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“カルカッシのギター教則本について”

ホ長調

【andantino】

 ここから「ホ長調」、ギターが最も華やかに、そして力強く響く調です。m i の動きに注意しましょう。

andantino

 

【RONDO】

 2曲めはロンド。短いながらもよくまとまったロンドです。この教本第1部では最も華やかな曲の一つです。「6/8拍子」は二拍子ですが、その軽快なリズムを感じましょう。

rondo

 最初の部分の和音は重厚な響きと同時に軽やかなリズムを、第2の部分は①弦の旋律をよく歌って、三つめの部分は旋律がいつも三度の重音ですがこの二つの音のバランスに気をつけて。家族調に転調して気分も変わっています。
 ロンド形式の楽曲は規模の大きなものになっても、基本はそれぞれの部分の音楽的性格のコントラストを的確に捉え、うまく表現することが大事です。この曲はそういう意味でロンドを学ぶには格好の教材です。

 

【VALZ】

 作者は1小節めの十六分音符の音を完全にアルペジオの形で弾かせる(学ばせる)ことを意図しているようですが、「ラ#」が次の「シ」に滑らかにつながる(スラー)ということをこの段階で学ばせることが難しいから、そういうことにしているのだと思います。

valz

 この曲などは適切なアーティキュレーションを施せば、キュートな音楽が見えてくるのですが、作者はそこまでは求めていないようです。しかしそういった習慣が果たして学習者にとっていいものかどうかと私は思います。