from Nov. 19th 2002
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(16)番外編《Sakura

11月25日に安田ギター教室の主催で、函館市内の教会を会場にもうひとつの「アンサンブル講座」を開講しましたので、「番外編」としてその様子もご報告いたします。メンバーは安田ギター教室の方々、そして18日、19日の《Air》に参加された方々もいらしてやはり30人くらいの合奏となりました。課題の曲は私が編曲した《Sakura》、4部編成の合奏で、楽譜は当日配布しました。つまり皆さんには「初見」で勉強してもらいました。・・・それには深い深い意味があったからです。

今回の講座の目的は「アンサンブル」と「テクニックの基礎練習」です。多くの方々が既に18日、19日の《Air》のなかで更には「指揮法」のことなども少しではありますが、学ばれていましたが、この日は何と言ってもあらかじめ準備(練習)をした曲ではなく「その場で渡された楽譜を勉強する」ということ、それはつまり「勉強の仕方」がどうあるべきかということを実際に学んで欲しかったからです。

Sakura》の編曲は技術的には特に難しくありませんから、パートごとに説明をして、少しずつ練習を進めていくと、どの人も直に弾けるようになり、みるみるアンサンブルができ上がっていきます。最も大事なことはその作品がどのようにでき上がっているのか、どんな音楽なのか、ということです。そういった大きな視点から自分の弾くパートがどのように練習されるべきかを知らなければなりません。

そう言った理解なしに自分のパートだけ「運指をつけるという練習」をしても、多くの場合「運指の通り弾く」と言うことにしか注意が行かなくなり、音楽を吸収できなくなってしまう人が沢山います。そもそもどんな音楽であるかという前提が無ければ、運指だって最終的には決定できないはずです。最初に運指があるというのは、ですからおかしなことである・・・、と言うくらいの考えを持って下さい。

ここにある写真は全て30分間のパート練習の時の様子です。練習は12時から5時までの5時間ありましたが、約3時間が経過したところで、曲は大体勉強が終り、その時点でアンサンブルもかなり出来上がってましたので、30分間各パートが円座になって練習をしてもらいました。パート練習の後には右手の基礎練習をやりました。

そしてふたたび全体で合わせると、さっきまで出来ていたアンサンブルが出来なくなっています。それは何故かというと、パート練習をすることによって、アンサンブルをすることよりも個々が「弾く」と言うことの方へより神経が片寄ってしまったからです。勿論アンサンブルだからと言って「弾く・弾ける」ということがおろそかになってもいけないのですが、個人個人の音楽の勉強の仕方、ギター曲の勉強の仕方が「音楽は後回し」となっていると、このような結果に結びついてしまいます。これはなにも今回のメンバーだけのことではなく、今まで私がかかわってきた多くの学習者達に共通してみられることです。私自身自分の生徒にはこのことを何時も入念に教えなければならないのです。

個人個人の学習の仕方と、こう言ったアンサンブルの学習の仕方に共通した、基本的な重要なことを学んだ一日でした。最後には皆さん、とても立派な演奏を聞かせて下さいました。参加者は皆真剣で、そして楽しく勉強ができました。そのこともまた極めて重要なことです。安田ギター教室の皆さんとは、また来年四月に一緒に勉強をする予定です。

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ManzanaForesthill
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