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《親指 Thumb 》
by Shingo Fujii

親指の使い方
〜1.弦に平行にタッチする

 最近自分の生徒を教えながら、右手の指の使い方とそこから産み出される音の関係を教える事の難しさを痛感していました。なかでも「親指(p)」の使い方が好ましくない場合が多く、またそれを習得するには思いのほか時間がかかる事が解りました。

 同じような構造、似たようなテクニックを用いているように見えますが、リュートやバロックギターは現代のギターとは基本的にかなり違うやり方で音を出します。それは19世紀のギターでさえも、多くの場合は現代のギターと違います。特に親指の使い方はかなり違うだろうと考えています。

 ここでは「現代のギター」の場合の親指の使い方についての私の考えを述べます。

 

1. 右の写真は右手の基本的な状態です。まず親指を「6弦」に置き、それが安定した状態である事を確かめます。この時、親指は(あるいは親指の爪は)弦に対して「平行」な状態にあるべきです。

 

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2. 右の写真は親指が「5弦」に置かれた状態です。先の写真と比べて下さい。親指が乗っている弦は「6弦」から「5弦」へと移動しましたが、いずれも親指の弦に対する角度は同じです。

 

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3. 右の写真は親指が「4弦」に置かれた状態です。やはり親指の弦に対する角度は同じですが、たとえば「6弦」に乗っている場合と「4弦」に乗っている場合では右手の感覚が少し違うでしょう。筋肉の使い方も少し違うのかもしれません。その違いを正確に感じる事が大事です。

 

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