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“カルカッシのギター教則本について”

ヘ長調

【VALZ】

 ここから「へ長調」です。ギターを始めたばかりの頃はフラット(b)のついた調号は見ただけで嫌になったものですが、慣れてしまえばそれほど弾くにくくはないですし、また平行調の「ニ短調」はしばしば使われるキーです。実際、この曲でも後半はニ短調です。

valz

 第1曲は「ワルツ」なのですが、ここまでのワルツとは少し雰囲気が違います。最初の八分音符「ファ」が短くならないように、たっぷりと「八分音符」の音価を保つとこの旋律のニュアンスが出てきます。中間部のアルペジオでは旋律をはっきりと出すように。
 最後のセクションは「ニ短調」ですが、ここでは少しテンポを落として、少し悲しい感じ、あるいは陰鬱な雰囲気を作ってみましょう。相変わらず旋律は分散和音を引くときと同じ、音程の開いた形ですが、音色がやせ細らないように。

 

【Marsch】

 再び「行進曲」です。マーチのテンポで弾けるように、ゆったりしたテンポで構いません。しかし最初の旋律の頭は少し変わったアウフタクト、リズムをしっかりと理解しましょう。1拍目から2拍目にかけてはレガートで。

marsch

 二つ目のセクションでの低音「ラ」は重くならないように軽くスタッカートがいいでしょう。この曲でもアーティキュレーションをよく考えることが大事です。またそれをどうしたら演奏できるのかという技術的課題をクリアしたいと思います。

 

【Allegretto】

 この旋律は個性的です。八分音符のアウフタクトは次の第1拍にかけてレガートに。「アウフタクトは常にスタッカートで」と教えている先生がいますが、それは間違いです。音の動きと、和音によってそのアーティキュレーションは考えられ、決定されます。「1小節目+2小節目」と「3小節目+4小節目」の表情のコントラストは素敵です。二つ目のセクション、右手の動きはゆっくりと無駄のない動きを練習しなければいけません。親指を同時使うことは易しくありません。

allegretto

 三つ目のセクションではやはり「親指p+i or m」の組み合わせでの二音のバランスに気をつけましょう。ここでも同音が続く場合軽やかなスタッカートがいい。最後のセクションでも同様に6度の音程が出てきます。ここでは滑らかに。