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《続・独習者のためのステップアップ講座》
by Shingo Fujii
guitarstudy

shingoCHAPTER 5.
困ったレッスン風景

  第4章での「音を読む」という話は、この連載の中で私が最もお話ししたかった事のひとつでした。そのためか、時間が経ってみると少しいっぺんに話をしすぎたような気がして、第5章のはじめではそれを少し補足することにしました。

5-1
5-2

 

第1節. 「音読み」の補足練習

 【課題4-2】の勉強を終えたら、同じような短いフレーズを作って、同様に色々な弾き方を試みてください。色々なポジション、すなわち色々な運指で弾いて(それぞれに表情が違うはずですから)それらの差異を音楽的経験として学び、蓄積していって下さい。  こういった事がより自在にできるようになるためは開放弦を活用する事も重要です。その予備練習として「開放弦で弾ける音は全て開放弦で弾く」という条件で旋律を演奏してみましょう。ギターには通常「ミ・シ・ソ・レ・ラ・ミ(レ)」という6つの「開放」の音、すなわち何も押さえなくても鳴らせる音があります。楽譜の中からこれらの音を即座に判断する訳です。
 【課題5-1】としていくつかの課題を挙げましたが、特に重要なものではありません。あなたが今勉強しているギター曲、簡単な練習曲などで同様の事をやってもかまいません。フルートやリコーダーなどの単旋律の楽曲の譜面をお持ちでしたら、それらで練習してみると、より効果があるでしょう。


【課題5-1】
 〜開放弦を利用して、何通りかの弾き方をしてみなさい。音の強さ、音色、アクセント、アーティキュレーションに気をつけなさい。
5_1

 開放弦の音は左手に自由を与えます。すなわち・・・

  1.ポジションの移動が容易になる
  2.他の声部の演奏が容易になる
  3.左手を休める事ができる

・・・という自由です。ここでは「1.ポジションの移動が容易になる」事を目的とした練習ですが、ただし「音色(ねいろ)」には十分気をつけてください。前後の音とつながるように。これは右手の弾き方で調整します。
   【課題1-1】【課題1-2】で勉強した右手(指)と弾弦の角度が主なポイントです。開放弦の音は総じて「明瞭」で「硬い」、そして「ドライ」な音色ですから、その性格を多少変えてやらなければなりません。
  以上のことを整理するために「音階」での練習をして下さい。【課題5-2】の条件は「可能な限り次の音は異なる弦で弾く」ということです。このことにはあまり音楽的な意味はありませんが、あなたの頭の中で「次の音がどこにあるか(どの弦で、どのポジションで弾く事ができるか)」ということを考える習慣を養う事ができます。

実際には練習の内容として【課題5-2】のほうが【課題4-2】や【課題5-1】よりも基本的な練習ですので、こちらをまず十分に勉強して下さい。

【課題5-2】
 〜 開放弦を利用して、次の音が可能な限り異なる弦で弾きなさい。
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