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《続・独習者のためのステップアップ講座》
by Shingo Fujii
guitarstudy
shingo

CHAPTER 7.
音色(ねいろ)

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第2節. 「音の大きさは弦の振動の大きさ」

 弦の振動がギターの表面板に伝播し、表面板の振動が空気をふるわせて、「音」として私たちは聞きます。ギターの表面板がよりたくさん振動すれば、空気もよりたくさん振動し、「大きな音」となります。ということは「大きな音」を出すためには「弦をより大きく振動」させなければなりません。弦の振動の大きさは「振幅」によって表現されます(図-1)。
 

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 「弦の振幅」は「指が弦をどのように弾いたか」によって決定されます。もっと解りやすい例えで言うなら、弓道などで「矢を遠くに飛ばすために弓の糸をいっぱいに引く」ことと同じです。アポヤンド奏法で、指が弦をグイッと押し下げる様子を思い出して下さい。より深く押し下げれば、その押し下げた「距離(深さ)」に比例して大きな音が出ます。この原理はアル・アイレ奏法の場合も同じです。「どれくらい押し下げるか」と言う感覚をしっかり身に付けて下さい(図-2)。「強い音は強く弾くんだ!」という理解をしないようにして下さい。
 この練習のために【課題1-2】を復習して下さい。アクセント記号のついた音をアポヤンド奏法でひいた場合と、アル・アイレ奏法でひいた場合と比較して下さい。同じような結果が得られるのが理想です。アル・アイレ奏法の場合、指全体をしなやかに使うように気をつけます。指に力が入ると爪が弦に引っ掛かって、弦を押し下げるのではなく、上方向に引っ張り上げてしまって、硬い音や汚い音になってしまいますから、方向にはくれぐれも気をつけて下さい。
 同様に【課題1-3】も復習して下さい。親指を伴っています。これの応用として以下に【課題3-b】を追加しておきます。親指の音に惑わされることなく、上声のアクセントを正確に出して下さい。つまり、指が弦を押し下げる「距離(深さ)」を正確に保つと言うことが練習のポイントです。
 音の大きさに関しては普段のスケール練習やアルペジオの練習、あるいはもっと基礎的で簡単な練習をしている時にも気をつけ、音の大きさを意識的に変化させながら行うべきです。

3-b
・・・この練習は実際に、私自身欠かさず行う練習です。いつもゆっくりと、正確に。言うまでもなく、アクセントはアポヤンド奏法ではなく、アルアイレ奏法で、指が弦を押し込む角度と深さを意識しながら行います。正確に出来るようになったら、少し早くしたり、テンポに変化を付けます。
 全部で四つのパターンがありますが、二つ目以降は低音(親指)が拍頭にありません。そこで上声部にアクセントがついてしまわないように気をつけて下さい。重要な練習です。