第2節「固定ド、移動ド 」
「固定ド」とか「移動ド」という言葉を聞かれたことがあるのではないでしょうか。要するに「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」というのはハ長調(ドで始まる長調)では「音階の名前(階名)」としても、「音の名前(音名)」としても、いずれも「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」なのですが、ニ長調(レで始まる長調)では「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の音名は「レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ」であるということなのです。
しかしギターを弾く場合には「移動ド」という考え方は、和声や音階の理解には意味を持ちますが、実際の指運びにはなんら意味を持ちませんので、必ず「固定ド」で練習してください。つまり第1弦開放弦の「ミ」は「ハ長調では第3音のミ」ですが、「ト長調では第6音のラ」になり「ホ長調では主音のド」になる、などというややこしい読み方は不要だということです。第1弦開放弦の「ミ」は「ミ」、いかなる場合でもこの音は「ミ」と読み、呼ぶようにしましょう。
単音の音階である場合には、音は読みやすい(譜例1)のですが、アルペジョの場合(譜例2A・B)やその他の複雑な音楽(譜例3)になった場合は、どこを読んだらいいのか困る場合があります。全部の音を読み覚えることは 無理であり、また負担が増えるばかりです。例えばアルペジョの場合は旋律的に動いている声部 (A=高音にある場合/B=低音にある場合)などを読んでればいいでしょう。伴なう和音は「和音として理解す る」か「コードネームで覚える」でも良いでしょう。異なる2つの理解/記憶方法を使います。
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