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《続・独習者のためのステップアップ講座》
by Shingo Fujii
guitarstudy

shingoCHAPTER 11.
練習の日常化

  この連載が掲載されたのが2009年〜2010年でしたが、このころはまだ「笑っていいとも!」が幕を下ろすと言う噂すら流れていませんでした。今年、2012年7月21日にフジTVは「27時間テレビ」の総合司会にタモリ氏を抜擢、「笑っていいとも!」を終える為の花向けであるなどの噂もあります。真偽のほどは解りませんが、いずれにしろ極めて長寿の番組である事には替わりありません。本編でも書きましたが、私はいわば「タモリ」世代、大学生の頃から突然ブラウン管に登場した稀代の変人/天才、タモリを見つめて来たわけです。
   今はテレビをつけるとお笑い芸人やタレントが数えきれないほどいて、それぞれに得意の芸を披露しますが、タモリは既成のお笑い芸の枠を破って、それをはるかに広げた張本人だろうと私は思います。「笑っていいとも!」という月曜から金曜までお昼に放送される番組も、この人だからこそ何年も続けられたのだと思います。そのことと、ギターの日常の練習の事を結びつけて考えてみたくなったわけです。

(藤井眞吾/2012年8月9日)

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第1節「笑っていいとも!」

 フジテレビ系列の長寿番組のひとつで「笑っていいとも!」は皆さんご存知でしょう。正しい番組タイトルは「森田一義アワー 笑っていいとも!」なのですが、私はこの番組の初回放送(1982年10月4日)の事を鮮烈に覚えています。当時「タモリ」こと森田一義氏はすでに人気お笑いタレントではありましたが、まだ現在のような存在ではなく、どちらかと言うと「夜の顔」でした。それがフジテレビの正午に登場してきましたから「ああ、これはキャスティングミスだな」とタモリの大ファンであった私でさえも思ったものです。

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 しかしこの番組は当時フジテレビの敏腕プロデューサー横澤 彪(よこざわ たけし)氏が手がけたもので、「スター千一夜」「笑ってる場合ですよ!」「オレたちひょうきん族」「ライオンのいただきます」などと並んで代表作のひとつとして現在まで引き継がれています。タモリがかつて、自らをして「私は国民のオモチャです」と言ったように、この番組では司会者であるタモリは自由奔放、「え、まさか?」と言うようなことをどんどんとやって行き、登場する芸人やゲスト、挙げ句の果てには視聴者までをももてあそび、しかし楽しませ、あっという間に三十年近い年月が流れようとしています。この番組がこれまで続いた最大の要因は「いいかげんという周到さ」、「無計画という計画性」、そして番組の中心にはいつも即興の天才・タモリが居ると言うことに尽きると思います。この方向性は現在のお笑い番組の基本を作ったと私は思っています。

 

【後記】残念ながら「森田一義アワー 笑っていいとも」は2014年3月31日をもって終了となりました。タモリファンの私としては非常に残念でしたが、この番組自体は、ここ数年はタモリの個性があまり発揮されず、偶発的な面白さも期待出来ず、私は殆ど見ていませんでした。ウィキペディアに詳しくその歴史が述べられています。(森田一義アワー 笑っていいとも!
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