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《続・独習者のためのステップアップ講座》
by Shingo Fujii
guitarstudy
shingo

CHAPTER 4.
音を読む

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第2節「固定ド、移動ド 」

 「固定ド」とか「移動ド」という言葉を聞かれたことがあるのではないでしょうか。要するに「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」というのはハ長調(ドで始まる長調)では「音階の名前(階名)」としても、「音の名前(音名)」としても、いずれも「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」なのですが、ニ長調(レで始まる長調)では「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の音名は「レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ」であるということなのです。
 しかしギターを弾く場合には「移動ド」という考え方は、和声や音階の理解には意味を持ちますが、実際の指運びにはなんら意味を持ちませんので、必ず「固定ド」で練習してください。つまり第1弦開放弦の「ミ」は「ハ長調では第3音のミ」ですが、「ト長調では第6音のラ」になり「ホ長調では主音のド」になる、などというややこしい読み方は不要だということです。第1弦開放弦の「ミ」は「ミ」、いかなる場合でもこの音は「ミ」と読み、呼ぶようにしましょう。
  単音の音階である場合には、音は読みやすい(譜例1)のですが、アルペジョの場合(譜例2A・B)やその他の複雑な音楽(譜例3)になった場合は、どこを読んだらいいのか困る場合があります。全部の音を読み覚えることは 無理であり、また負担が増えるばかりです。例えばアルペジョの場合は旋律的に動いている声部 (A=高音にある場合/B=低音にある場合)などを読んでればいいでしょう。伴なう和音は「和音として理解す る」か「コードネームで覚える」でも良いでしょう。異なる2つの理解/記憶方法を使います。

 

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*クリックして譜例(画像)を拡大表示

  それ以外の場合にはその音楽の仕組みにしたがって工夫してみましょう。フーガの場合は主題のエントリーがあるごとに主題を読んでやれば、それに伴なう対位はたいてい和音から推測しやすい音になっていますし、 なれてくれば2つの声部を並行して記憶することもできます。