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Lesson レッスン

Lesson レッスン
~貴重な中年初心者

 学生ではない・・・、かと言ってご年配でもない・・・、と言う方々。つまり社会人であり、仕事もバリバリやっているが少し余裕が出てきてギターでも弾いてみようという方々・・・、そういう人達が最近は増えてきたような気がします。20台は若いほう、30台や40台でギターを勉強している人達が増えてきたように思います。それも学生の時からやっていたというのではなく、何かのきっかけでギターの興味がでて、始めたという、いわば「中年初心者」です。
 若者のように「プロになりたいな」何て言うこともないし、目標はひたすら「ギターが弾ければいい」と。それでいて演奏会も良く聞きに行くし、CDを買って聞いたり、楽譜もちゃんと買ってくれる。実に理想的な生徒達です。また変な先入観がないですから、演奏に関しても「好き嫌い」をはっきり言えて、ギター以外の音楽や他のジャンルのことにも旺盛な興味を持っている・・・。30年前にはこういう人は少なかったのです。これは我が国がそれなりに経済的にも音楽的にも、社会としてある程度成熟してきた証拠ではないかと思っています。
 私はこういった層の人達が本当に真剣にギターを学び、その耳を肥やし、腕を磨き、勉強を深めていくことは我々を取り巻く音楽的環境を必ずや変えていくと思っています。彼ら/彼女達が高い質の音楽と演奏を求めていくなら、プロの演奏家達にも大きな礎となるはずで、きっとより高い演奏家のレベルや音楽の質を求めていく原動力となると信じています。只単にTVで見たからと言ったような理由ではなくて、自分の耳で演奏を聞いて判断をする人が増えてくるはずです。そうなって欲しいと願っています。
 彼らには無限の可能性があります。すでに自分の人生を歩み始めているわけですから、しっかりとしたスタンスを保ちながらギターと付き合っていくことができるのです。腕前はそれ程でなくとも、上質の耳と見識を持つ人も出てくるでしょう。もしかしたら40歳を期に「厄年デビュー」何て言うことも、あながち冗談ではなくなるかもしれません。そいう環境が、ギターを取り巻く環境がそこまで自由で多彩になったら素晴らしいなと思います。