from Nov. 19th 2002
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藤井眞吾ギター講座
《アンサンブルの楽しみ》
平成19年11月18日(日)・19日(月)  
18日●亀田福祉センター 3階第1会議室(函館市美原1丁目26番12号)
19日●函館市芸術ホール リハーサル室 (函館市五稜郭町37番8号)

課題曲Airについて

(8)制服の自由化

私が高校生であったころ(1970年頃ですが)、制服の自由化が謳われ母校では市内でもいち早く自由化になったような気がします。足並みをそろえるように公立の高校でも制服が自由化されましたが、案外私服を着てくる人は少なく、半数くらいはそのまま制服を着ていたように記憶しています。理由の多くは「めんどうくさい」でした。揚げ句の果てに、当時「マリンルック」と言うのが流行っていて、私服に着替えても女の子達はマリンルックだと、結局セーラー服とあんまり代わり映えがしなかったのは皮肉な話しでした。

 さる社会文化とか風俗史みたいなことを研究されている方に言わせると、日本人が皆勢ぞろいで流行の服を着たがるのは、この制服の呪縛であるのだとか。いざ「服装は自由で良いですよ」といわれても、個人個人が本当に個性的に服装を選ぶのではなく、周りで流行っているものしか身に付けることが出来ない・・・、それ以外を選択する勇気がない・・・、自分に合った服装を選ぶファッションセンスがない・・・、などの現象があからさまになるばかりだったのです。

 ギターの楽譜に書かれている「運指」というのは、着衣、服、履物、などと似ているように私は思うのです。つまり服装の選択の可能性は言うまでもなく無限に有り、一人一人の個性や趣味に応じて違うはずのものなのです。ではなぜ楽譜には運指がわざわざ書かれているのかというと、作曲者や編曲者が「ここはこの指使いで弾いていただきたいんですが・・・」という提案であったり、あるいは「ここは弾けないと思ってやしませんか? いえいえ、こうするとちゃんと弾けるんですよ」という指針であったりする場合ですが、実際には結構どうでも良いところに小うるさく運指が書かれている楽譜もあります。

 特に学習者のための「練習曲」などでは、一般的な指の使い方を身に付けるために、当たり前のところでも事細かに指使いが書かれている場合があります。これらはよく学んだほうが良いでしょう。服装は自由だ! ・・・と言っても、ネクタイの締め方や、帯の締め方、などは教えてもらわなければ解りませんし、上着と中に着るものの組み合わせなども、それ相応の理由があるわけですから、教えてもらうのが一番です。レッスンなどで先生が「そこは、この指使いの方が良いですよ」と教えてくれますが、その理由が何であるかということまで理解したほうが良いでしょう。勿論それだって、絶対的にこうでなければいけないとは限らないことも沢山あります。自分なりの服装の趣味を身に付けるには、それ相応の経験が必要なように、運指をすらすらと自分なりに弾けるようになるには、やはり相応の勉強が必要です。

 今回の課題曲《Air》では「こうしなければ弾けない」というヶ所は無いと思います。初心者の方でも少し時間をかければ、右、左ともに指使いはお分かりいただけると思います。ただし指使いにはある程度の「原理」みたいなものがありますので、まだそれを勉強されていない方は来週から始まる私の講座の中で一緒に勉強しましょう。

続く

ManzanaForesthill
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