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《はじまりの音楽》
by Shingo Fujii
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9.あんたがた何処さ


(民謡)

あんた方何処さ 肥後さ
肥後何処さ 熊本さ
熊本何処さ せんばさ
せんば山には 狸がおってさ
それを猟師が 鉄砲で打ってさ
煮てさ 焼いてさ 食ってさ
それを木の葉で チョッとかぶせ

 おそらく全国的に歌われている民謡、子供たちが毬つきなどをするときに歌う遊び歌ですが、地方によって歌詞やメロディーが微妙に違うようです。本曲集に収録したメロディーに馴染めない方、どうも違和感があるという方は、ご自分の聞きなれたメロディーで演奏していただいても構わないだろうと思います。

 歌詞の中に「熊本さ」と言う言葉が出てくるので熊本県の民謡と思われがちですが、どうやらこれは幕末に薩長連合の侍達が関東のどこかに駐屯したころに歌われた歌らしく、したがってこれは熊本の民謡でないそうです。たしかに「あんたがたどこさ?」と歌うときの「どこさ?」の抑揚は熊本弁でなく関東弁です。

 曲全体の伴奏は以下のように完全五度と完全八度の連続という、民族音楽の特徴を出す模倣してみました。低音はビートを聴かせるようにはっきり弾いて下さい。「BIS」というのはその間を「繰り返す」という意味です。ですから最初のイントロは合計「4小節」、また1ページ目の最後やダルセーニョする前も「BIS」は繰り返しますので4小節あるということになります。

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 曲の始めの部分では・・・

  「あんた方何処さ(1st guitar)? - 肥後さ(2nd guitar)
  「 肥後何処さ(1st guitar)? - 熊本さ(2nd guitar)
  「 熊本何処さ(1st guitar)? - せんばさ(2nd guitar)

 ・・・というやりとりをそれぞれ「1st guitar」「2nd guitar」に配分していますので、それを十分に意識して下さい。リズムは軽やかに、またここまで何度も注意してきたように、歌詞に相応しいアーティキュレーションを考えて下さい。

 右のページは「TRIO」で全くの私の創作です。左ページよりもモダンな響きがすると思いますが、それはメロディーと伴奏の関係がより独立したものになったことと、メロディー自体にも完全五度、八度、といった和音が当てられていることから来るもので、基本的なスタイルは変わりません。

2 「P subito」は「突然ピアノにして」と言う意味で、そこからゆっくりとクレッシェンド、そして二人の音がどんどん隔たりを増していって、もとの調子にもどり、ダルセーニョ(戻る)します。この曲は技術的に少し他の曲より難しく感じられるかもしれませんが、練習してみればそれ程難しくないことがわかるはずです。また 1st と 2nd は繰り返したときにパートを入れ替えてみても面白いでしょう。