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《続・独習者のためのステップアップ講座》
by Shingo Fujii
guitarstudy
shingo

CHAPTER 10.
左はあなたの敏腕マネージャー

10-1
10-2
10-3

 

第3節「運指について」

 今回お話ししたことは「運指の問題」と深く関連しています。「運指」は私達ギタリストにとって、永遠の課題です。ここに私の考えを要約してまとめますので、それ以上は皆さん自身で考えて頂きたいと思います。

(1)
良い演奏をするためにはかならず「考え抜かれた良い運指」で演奏されなければなりません。
(2)
しかし、いかなる場合でも、絶対、最善、唯一、という運指は殆どあり得ないと考えるべきです。条件によって可能性はたくさんあるからです。
(3)
運指を学ぶには、先生に教わるよりも優れた運指のついた作品を学び、意図的に全く違った運指で弾いてみることです。そうすればそこにある運指が如何に優れているかが解るからです。
(4)
有能な生徒は、教えた運指の意味と必要性を理解しすぐに覚えてきます。やがてその生徒は自らが合理的な運指を見つけ出す事ができます。
(5)
凡庸な生徒は教えた運指をなかなか覚えません。自らの習慣的指使いに縛られているからです。
(6)
能力の無い生徒は、やたらと運指ばかりを覚えようとします。しかも一種類の運指ばかりを覚えようとします。
(7)
時間が経って、もういちど前にやった曲を勉強し直すと、きっと別の運指を思いつく筈です。それはあなたが「運指に関しての知識が増えた」からではなく、「表現しようとする音楽が変化したから」なのです。
(8)
良い運指を見つけるためには、音楽を知らなければなりません。

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 さて、この連載も残すところあと二回です。残った紙面では「日常の練習方法」について考えてみましょう。

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