CHAPTER 0.
・・・はじめに
「現代ギター」誌に2009年の4月号から2010年の3月号までの12回に渡って《独習者のためのステップアップ講座》というタイトルで連載を書きました。内容はその名の通り、独習者が日頃の努力を開花させ、更に上達するにはどうしたら良いか・・・、をアドバイスするというものでした。実はこの連載の依頼は突然にやって来て、たしか2009年の2月頃だったと思いますが、横浜で仕事をしている時、滞在しているホテルで携帯が鳴り編集長から「・・・このような内容で連載を書いて欲しい」との相談を受けたのでした。編集長曰く「藤井さんがホームページに書いている Guitar Study みたいな内容で・・・」という説明で、連載の趣旨にも賛同した私は二つ返事で承諾したのでした。
ところが>初回の〆切りはもうすぐ目の前に迫っていましたし、いざスタートしてみると勝手気侭に書いていたホームページとは違って、毎月内容を整理し課題などを作っていくのは大変な作業でした。それでも連載が始まってみると、色々な方から、色々な機会に「藤井さんの書いてられる講座は大変助けになります」とのお声を戴き、それが励ましとなってなんとか12回を書き終えた次第です。
またこれを書く事ができたのには、さらにふたつの理由があったのですが、第一には私自身が19歳まで完全に独習者であったという事(この辺の経緯は「ギターを始める(2007年12月12日)」に書いております)、その経験が話題を枯渇させなかったのではないかと思うのです。本編にも書きましたが「独学には独学の長所がある」と今では思っていますし、そのことを読者の皆様にも解っていただきたいと言う思いが強くありました。更にもう一つの理由は、ホームページで書いていた「Guitar Study」は私がホームページを開設した大きな理由でもありましたが、演奏家として自分が経験や知識として蓄積して来たものを、同じギターを勉強する方々にもなんとか残していきたいと強く思っており、「現代ギター」に連載する事は、それを大きく後押ししてくれるだろうと思ったからです。編集部の方々のご理解もあって、なんとか自分が思ったようなものを書き上げることはできたと思うのですが、お陰で本家本元の「Guitar Study」はすっかりお休みしてしまうことになりました。
連載が終わって丁度二年が経ちます。読み返してみると納得出来る部分もあれば、説明に不足を感じるところも見えてきます。そこで、「現代ギター」誌に連載したものに加筆/修正をすることによって12回の連載を完結させてみたいと思った次第です。題して《続・独習者のためのステップアップ講座》。やはり時間のかかる作業になりそうですが、これが終わればある意味での「教則本」の様なものになるのではないかと期待をしています。各回(Chapter)はそれぞれにタイトルがありますが、その内容には区別がありますのでそれは「節」として整理しています。それぞれの「節」はちょうど「Guitar Study」のトピックに相当するので、Index に含むこととしました。また原文にはなるべく手を加えず、加筆/修正の分は文字の色を変えて表記することによって区別をいたしました。
少しずつ整理をして参りますので、またご愛読頂ければと願っております。
(藤井眞吾/2012年5月16日 ) |