以下に「悪い例」を示します。親指がどうも安定しない・・・、親指の音がどうも雑音が多く汚い・・・、曲中に親指が出てくると他の指がどうもいうことをきかない・・・、などの自覚がある場合には、ここで説明する「悪い例」に該当していないか観察してみて下さい。
1. 右の写真は指先から弦に触れることによって「親指の爪が先に弦に当たり常に弦をこすった音がする」という場合です。このようなタッチをしている人は往々にして、親指の付け根の関節を中心に円を描くように動かしてしまうので、いっそう減を摩擦してしまいます。・・・これは辞めましょう!
2. これは先の例とは逆に「親指の腹のほうから弦に触れ、弦を擦った後に爪が弦に衝突する」という例です。このような動かし方をする人は往々にして「親指を曲げて弾かなければならない(・・・セゴビアの様に)」と思い込んでいる場合があります。関節が柔らかく親指の曲がる人でも、弦に対する角度、どこでタッチするのかは重要なポイントです。
3. 右の写真は(少し解りにくいかもしれませんが・・・)、「肉だけで弾いている」場合です。音が不鮮明になり、音量や音色のコントロールがあまり出来ません。 ただし、この弾き方は必ずしも悪いというわけではなく、低音を柔らかな音色にしたい場合は勿論使いますし、特に6本の弦全部を(和音)弾く場合・・・、例えばアランフェス協奏曲の第2楽章の冒頭のような場合は、むしろ好ましい弾き方です。ここでこれを「悪い例」としたのは、この弾き方しか出来ない・・・、というのでは駄目ですよ、という意味です。