品78
M.Giuliani: Divertissemens, Op.78
  1. Grazioso / 2.Andantino alla Siciliana /
   3.Allegro / 4. Andantino / 5. Allegretto

5.大序曲 作品61
M.Giuliani: Grande Overture, Op.61
6.バガテル 作品73
M.Giuliani: Bagatelles (Op.73) mit Preludes (Etudes / Op.100)
  1. Prelude (Op.100-2) & Bagatel (Andantino, Op.73-4) , in G
  2. Prelude (Op.100-13) & Bagatel (Allegretto, Op.73-3) , in e & E
  3. Prelude (Op.100-9) & Bagatel (Grazioso, Op.73-6) , in f & F
  4. Prelude (Op.100-3) & Bagatel (Minuetto, Op.73-9) , in D & b

7.前奏曲と《フォリア》による変奏曲 作品45
M.Giuliani: Prelude and Variations on Folia de Espagne
  - Prelude in d-minor, Op.83-6
  - Variations sur les Folies dユEspagne, Op.45

 

 


GiulianiとL'Hoyer

2010年1月8日(金)

勉強しだすと色々なことがわかってくる、ということは自分が無知であったことに気付く、ということです。Thomas Heck 氏の著書 "Mauro Giuliani"のなかで、作品83の「六つの前奏曲」は既にMatany Ophee氏によって、オーセンティシティの疑問を投げ掛けられていると述べています。それは、この曲が1818年にウィーンの Weigl から出版されたが、恐らくそれ以前にパリの出版社から出ているフランスの作曲家 Antoine de L'Hoyer の「六つの練習曲 Six Excercises Op.27」に酷似しているというのがM.オフィー氏の研究であり主張(1990年にいくつかの雑誌にその研究を発表)で、T.ヘック氏もこの曲での和声はジュリアーニの特徴を示していないと述べています。ヘック氏の主張は更に「しかしながらこの和声進行はジュリアーニだけでなく L'Hoyerにとっても異質なものである」とも述べています。
  極めて残念なことに私は L'Hoyer の作品27の楽譜を持っていません。ですから比較検討し言及することができないのですが、現時点で二つのことを言うことができます。

(1)ヘック氏が指摘するように L'Hoyer のいくつかの作品を見るかぎり、ジュリアーニの Op.83に共通したような和声進行は一切見られない。
(2)確かにジュリアーニの Op.83 では極めて特徴的な和声が見られるが、それは和声の点だけではなく、半音進行を基調とした旋律の性格から来るものであり、これは例えばジュリアーニの Op.51やOp.100にも共通することである。

・・・つまり、私はオフィー氏の主張は検証できないけれども、Op.83は必ずしも「極めてジュリアーニの作品らしくない」ものではない、というのが現時点で言いたいことなのです。それはもしかしたらこの作品が、本当にジュリアーニのものであって欲しい、と言う気持ちがそう思わせるだけではないと思うのです。どなたかのご意見、資料/アドバイスをいただければ幸いです。

 


M.ジュリアーニの秘曲

2010年1月6日(水)

そろそろ松の内も終り、明日は7日ながらレッスンに生徒がやってきます。正月気分を一掃して仕事を再開しなければいけません。正月の間はホームページのphoto album を整理して少し見やすくしました。懐かしい写真が色々なことを思いださせます。そして勿論ジュリアーニ(Mauro Giuliani /1781-1829)の作品に明け暮れています。Ricordi からB.Jefferiの校訂で大部の曲集が出ていますが、これを片っ端から、まだ勉強していないものだなど弾いていますが、やはり面白い曲が色々とあります。これら全部を今度のコンサートシリーズ(1月23日《M.ジュリアーニ作品集》)で演奏することは難しいとは思いますが、これまで余り知られていなかったジュリアーニの音楽家としての顔を少しでもご紹介できればと思っています。以前にも「嬉遊曲 Op.78」はとってもお洒落な曲で昨年五月の「vol.32《19世紀のギター音楽〜練習曲とソナタ》」などでも演奏しましたが、 ジュリアーニはそのほかにも「嬉遊曲」のタイトルで、むしろ「即興曲」と呼びたくなるような自由な作品を書いています。今回特に興味を持っているのは作品83の「六つの前奏曲集」です。全体はいかにもジュリアーニらしい技巧的で、アルペジオの練習曲のような仕上がりですが、同一音形の繰り返しの中での転調が面白く、特に第4番ではアルペジオの中に隠れた旋律が美しく、第5番はまるでA.ラウロかH.V=ロボスのような独特のギターの使い方をしています。また第6番は旋律の半音進行が特徴的でまるでバッハの作品ののように聞こえますが、あるいはこれは後のシューマンのような高度なハーモニーに通じるのかもしれません。それから、作品11の「綺想曲 Caprice Op.11」と言う曲はおそらく有名な「華麗なるソナタ Sonata Brillante Op.15」と作品番号が近いことからも、この原案になった作品ではないかと思わせる、共通したアイデアがあちこちに発見され興味深い作品です。思わず「ええ〜?」と言いたくなるような、もしかしたら余りの酷似に笑いだしたくなるような、そんな作品です。私はこう言った様々な作品を通じて、ジュリアーニという偉大なギタリストが、作品のなかに何を書き留めていこうとしたのかを考えるのがとても楽しいのです。演奏会で是非お聞きいただきたいと思っています。

 


2010年の年賀状

2010年1月2日(土)

 昨年末も、年賀状を準備する余裕がなく、本日になってやっと書き始めています。いただくと嬉しいものですから、なんとか年賀状を書こうと思っているのですが、ここ数年は追いつかないことが多く、本サイトでご挨拶をする失礼をどうかお許し下さい。今年は葉書のデザインに私の母の「塗り絵(彩色)」を使わせてもらいました。今年83歳になる母は昔から多芸多才で、小学生の頃にはよく絵の手ほどきをしてくれました。といっても、母も誰かに習ったわけではなく、私の書いた絵にあれやこれやと意見を言ってくれたり、またいっしょに同じテーマで絵を描いてくれたりしたことを懐かしく思いだします。
  2006年に父を失い、今は一人暮らしですが、最近は「塗り絵」を楽しんでるそうで、嬉しく思っていました。毎年細君が母の年賀状作りを手伝っているのですが、「塗り絵」をして入る話を聞きつけ、それではそれを挿し絵にしたら良いだろうということで作品を送ってもらったら、想像以上に沢山の作品が送られてきて、驚きました。ぐうたらな息子は年賀状のデザインをサボって、母の作品のひとつを使わせてもらうこととした次第です。
 母に負けないよう、わたしも今年一年、演奏活動、作曲活動、そして教育/指導に精一杯頑張ろうと思っております。国内外各地でのフェスティバルなどでもお目にかかることがあると思います。どうかよろしくお願いいたします。

藤井眞吾
2010 Jan.1

 


明けましておめでとうございます

2010年1月1日(金)

みなさん、明けましておめでとうございます。旧年中は色々なところで、沢山の方々にお世話になりました。今年もギタリストとして、作曲者として、また指導者としても精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
この写真は我が家の玄関に家内が飾ってくれたお鏡です。庭に真っ赤な彩りを加えていた南天の実、そして背景に見える凧は、昨年「地平線の協奏曲」初演に絶大なる協力をして下さった小川光男さんの作品です。さて、私が住んでいる京都府八幡市には「石清水八幡宮」という有名な神社があります。早速初詣でに行って参りました。京阪電車で来られた方は電車を降りて直ぐにケーブル乗り場があるのですが、大変込んでいます。しかし下の参道からゆっくり歩いても20分ほどで八幡様に到着します。今年は娘が(長女)巫女さんをして入るので行ってみたのですが、大勢の人で全然見えませんでした。昼過ぎには家内の実家(大分県)から「鯛」と「ひらめ」が到着。これまでは家内が台所で格闘してさばいていたのですが、今年は2匹もあったので、近くの JUSCO の魚屋さんに行ってさばいてもらいました。流石はプロ。きれいに「刺し身」「塩焼き」「荒煮」とさばいてくれました。お刺し身は「とろりと甘味」がして最高の味わいでした。
のんびりお酒をいただきながら、友人と電話で話したり、元旦の空気を満喫しました。photo albumをご覧下さい。

 


2010

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更新2010年9月27日