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Nocturnal
by B. Britten

VIII. パッサカリア Passacaglia (measured)

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上の画像をクリックして譜例の全体を見ながら読んで下さい。別のウィンドウで開かれるはずです。このパッサカリアでは主題のあらゆる要素が再び提示され、発展されます。パッサカリアというのは低音に一定の主題を持っています。伝統的な手法ではこの主題に変奏の手はくわえられることは余りありません。ここでは「ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ」という下降音階がそれですが、曲の進行とともに僅かなリズムの変化を伴います。しかし音楽の変化を支えているものは圧倒的に上声部の変化です。そういう意味ではこれは伝統的なパッサカリアに共通していることです。
この変奏を演奏するにあたって私達は「measured」という指示を深く考えてみる必要があるでしょう。「慎重に」と言う意味もあれば「整然と」とか「拍子のそろった」と言う意味もあります。measure というの裁縫などで使う「メジャー」のことで、 「しゃくし定規な」というニュアンスもあるようです。
後半の追い込み、和音の切迫した積み重なり、息つく間も無い音階の上下行、そして原曲(主題)へと流れ込む様は圧巻です。曲の約半分を占めるこの変奏は、強い集中力が必要です。