Shingo Fujii - profile
藤井眞吾の名前はギター奏者としてばかりでなく、近年は作曲家としても知られるようになった。《パッサカリア~ヴァイオリンとギターの為の小協奏曲》は2005年に出版されると、日本国内は勿論のこと、ザルツブルグ、パリ、上海などで演奏され、またW.カネンガイザー氏の為に作曲した《天使の協奏曲》は京都と福岡で初演されると、わずか4ヶ月後にはイェール大学の学生達によってニューヨークで合衆国初演が行なわれた。ギター二重奏のための《紺碧の舞曲》は既に多くのギタリスト達によって世界中で演奏され始めている。
1981年にスペインへ留学するまでは京都大学農学部林産工学科の学生として「木材加工機械の騒音評価」を研究していた藤井は、ギターもそして作曲も独学からスタートしている。ギターは10歳から始め、後に岡本一郎、故ホセルイス・ゴンザレス、デイヴィッド・ラッセル、故ホセ・トマスに師事。リュートをヤコブ・リンドベルイに学ぶ。
1978年に大阪で開催された「ギター新人大賞」で1位優勝。1986年にはロンドンの王立音楽院の演奏家ディプロマ《A.R.C.M》を得、また「サンチャゴ・デ・コンポステラ国際音楽講習会」で開催された「ルイス・コーレマン国際音楽コンクール」で「コーレマン賞」を得る。
音楽家としての活動はギター独奏者としてだけではなく、中世とルネッサンスのヨーロッパ音楽を演奏する古楽グループ「ダンスリー」のリュート奏者としてスタート。1990年までの15年間に演奏活動および4枚のLP/CDアルバム作成に参加。ギター独奏者として日本国内の主要な都市でリサイタルやツアーを開催。音楽祭やフェスティバルにゲストとして招かれ独奏、協奏曲などを演奏。またフルートやチェロとの二重奏、さらにはこれらの楽器との室内アンサンブルなど、様々な演奏を通じてギターのあらゆる可能性を追求している。
レパートリーはルネッサンスから現代に至るまで幅広く、特に現代作品の初演は多く手がけている。2005年には「武満徹とギターの音楽」と題したコンサートを京都でプロデュース。武満の合唱曲をギター二重奏に編曲すると言う新たな試み、そして武満と最も親交の深かったギタリスト、荘村清志氏とともに演奏する。
また2006年にはアメリカを代表するギタリスト W.カネンガイザー氏のために《天使の協奏曲》を上梓し、氏を迎えて京都と福岡で初演、絶賛を博す。
1987年から2000年までは大阪音楽大学でギターの指導とギターアンサンブルの講座を担当。1998年から「ギターサマーコース
in 九州」の音楽監督/講師、フォレストヒルミュージックアカデミーのギター科特別講師、2009年より上海高等音楽院客員教授、2010年より2012年まで洗足学園音楽大学非常勤講師。
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