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更新:2005年4月11日

曲目について-5

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藤井眞吾 ギターリサイタル〜ギターのための小品集
すべては薄明のなかで [4/14 in BIWAKO & 4/21 in TOKYO]
【曲目について by 藤井眞吾】

5.フクオケーニャ(L.ブラーボ)

 曲名の「フクオケーニャ」というのは原題がスペイン語で書かれていて「Fukuokena(nは〜がついてます)」と言う言葉ですが、これは「マラゲーニャ malagena」と言うのと同じことです。作曲者の レオナルド・ブラーボ さんに関しては昨年の NEWS で博多デビューリサイタルのことをお伝えしましたし、今は「現代ギター」に連載中ですから、一年前に比べると国内でも彼の名前は少しずつ知られるようになってきたのではないかと思います。
 とにかく素晴らしい音楽家で、彼の演奏はあたたかく、清潔です。作曲作品はまだ決して多くはありませんが、今回私が演奏する「フクオケーニャ」は2001年の作品で、アルゼンチン時代に作曲したもののようです。どうして「福岡」なのかというと、この曲は日本で、福岡出身の奥様に捧げられているからです。かと言って決して奥様のイメージで書いたとか言うことではないそうです。
 2004年博多でのリサイタルでも何曲か自作品を披露し、この曲も含まれていましたが、アルゼンチンの民族音楽を基調としながらも、独特の洗練された音楽で、とても印象的でした。今回実はこのほかに2曲彼の曲を弾きたかったのですが(うち、一曲は私に捧げられた曲)、小品でありながら、とっても難しく、比較的演奏の易しい「フクオケーニャ」のみをプログラムに入れたわけです。
 曲は6/8で、下降する旋律が特徴的です。曲全体を支配する「荘厳」な雰囲気は独特のもので、何とも言えない、悲しみとか、嘆息、といった感情を思わせますが、何故かネガティブな心理状態ではないように思えます。彼が奥様の生地、日本に来て演奏活動を開始するというにあたって、アルゼンチンの経済状況、政情不安定など様々な理由があったと思うのですが、そういった大きな不安の中にありながら、常に自分の音楽、自分の生き様というものを見失うまい、としている時期があったのではないかと思うのですね。この曲はそんな時期に書かれたのではないかと思います。
 それからレオナルドは5月に大阪、琵琶湖リサイタルシリーズ、東京、博多などで、リサイタルツアーを行います。こちらも注目です!


「フクオケーニャ」について

by レオナルド・ブラーボ

 この小品の前半はアルゼンチンのロサリオ市で、後半はカナダのトロントで作曲しました。この地で私は青田淳子さんと知りあい、作品を彼女に捧げたのですが、のちに私の妻となりました。
 作品はアルゼンチン音楽及び舞曲であるいわゆる「サンバ」の一種に基づいています。(ブラジルのサンバとは全く違うものです)このサンバは極めて繊細なリズムの音楽で、アルゼンチンの民話のひとつでもあります。またその踊りは極めて美しくしなやかです。いくつかの微細な要素が伝統的な構成から外れているとはいえ(導入部での4/4拍子やコーダ)、その語法は完全にスタイルの範疇にあります。新しい要素はありますがスタイルと認識されるはずですし、この作品は確かにサンバなのです。2003年にアルゼンチンのギター作曲コンクールで二位を受賞しました。

 


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