「弦の振幅」は「指が弦をどのように弾いたか」によって決定されます。もっと解りやすい例えで言うなら、弓道などで「矢を遠くに飛ばすために弓の糸をいっぱいに引く」ことと同じです。アポヤンド奏法で、指が弦をグイッと押し下げる様子を思い出して下さい。より深く押し下げれば、その押し下げた「距離(深さ)」に比例して大きな音が出ます。この原理はアル・アイレ奏法の場合も同じです。「どれくらい押し下げるか」と言う感覚をしっかり身に付けて下さい(図-2)。「強い音は強く弾くんだ!」という理解をしないようにして下さい。
この練習のために【課題1-2】を復習して下さい。アクセント記号のついた音をアポヤンド奏法でひいた場合と、アル・アイレ奏法でひいた場合と比較して下さい。同じような結果が得られるのが理想です。アル・アイレ奏法の場合、指全体をしなやかに使うように気をつけます。指に力が入ると爪が弦に引っ掛かって、弦を押し下げるのではなく、上方向に引っ張り上げてしまって、硬い音や汚い音になってしまいますから、方向にはくれぐれも気をつけて下さい。
同様に【課題1-3】も復習して下さい。親指を伴っています。これの応用として以下に【課題3-b】を追加しておきます。親指の音に惑わされることなく、上声のアクセントを正確に出して下さい。つまり、指が弦を押し下げる「距離(深さ)」を正確に保つと言うことが練習のポイントです。
音の大きさに関しては普段のスケール練習やアルペジオの練習、あるいはもっと基礎的で簡単な練習をしている時にも気をつけ、音の大きさを意識的に変化させながら行うべきです。 |