藤井眞吾の経歴
藤井眞吾の経歴
演奏会情報
藤井眞吾のCD
作曲作品リストなど
ニュース一覧
藤井眞吾の写真プロフィールなど、メディア用資料
藤井眞吾へメッセージを送る
 

Diary 2011年9

gf

いささか疲れました〜

9月28日(水)

hjrst

 24日にコンサートシリーズの第58回を終え(写真)、翌25日は一日中作曲に時間を費やし、徹夜でそのまま東京へ。26日の月曜日は、洗足音楽大学での私にとっての後期授業が初日。大学から委嘱頂いていた新作がこの日までに間に合わず、とりあえず出来ていた部分まで(約半分)の「スコア」を学生に渡すことにしました。後期の演奏会「冬の音楽祭」は12月4日ですが、予定しているプログラムは「《物語》より(J.イベール)」、「カタロニア民謡による変奏曲(委嘱新作初演/藤井眞吾)」、 その他に院生授業で教えている、編曲法と指揮法の課題として「カタロニア奇想曲(I.アルベニス)」を学生の編曲・指揮で、そして院生三人の演奏で「River Run(藤井眞吾)」と盛りだくさんの内容で、これを四回の授業で仕上げなければなりませんから大変です。この日は授業が終わってから品川で友人とゆっくりと夕食会。たのしかった!
 27日は朝の10時から大森町でリハーサル。日本ギター合奏連盟から委嘱頂いて7月に完成した曲で「4つのリトルネッロ Quattro Ritornello」、ベテランと若手が「4人+4人」で合計8人による合奏ですが、3時間の練習はとても楽しく、私が思い描いていた音楽をとても忠実に再現して下さっていて、アンサンブル《OZ》の皆さんの実力に感服。来月8日のフェスティバルでの初演が、とても楽しみになりました。
 夕方からは若者3人のレッスン。今回は時間はゆったりとありましたので、一人はソルの作品44から10曲を勉強、もう一人はブローウェルの練習曲や、アグアド、ソル等を練習の仕方、暗譜の仕方等についても勉強。お仕事が終わって最後に到着した生徒も、猿の作品を三曲勉強して、再び品川で夕食会。でももう10時近くだったので、あまりゆっくりは出来ませんでした。
 今日は朝は少しのんびりして、ホテルをチェックアウトしてから池袋へ。現代ギター誌の取材で写真撮影を済ませて、京都に帰ってきました。日曜日の徹夜が今になって効いて来ています。新幹線では爆睡。来週は益田正洋さんとの二重奏があります。


●関連リンク
藤井眞吾&益田正洋 DUO ミニコンサート 10/3
「4つのリトルネッロ Quattro Ritornello」初演 10/8

bgfg

今日は《エキノクス Equinox》

9月24日(土)

bgfg

 武満徹さんが亡くなられてもう15年が経ちます。訃報を聞いたときの悲しさは今でも忘れません。
 とても個性的で魅力的な作品を書いた人でしたが、あれ程までに人々に(演奏家は勿論のこと)影響を与えた日本の作曲家はいないでしょう。「北風と太陽」という童話がありますが、武満さんはまるでその「太陽」の様な人でした。書かれた作品も同様に、決して声高に叫んだりアジテートするような方ではありませんでしたが,その静かな物腰はかえって私達に、強く訴えかける何かを持っていました。
 ギターが大好きで、ギターのために素晴らしい作品をいくつか書いて下さった武満さんですが、その多くはギタリストの荘村清志さんとの交流から生まれた物です。《Equinox》は1995年の出版ですが、亡くなる僅か一年前の作品です。荘村さんの演奏活動25周年のリサイタルのために書かれたとされていますが,聞くところによると、あえて荘村さんが記念の作品を頼んだというわけではなく、武満さんの方からプレゼントされた作品だと言う事です。今から思えばこのころ既に、武満さんは自らの病魔のつよさを自覚されていた筈で、間際に病床にありながら《森の中で in the Woods》というギターのための名作を作曲された事は有名ですが、実はこの《エキノクス Equinox》も、それ程時期のはなれた作品ではありません。ということは、すでにこの作品が最も敬愛するギタリスト、荘村清志さんに対する、なかば「遺書」のような作品だったのではないか、と私は思っています。

(藤井眞吾/2011年9月24日)


●関連リンク
藤井眞吾コンサートシリーズ第58回《エキノクス Equinox》

bar

洗濯をして喜ぶ人

9月21日(水)

まめ

 夕方に家内が洗濯物を取り入れると、大喜びでやってくるのが「マメ」。ふんわり、かさかさ、したバスタオルの山に、さっと潜り込んで、まるで自分の城に帰って来たかのように落ち着いています。
 台風15号は昼過ぎには近畿圏を通り過ぎたようで、午後からのレッスンも生徒はなんとか我が家までたどり着けそうです。土曜日の京都での演奏会「コンサートシリーズ第58回《Equinox》」にも影響はなさそうですが、全国に大きな被害をもたらしそうな台風です。勿論、昨日も今日も洗濯は出来ませんから「マメ」はきっと寂しい思いをしていると思います。写真は数日前の物です。


●関連
藤井眞吾コンサートシリーズ第58回《エキノクス Equinox》



着手する時

9月18日(日)

 小学生の頃の思い出なのですが、絵を描いたり工作をする「図工」の時間と言うのがありましたね。私の大好きな授業のひとつでした。とっても好きでした。絵を描くのも、工作をするのも。とっても好きでした。それは何故かと言うと、算数や国語の時間と違って、先生があまり喋らないくて、自分のことに没入できる時間だったからです。たいてい、授業の最初に先生が「今日のテーマは・・・」と言って、お題を与えてあとは2時間、自分の好きなように絵を描いたり工作をしたりする事ができたからです。
 テーマを与えられてから提出するまでの時間は限られているのですが、私はいつもその時間の半分以上、もしかしたらもっと、何を描くか、どのように描くか、を考えるのに費やしていました。それは何か理由があったからではありません。そうしなければ描き始めることはできませんでしたし、先生がお題を言ったと思ったらすぐに筆を持って描き始める級友達を、いつも「へえ、すごいな、もう描いているんだ・・・」と思ったものでした。友人達が画用紙一杯に絵の具をまき散らしている頃、私の目の前にはまだ真っ白な紙しかない、ということはいつもの事でした。でもなぜか、慌てる事はいちどもありませんでした。だって、私にはそのとき、やれることは、考える事以外に何もなかったのですし、時間の中に必ず完成させる何かを考えていたわけですから。
 何も考えずに、筆に任せて描いて行くというのも楽しいと思います。それは時間の制約のないときに、楽しい事だと思います。でも私達の人生は必ず制約がありますから、本当はそれは少し違うと思います。作曲をするときはいつも、曲を頼まれたその瞬間から、その作業は始まっているのですが、それは決して楽譜を書いていくという作業ではありません。考えて行くという作業がとても大事だと思いますし、私はその時間が好きです。着手する時はとっくに始まっていますが、楽譜を書くという意味では、着手するときは、ずっとあと、たいていいつになるか解りません。約束した時間の中には収めるのですが・・・。


●関連
曲目解説「4つのリトルネッロ(Quattro Ritornelli)」
《ロンド〜ひまわり》が発売になりました
「夜想曲〜鳥の歌による」について

bar

会話

9月16日(金)

  歳をとると愚痴が多くなるとは巷でよく言われることながら「俺はまだそんな歳じゃない!」と思いつつ、はたと気がつくとやたらと文句の増えてきた自分に気が付く。「今時の若いものは・・・」と言い出したら老人の域だとも先人が曰っているが、だとすれば悲しいかな私は立派な老人かもしれない。 (・・・続きを読む

ばー

作曲家として思う事

9月13日(火)

 以前ある冊子に「鶴の恩返し」というタイトルで以下のようなエッセイを寄稿したことがあります。引用が長くなりますが・・・

《「よひょう」という若者が怪我した鶴を救うと、ある日「つう」という女性がやってきて、や がて娶ることになる・・・。生活の蓄えが無くなると「つう」は部屋にこもって「はた」を織る・・・。という一連の話は「鶴の恩返し」として有名な話だが、 「つう」の正体は「よひょう」が助けた鶴であり、機織りの材料となったのは鶴の羽毛であるというくだりに至って、機織機の前に座った鶴が自らの体から嘴で 羽毛を抜く様を想像すると、何か不気味な気分がしたものだ。 (・・・続きを読む

 


ばr

東西の四人の若者達

9月10日(土)

wakate

 東京、大阪の若いギタリスト四人が、その交流をこのような形で実現する事はとても喜ばしい事です。独奏だけではなく、二重奏、四重奏に挑戦。先般出版されました私の作品「ロンド〜ひまわり(四重奏)」も演奏されます。佐々木君と会所君はこの作品の初演メンバー(2010年庄内国際ギターフェスティバルで)でもありました。楽しみな演奏会、皆さん是非お出かけください!(詳細はこちらへ




秋からの演奏会の予定

9月9日(金)

 やっと秋からの演奏会の予定をアップしました(Concert)。
 初めて訪れるところ(浜松市 10/22)、久しぶりのところ(札幌 10/30函館 11/3沖縄 12/17)、そしていつもの京都でのコンサートシリーズ(9/2410/21、11/19)など色々ありますが、公開レッスンを開催するところもありますので、沢山の方々とのお会いできる事をとても楽しみにしています。
 今回はジュリアーニ、タレガ等の小品が中心ですが、武満さんの音楽、オリジナルと編曲など、ギターの魅力が存分にお伝えできるプログラムを用意するつもりです。


バー

曲目解説(Quatro Ritornelli)

9月7日(水)

リトルネッロ

四つのリトルネッロ Quatro Ritornelli

by 藤井眞吾 Shingo Fujii

 音楽用語として一般的に言われる「リトルネッロ形式」は特にバロック時代のアリアや協奏曲で見られるものですが、今回私はそのことよりも「リトルネッロ」というイタリア語本来の、「帰る」という意味により強い共感を得て作品を書きました。それは私達がいつも「帰巣(きそう)」する本能を持ち、そしてそこにこそ私達が信ずる《幸福》が存在すると言う、強い願いでもあります。題名の通り、四つの楽章から構成され、個々には完結した楽章ですが、四季の移り目に間断がないように「アタッカ attacca」で、そして時には楽章の間に緊張した静寂を聞きながら、連続したひとつの楽曲として演奏することを望んでいます。
 それぞれの楽章は冒頭に短い「斉唱」部を持ちます。第1楽章は「 ... verso il mare 海へ」と題した《舟歌 Barcarole》、第2楽章はイタリアの特徴的舞曲である「Tarantèlla タランテラ」、音楽と言うよりも我々人間の営みや響宴の象徴です。第3楽章は「Cantilèna 詠唱の歌」、哀歌ではなく静かに幸せを願う歌、各パートのソリストの独奏は総奏を優しく招き入れます。最終楽章の「... la fine e l’ inizio 終わりは始まり」という抽象的なタイトルは「帰る」という意味の「リトルネッロ」を別の言葉で表現したものです。古いイタリアの舞曲《サルタレッロ Saltarello》、喜びに満ちた終幕は必ず新たな幕開けにつながると思うからです。

初演は10月8日、情報はこちらです


バー

益田正洋さんの公開レッスン

9月6日(火)

duo

  10月2日に益田正洋さんの演奏会が大阪でありますが、その翌日(10月3日)には京都で公開レッスンが行われます。現在受講生を公募しています、詳細はマンサーナのサイト(http://manzana.ne.jp/)をご覧下さい。若い世代を代表するトップクラスのギタリスト、益田さんに直接学ぶことの出来る貴重な機会です。レッスンは夕方からスタート、終了後には(8時から)私と二重奏でのミニコンサートを予定しております。曲目は「三つのフラグメント(藤井眞吾)」「はじまりの音楽(藤井眞吾)」「アンクラージュマン Op.38(F.ソル)」。


05

《弘法筆を選ばず》

9月5日(月)

  レッスンではギターの弾き方(技術)は勿論のこと、色々な音楽の事も教えたりしますが、楽器(ギター)の事も教えなければ行けません。ところが、これがなかなかに難しい。やはり自分が弾いている「ギターと言う楽器」を理解していなければ技術は上達しませんし、豊かな音楽表現もできません。以前に《弘法筆を選ばず》というタイトルでこんなことを書いたことがあります。(・・・続きを読む)




《弟子》

9月4日(日)

  私は「弟子」という言葉が嫌いです。若いときに「なんとか一門」というようなギターのグループやら集まりの閉鎖性に辟易していたからです。「弟子」という言葉は「師匠」という言葉と対になって、それを象徴するように思えて、ですから「師匠」と言う言葉も嫌いでした。私の先生である岡本一郎氏は特に音楽においては、そう言う偏狭さを忌み嫌い、教えを受ける若者たちにもそんな因習は微塵も与えませんでした。その気持ちは今も変わりません。(・・・続きを読む)



Diaryバー09
メトロノーム

9月2日(金)

京都新聞 昨日の(2011.9.1)京都新聞朝刊に私のインタビューが載っています。 「私のモノがたり」というコーナーで、 大事にしているモノ、思い出のモノ、などなどについて語るというコーナーだそうです。インタビューの依頼を頂いた時、何について話そうかと考えたのですが、私にとって、大事なものはいっぱいあるし、・・・それぞれに思い出もいっぱいあるし、 そして思い出が深いものになればなるほど、内容は語り尽くせないものになるし、どうしようかなと悩んだのですが、なるべく卑近で、それを大事にしていることの意味をわかって頂き易いものにしようと30年使っている電子メトロノームについてお話をしました。
 これは本当に30年使っているもので、今でも色々な場面で「現役」です。シンプルいつくられたものは故障も少なく、長く働き続けてくれます。物を大切にする事、そしてそのものを理解する事は演奏家には大切な事だと思います。特に楽器を理解し、丁寧に使い続ける事は 上達するためにも大事な条件です。(クリックすると新聞の記事をご覧いただけます)




エッセイ

9月1日(木)

 東京の友人、富川勝智(とみかわまさとも)さんが主宰してられるギター教室の月刊会報に拙文を連載させていただいております。月遅れで、私のホームページでも公開させていただくことにしました。「ESSAY」のページはこれまでに書いたものもまとめてリストアップしていますので、お時間ございます方、是非ご覧下さい。

爪弾くと言うけれど・・・

 「爪弾く(つまびく)」という言葉があります。なにか楚々とした風情があって、貧乏学生が窓辺でギターを自らの慰みに弾く、などと言う光景にはぴったりの言葉ですが、いささか侘しい感じがしないでもありません。ギターを弾くには「爪」を使うわけですから、この「つまびく」という日本語はまるでギタリストのためにあるかのようです。
 クルト・ザックス(Curt Sachs, 1881-1959) という音楽学者がいらっしゃいましたが、この人が1913年に著した「楽器辞典」では「指板」の有無は弦楽器を大分する、というようなことを書いていたと記憶しています。
(・・・ 続きを読む)




エッセイ

8月31日(水)

 東京の友人、富川勝智(とみかわまさとも)さんが主宰してられギター教室の月刊会報に拙文を連載させていただいております。月遅れで、私のホームページでも公開させていただくことにしました。「ESSAY」のページはこれまでに書いたものもまとめてリストアップしていますので、お時間ございます方、是非ご覧下さい。

「ギター音楽200年

 ギターと言う楽器は相当古い時代からあった事は間違いがありません。相当とは、それこそ何千年と言うことです。しかし今のような形になったのはまだ100年ちょっと、一般的には19世紀の終わり頃。その前の時代、16世紀や17世紀、18世紀はどうだったかと言うと、これはルネッサンスやバロックの時代にあたるのですが、ギターは今よりはるかに小振りなボディーで、弦はダブル、つまりリュートやヴィエラのようにひとつの音に二つの弦を持っていました。この頃ギターはいつも「5コース」で、ですから10本の弦、しかし音域は狭く、ド・ヴィゼーやサンスの素晴らしい独奏曲もありますが、どちらかというと室内楽で活躍していました。それが19世紀、すなわち1800年になる頃、突然「複弦から単弦へ」そして「5コースから6コース」という大変身を遂げます。(・・・ 続きを読む)


... more information
guitar● 演奏会の情報 = Concert藤井眞吾コンサートシリーズ(in 京都 アートステージ567)プロフィール= bioCD・DVDメディア用資料= press-kitギターのお勉強!= Guitar Studyレッスンについてお問い合わせ= ContactYouTubeビデオリスト(ギター演奏)
composition●● 作品一覧= music>>>協奏曲>>>ギターとそのほかの楽器>>>ギター二重奏・三重奏 他YouTubeビデオリスト(作曲作品)
others●●● BLOG「藤井眞吾のギターココログ」日記写真集= PhotoAlbumエッセイ ESSAY最新情報(お知らせ)= News
Google
WWW を検索 このサイト内を検索

WARNING!/本サイトに掲載されている画像、文章等、 全ての内容の 無断での転載・引用を禁止します
Copyright © 2002-2011 Shingo Fujii, All rights reserved
only Counter!
from Nov. 19th 2002
更新 2011年12月1日 ギタリスト・ 藤井眞吾のWebsite