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El Decameron Negro
Night Sketches
 


 
第12回 九州ギターサマーコース 2004年
2●初日(9/24)
●池田慎司講師による公開レッスン
 講習会のスケジュールは各講師による個人レッスンが中心となり、参加者は任意に聴講することが出来ます。 また昨年からその一コマを特別に「公開レッスン」として設けることになりました。これはそれぞれのレッスンが聴講可能であるとはいえ、やはり基本的には個人レッスンであり、また各講師がどう言った指導をするのかという、講師間の勉強の目的も含めて開始されたものです。今年は池田慎司講師が担当。受講生は京都から参加の粟津覚正君。曲目はソルの「魔笛による変奏曲 op.9」、基本的なことながら、音の間違いの指摘から始まり、コーダに向けての各変奏の表現の仕方を解説。技術的なことよりも専ら、「どう弾くべきか」「どう表現するべきか」という観点に集中。「次にどうするか、それによって今の表現が考慮される」あるいはその逆である、と言ったような話は池田氏の演奏の基本を垣間見るような気がしました。
 公開レッスンでは 個人レッスンとはまた違った緊張感が感じられ、講師も含めた全員による聴講生も集中して耳を傾けていました。また二日目には福田進一氏による公開レッスンも特別に開講され、博多から参加の濱田貴志君がポンセの「三つのメキシコ民謡より第2番」を受講しました。福田氏は曲の構造、特にメロディーと伴奏の関係から、それぞれがどんな関係にあり、どう演奏されるべきかを解説。また「うまく演奏できない」理由をそうした「曲の分解」から発見することを見事に解説しました。ここでも「福田マジック」は見事に炸裂したような気がします。
● アンサンブル講座〜その1「伴奏をしてみよう」
 私の担当講座で、1706年に出版された「Flute Divisions」から有名な「An Italian Ground」を題材に、通奏低音法の基礎と伴奏の実際を解説。「Flute Divisions」は本来旋律の変奏法の習得を目的とした曲集ですが、ここでは逆に伴奏に焦点を当てて、伴奏が何をするべきであるか、そして実際にどれほど自由であり面白いものであるかを、講師の助けを借りて示しました。しかし、こういった勉強は決して短時間、一回限りでは習得は難しく、おそらく来年もこの続編をやらなければいけないだろうと思いました。

●ナイトコンサート part1
 夕食が終り、アンサンブル講座が終ると 、恒例の「ナイトコンサート」です。昨年までは「初日がアンサンブル」、「二日目がソロコンサート」と分けていましたが、今年はそれらを融合した形で行いました。初日は全体的な統括を松下講師が、二日目は中納講師が担当しましたので、期ぜずして若手講師の初日、と言う感じになりました。その中で、私と中野義久氏でテデスコの「前奏曲とフーガ」からト長調とハ短調の二曲を演奏。また中野氏率いる「カスティーリャ・アンサンブル」選抜メンバーで「四つの素描(藤井眞吾)」「トッカータ(ブローウェル)」等を演奏。松下隆二氏は昨年リリースしたCD「I'm a stranger here myself」から二曲を披露。以下プログラムです・・・

■四つの素描(藤井眞吾)
演奏/中野義久、濱田貴志、近藤史明
三良裕亮、和田幸太郎、上野芽実

■「I'm a stranger here myself」より2曲
演奏/松下隆二、池田慎司、近藤史明

■前奏曲とフーガ ト長調&ハ短調(M.C.テデスコ)
演奏/中野義久、藤井眞吾

■ひとつのワルツと二つの愛(D.レイス)
■ブラジルの水彩画(A.バホーゾ〜C.B.リマ)
演奏/池田慎司

■最後のトレモロ(A.バリオス)
■ブルガレーサ(F.M.トローバ)
演奏/松下隆二

ほか

●夜の部〜
  初日のプログラムも無事終了し、後は皆でお酒やお菓子をいただきながら、くつろぎのひとときとなります。実は福田進一氏、そして中野義久氏は、大学生時代からの私の親友。こうして互いにギタリストとして三人がゆっくりと再会するのは、そしてこうして一緒に演奏したりするのは何と約二十数年ぶり。殆ど三十年ぶりのことです。ついつい昔話に花が咲き若い参加者を前にして「君たち位の歳の時には、ああだった、こうだった・・・」という話になってしまいました。そんな話に参加者の人達は深夜まで熱心に耳を傾けてくれます。女性の参加者も決して男性参加者には負けていません。積極的に音楽談義や、雑談に参加、でもこういった時はスタッフにとっても、また私たち講師陣にとっても一番リラックスして楽しい時です。
 しばらくするとアンサンブル会場であるチャペルへ行って練習に励む人も増えてきます。福田君、中野君、そして私が就寝したのは明け方の5時。ちなみに私たち三人と一部の参加者が宿泊したのはメイン会場の根子岳山想のすぐ向かいにある「森のレンガ館」です。こちらは瀟洒なたたずまいと落ち着いた雰囲気、そして何よりもオーナーの心のこもったフランス料理が絶品です。ほろ酔い気分で夜露に濡れた芝生の上を歩くと、私たち三人は本当に三十年前の京都での学生時代に戻った様な気がしました。

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