Diary
2006
8

 

BLOG●安武の蕎麦
2006年8月31日 (木)

毎年恒例、ギターサマーコースin九州、が始まります。博多から車に乗って、とちゅう太宰府で安武の蕎麦を戴きました。天ザル大盛り、完食、秒殺!! 旨かった!!

BLOG●モーツァルト
2006年8月24日 (木)

今年はモーツァルト生誕250周年なのだそうです。「〜周年」と言うのに便乗するのはあまり好きではないし、便乗した訳ではないのですが、モーツアルト作品を演奏します。
ひとつは、もうすぐ開催される「ギターサマーコース in 九州2006」での恒例・講師陣によるアンサンブルコンサートで「クラリネット五重奏 K,581」。いつもなら、私が編曲するのですが、この曲では原調のまま演奏する予定ですので、私を含めた五人のメンバーにはスコアのコピーを送ったのみ。音域など、もろもろ、各奏者が判断処理することとして、本番前日のリハーサルを楽しみにしています。「ギターサマーコース in 九州」に関しては私のHPをご覧ください。
もう一回は10/17に函館で開催する藤井眞吾リサイタル。主催者の希望でロドリーゴの名作「ある貴紳に捧げる幻想曲」をやることになったのですが、函館出身のピアニスト・伊藤亜希子さんと共演することになりました。伊藤さんとの共演はかねてより楽しみにしていたものなので、もう一曲何かやりたいと考え、ジュリアーニなどよりはピアノの「音楽性」が味わえる作品をと思い、考えたのが「バイオリンソナタ ホ短調 K.304」。19世紀以降のソナタなどとは違って、ピアノのパートははるかに重要な意味を持っている。バイオリンのパートもシンプルでギターの魅力が引き出せそうな曲。モーツァルトの音楽も、そして共演者達との「時間」も。とても楽しみです!

BLOG●くるみ割り人形
2006年8月16日 (水)

言うまでもなくチャイコフスキーの代表作「くるみ割り人形」。バレー版ではなく、組曲版には「小序曲」「特徴的舞曲が6曲」そして有名な「花のワルツ」と合計8曲が含まれている。今回、立命館大学のギタークラブの依頼で「小序曲」を除いた7曲の、ギター合奏用編曲をしました。昨年のムソルグスキー「展覧会の絵」に続く第二弾となります。編成は同じく「アルト・ギター、ギター四部、バス・ギター」の六部編成です。本当はアルトは音があまり良くないので、使いたくなかったのですが、編曲を簡単にするには不可欠のこととなりました。よい楽器の入手、そして普段あまり使っていないでしょうから、楽器の手入れや管理をしっかりすればもっとよいと思うのですが。
「くるみ割り人形」がギター合奏で弾かれるようになったのは、きっと LAGQ の影響なのでしょうが、この曲は愛らしい曲調とは裏腹に、演奏はかなり高度な技術を要します。編曲ではなんとかその辺を緩和するように心がけましたが、おそらく昨年のムソルグスキーより遥かに演奏の難しいものになったでしょう。 定期演奏会は11月28日だそうです。皆さん是非聞きにいってみて下さい。(楽譜は「アラビアの踊り」の1ページ目)

BLOG●ギター音楽の様々とインターネット
2006年8月 4日 (金)

奏会の情報をいち早く発信したり、あるいは終了してからもその内容を記録と残すためにインターネットを活用することは、今ではごく普通のこととなりましたが、「ギター音楽の様々」を主催したマンサーナも同様です。マンサーナは20日の京都公演と25比の琵琶湖リサイタルシリーズを担当しました。
http://manzana.ne.jp/index.html

22日の福岡公演、そして23日の福岡マスタークラスはフォレストヒル。「FHN フォレストヒルニュース」が面白いです。
http://www.foresthill-morioka.com/

また出演者の方々も各々のホームページやブログなどで練習風景のレポートから、演奏会の興奮に至るまで、とても面白い情報を発信してくれました。 ゲスト出演者の中ではなんと言ってもコンサートマスター兼 3rd パートリーダー、そしてバッハではカネンガイザー氏と共演、またロッシーニでも素晴らしい演奏を聴かせて下さった松岡滋さんのブログが圧倒的に面白いです。(練習の進捗状況、演奏会の模様など、私の HP より遥かに詳細にアップされています!) http://mtoksgr.exblog.jp/

京都公演では関西在住の若いギタリスト達(大阪音楽大学での私の教え子達)が手伝ってくれました。 ユニークなホームページをつくっているのが「ポンタ」こと、西尾純平君。「ポンタのお話」はフィクションとノンフィクションの混在した、なかなか面白いお話で、《天使の協奏曲》から「公開レッスン受講」の話まで満載です。
http://www.geocities.jp/junpei_n_ponta/

蟹江真実(かにえまこと)君はとってもおとなしい学生だったのですが、もう今は一児のパパ。積極的に演奏会を手伝ってくれました。ブログが細やかに更新されています。
http://www.kanie-guitar.com/

フランスの留学から帰国したばかりの亀井貴幸君もHPとブログの両方で情報発信をしてくれました。今月と来月はフルートとの演奏会を控えています。 http://www.eonet.ne.jp/%7Ekameitakayuki/index.html

合奏団メンバーでは私の生徒の「O君」と「U君」のブログをご紹介しましょう。 http://blog.livedoor.jp/ferrari_f2003ga/
http://bathroman.cocolog-nifty.com/bathromann/

勿論私のHPもご覧ください。
http://homepage3.nifty.com/shingogt/

BLOG●ビルの残したもの-5
2006年8月 3日 (木)

7月25日の「琵琶湖リサイタルシリーズ」、カネンガイザー氏のソロ・リサイタルには感慨深いものがありました。一年前、ここで演奏を終えたビルはすっかり京都と、琵琶湖と、そして会場となった琵琶湖ホテルの日本では初めて体験したゆったりとした環境に魅入られて、是非家族を連れてまた来たい、と思ったのでした。奥様と13歳のお嬢さんを伴っての日本演奏旅行はかねてより彼の希望だったのです。
この一年間彼とは80通以上のメールのやり取りがありましたが、勿論演奏会の内容をどのようなものにするかと言う点、そして彼が家族を同伴しても一緒に過ごす時間がなければ意味がありませんから、その二つの面から考えなければいけませんでした。ですからこの日の「琵琶湖リサイタルシリーズ」は僕たちにとって、ある意味での本当のゴールだった訳です。まるで一年前の再現映像のように、琵琶湖ホテルのチャペルで演奏する彼の姿は、私にとってまさに奇跡でした。
なんだかとってもエキサイティングな演奏で、私は勿論、沢山の人たちを心の底から楽しませてくれました。
一年かけて練り上げた計画、そして3ヶ月かけた《天使の協奏曲》の練習、19日のリハーサルでビルが合奏団のメンバーと一緒に音を出した瞬間、この2月まではお互いが「夢」と呼び合っていたことが、本当に現実となったと感じたのでした。そして最終楽章を弾き終えたとき、それはただ単に僕たちだけの「夢」ではなく、何十人もの人たちにとっても「夢」であり、そしてその瞬間現実となって新しい世界の扉を開いたのだと、興奮しました。何十人もの人間が同時に同じひとつの感動をつかんだ瞬間、僕は生涯忘れることができません。 関西空港からロサンジェルスに向けて帰国するビルは「始めはクレイジ−な夢だと思っていたけど、本当になったね。またいつか、もっとクレイジーなことをやろうね!」と言って姿を消しました。
彼の力強く暖かい音楽、誠実な音楽、家族の優しい笑顔、そして京都、大阪、福岡、沢山の土地から集まったギタリストとの感動的な日々はいつまでも私の心に残るでしょう。それがビルの残したものです。(終わり)

投稿者 Shingo 時刻 15時53分

BLOG●ビルの残したもの-4
2006年8月 1日 (火)

「公開レッスン」のことをお話ししましょう。今回のW.カネンガイザーの来日では二回の公開レッスンが行われました。23日に福岡(主催/フォレストヒル)、24日に大阪(主催/大野ギター音楽院)、いずれも私が通訳を担当しました。(・・・そろそろ「通訳」も後進にお願いしたいという思いも強くなっております。)
初めてビルに会ったのは4年前のことではないかと思います。やはり福岡でのマスタークラスの通訳を頼まれて、ついでに演奏会も聞いたのでしたが、実はそれまで W.カネンガイザー というギタリストにはあまり興味を持っていませんでした。というのも LAGQ というギターアンサンブルを私はあまり高く評価していなかったからです。ところがこの時のソロリサイタルは、四重奏からは想像もつかないほど、独創的で音楽性に溢れた演奏会であったばかりか、レッスンの内容も、非常に論理的で、知的教授法であったことにひどく驚いたのでした。おそらくこういったレベルのレッスンは、私の師匠でもある、D.ラッセルをおいてほかにはいない、というのがこの時の印象でした。
今回彼の演奏が非常に円熟味を増していたことと並行するかのように、レッスンの内容もさらに「熟練」の味わいを感じさせました。例えとして、D.ラッセルのレッスンをあげましたが、それは「生徒の急所に鋭く切り込み、救い上げる」レッスンであるの対して。カネンガイザー氏は「一緒に窮地に飛び込み、そこから自ら這い上がり、救済の方法を自ら示すような」教え方です。時に微細に、しかし全体はいつも音楽の大きな流れに立脚した視点を失いません。人間的な暖かさが、通訳をしていても非常に感じられます。
また「通訳」と言う立場から言うなら(私はそれほど英語にしろスペイン語にしろ高いレベルではないのですが)、デイビッド氏やビルは私の語学力を実際に知っていますから、私が通訳出来る範囲の言葉でレッスンをしてくれますから、こちらとしても非常にやりやすい訳で、その結果まるで私が語学に堪能で、通訳が上手であるかのような誤解を生んでいるのだと思います。でもそれは裏を返せば、その程度の「語彙(ボキャブラリ−)」で、彼らは素晴らしく高いレベルのレッスンを行っていると言うことなのです。いたずらに抽象的な表現をしたり、個人的で、感情的なレッスンではないと言うことなのです。だから通訳もしやすいし、受講している人にも、さらには聴講している人にも非常に分かりやすく、有益なレッスンなのです。
Bill_lesson_2 それから特筆すべきは福岡でのフォレストヒルの公開レッスンは、いつもまさに「マスタークラス」と呼ぶに値するレベルで、本当に有益なものであることを付け加えておきましょう。 大阪での公開レッスンでは、非常に若いギタリスト達にも、極めて独創的な教え方で、聴講者の興味を引きつけていました。また左手に問題があると言う受講者には、ヴィブラートの使い方を教え、それによって左手の無駄な力を抜くようにしようと言う発想は非常に面白く拝聴しました。
こうなると次回の来日で、彼の音楽家としての成長ばかりでなく、教授としての円熟振りにも大きな興味がわいてきます。 余談ながら LAGQ という四重奏団で、カネンガイザー氏がリーダーであると言うこと実は最近まで知りませんでした。であれば、かれのこういった音楽的資質がもっともっと反映されるべきではないかと私は感じています。その原因は分かりませんが、よりパワフルで、豊かな音楽の LAGQ になる日は近いかもしれません!(つづく)

投稿者 Shingo 時刻 03時40分


from Nov. 19th 2002
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