from Nov. 19th 2002
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藤井眞吾ギター講座
《アンサンブルの楽しみ》
平成19年11月18日(日)・19日(月)  
18日●亀田福祉センター 3階第1会議室(函館市美原1丁目26番12号)
19日●函館市芸術ホール リハーサル室 (函館市五稜郭町37番8号)

課題曲Airについて

(15)Air

とうとう《Air》の演奏が終りました。立派な演奏でした。会場から割れんばかりの盛大な拍手。合奏団のメンバーの顔は思わず笑みでほころびます。最後の和音が芸術ホールの奥の方まで、静かに長く消え入ったとき、私もとても充実した気分になりました。二日間の練習は大変でしたが、とても楽しく、その成果 が遺憾なく発揮されました。函館のギタリスト達に最高の拍手を送りたいと思います。

二日間の練習では、曲の構成、各パートがどんな関係になっているのか、フレージング、などなど勉強しましたが、重要だった課題のひとつは「指揮者を見る」ということでした。指揮者を立てての演奏経験がない人が殆どだったので、最初の入りや、フェルマータの後の入りなども練習しました。そして最も重要だったのは指揮者の最初の予備運動からのテンポの把握でした。当日のリハーサルではこれらをすっかり忘れてしまっていたようで、もう一度厳しい忠告を発しました。

二重奏や三重奏などでは「相手の音を聞きながらアンサンブルを」と言うことがありますが、こういった合奏ではそういうやりかたは禁物です。音楽の流れも良くなりませんし、それは統率を欠いたものにしかなりません。これは小編成のアンサンブルの場合と、指揮者のいる大合奏の場合との決定的な違いなのです。

演奏者同士だけではなく、指揮者をかなめとしてアンサンブルを構築していっているのだという意識や訓練がまだまだ希薄なので、これは今後の大きな課題となるでしょう。

私のリサイタルの方は、函館市芸術ホールの素敵な音響のお蔭でとてもゆったりとした気分で演奏させていただきました。メルツ、コスト、武満徹編の歌5曲、スコットランド民謡、コユンババ、トゥリーナ、エストレリータ、そして最後にブローウェルを4曲。《Air》は私のリサイタル第2部の1曲目として追加しました。

1部と2部の間の休憩でステージの上に椅子が沢山並べられたので、聴衆は一体何が始まるのだろうかと思われたことと思います。急なことでしたので、この辺の準備も主催者の皆様の迅速で正確な対応に深く感謝しています。また合奏団の皆さんの中にはステージに立つことすら初めてと言う方も結構いらっしゃって、皆とても緊張したことと思います。

でもこの緊張感は私にとっても同様で、今回のリサイタルの一部として私にとっては忘れ難く素晴らしい想い出です。リハーサルの反省もあって、本番は素晴らしい演奏を披露してくれました。会場は本当に綺麗な響きで満たされました。そして大きな拍手を戴きました。プログラム終了後のアンコールでは再び合奏団の皆様を紹介させていただきました。

合奏団の皆さん、そして函館市文化スポーツ財団の皆様、本当に有難うございました。

ManzanaForesthill
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