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《続・独習者のためのステップアップ講座》
by Shingo Fujii
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CHAPTER-2
左手の使い方を見直そう

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第2節「左手の角度」

 「この曲の、ここが押さえられません……」という時、 手の角度をちょっと変えただけですぐに押さえられる場合があります。指が届かなくて押さえられない、という場 合には手の角度を見直して下さい。以下の3つの角度を覚えましょう。

 

Ⓐ人差し指が“上”を向いている【図2-1】
 〜肘を前に出すように、特にこ の抑え方をマスターしてください。
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Ⓑ中指がフレットに平行である【図2-2】
  〜最も基本的な押さえ方。音階やスラー。
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Ⓒ人差し指が“自分の方”を向いている【図2-3】
 〜特定の和音を押さえる場合などに有効ですが、独習者にはいつもこうなってしまっているという欠点が見られます。
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 この3つの角度のなかで“基本”というべきものはⒷで、教則本などにも「手のひらを指板に平行に」などと書かれています。このとき指を伸ばさないように、特に中指(2 指)と薬指(3 指)は指板に垂直に立てるように(図2-2 参照)。こうすると、最小の力で充分に弦を押さえることができます。先の上行/下降スラーの練習(課題2-1)や音階練習はⒷの状態でやってください。
 初心者や独習者にはⒸ(図2-3)の状態でばかりギター を弾いてしまう人が時々います。あなたはどうですか?  ただし、これが悪いというわけではありません。たとえばヴィラ=ロボスの〈練習曲第1 番〉や〈第6 番〉に出て くるディミニッシュ和音はこの形で押さえた方が良いで す。それは均等の強さで4 本の弦を押さえることができる からです。
 1 ポジションでの“C のコード”は“図2-2 の押さえ(図 2-4 は別角度から見たところ)”でも“図2-3 の押さえ(図 2-5 は別角度から見たところ)”でも押さえることができます。こういう時は、小指がどういう動きをしなければならないかによって、どちらの押さえ方をするか判断してください。小指が①弦を押さえなければならないなら、“人差し指を自分の方に向けてⒸの押さえ(図2-5)”が適切ですし、小指が低音弦側を押さえなければならないのなら“中指がフレットに平行となるⒷの押さえ(図2-4)” が適切です。
 独習者がステップアップをはかるためにぜひ習得していただきたいのは“Ⓐ人差し指が上を向いている(図2-2)”押さえ方です。これは特に「指をいっぱいに伸ばしても届かない……」と感じられる時に実行してください。小指が低音弦側を押さえる場合だけでなく、高音弦を押さえる場合にも極めて有効です。この時には“肘(ひじ)”の位置を前にもってくるように注意して下さい。けっして後ろに肘を引かないこと。そうすると手の角度が悪くなる ばかりでなく、肩/腕に力が入ってしまいます。
  「指が届かない」と言う前に、そして「私は指が短いからね……」なんて言い訳をする前に、“手の角度”と“肘の位置”をもう一度チェックしてください。

 

【図 2-4】〜中指がフレットに 平行となるⒷの押さえ
/小指を低音弦側で使う場合
【図 2-5】〜人差し指を自分の 方に向けてⒸの押さえ
/小指を高音弦側で使う場
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*クリックして譜例(画像)を拡大表示

 

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