CHAPTER 12.
本当のステップアップ（最終回）

第2節「暗譜と視奏のこと」

　本連載の第4章から第5章あたりで、楽譜を読む能力の訓練についてお話をしました。このなかで「必ずしも暗譜することだけが重要なのではない」と言うようなことを書きましたが、これは私が「暗譜は重要ではない」と考えているのではありません。音楽的にも、技術的にもさらにステップアップするためには「一般的にギターを独習されている方々は、楽譜を早く、正確に読む、という能力に問題があるので、それを改善しなければならない」ということをお話ししたのでした。そして、それが可能になれば楽譜を見ながら演奏することも、暗譜して演奏することも、同じレベルで出来るようになるということです。
　ただし「演奏を磨き上げる」ためには「暗譜で弾ける」ことは極めて重要なことです。このことと、先ほどの楽譜を読む能力とは別個の問題です。真っ先に暗譜だけをする、と言うような勉強の仕方をしない方が良いという話をしました。念のために・・・。