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El Decameron Negro
Night Sketches
 


 
第12回
九州ギターサマーコース
2004年

12th Kyushu Guitar Summer Course, 2004
at 熊本県阿蘇山根子岳山想
主催/フォレストヒル・ミュージックアカデミー

 

写真提供/FOREST HILL


この講習会の模様を私のサイトでレポートしたのは、つい先日のような気がします。今年は昨年以上に多くの受講生が元気な演奏を聴かせてくれました。またゲスト講師として今年は福田進一氏が駆けつけて下さいました。圧倒的なパワーと彼の与えてくれた音楽的教えは全ての受講生に、強烈な教訓となったことでしょう。今年の九州ギターサマーコースを強く印象づけた存在でした。また新しいパワーの台頭をも肌で感じた年でした。来年以降に新たな展開が感じられます。ではレポートをご覧下さい。

(藤井眞吾/2004年9月30日)

1●開講前夜(9/22)
●やす武の蕎麦!
 講習会は9月24日(金)の開講ですが、講師陣及びスタッフは毎夜のコンサートのリハーサルために前夜に会場入りします。博多駅で今年のゲスト講師・福田進一氏と合流、一路熊本は阿蘇山に向かいますが、・・・これも恒例、昼食は太宰府天満宮へ立ちより、手打ちそばの「やす武」でおいしい蕎麦と、名物の梅ヶ枝餅を頂きます。
 写真は右から、講師の中野義久氏、 主催者でフォレスト・ヒル社長の森岡晃氏、ゲスト講師の福田進一氏、そして音楽監督の私です。ちなみに私の目の前にある「せいろ」のみが「空」になっていますが、すぐに二枚目をたいらげたことは言うまでもありません。蕎麦好きにはたまらないのど越し、そしてしっかりとした「ダシ」の味わいは絶品です!
●前夜のリハーサル
 毎年会場となるのは阿蘇山、根子岳にあるペンション「根子岳山想」です。 私たちが到着すると既に別府から竹内竜次さん、博多から松下隆二さん、北九州から池田慎司さん、といった講師陣も到着していました。夕食を済ませてさっそくアンサンブル曲のリハーサルのスタートです。
 今回はこれまでやって来たアンサンブルコンサートのプログラムの中から何曲かを演奏することにしていましたが、写真左は私の作曲作品「友人からの音楽(6重奏)」の練習風景です。この曲は昨年、ゲスト講師を務めてくれた大萩康司さんを交えての演奏でしたが、今年は同じパートに福田進一さんが入ってくれました。
●福田進一、炸裂!
 もう一曲のアンサンブル曲はやはり私の作品で「グリーンスリーブス変奏曲(5重奏)」。ところがこの曲ではどうしてもこの日に到着できなかったもう一人の演奏者に替わって、福田氏が付き合ってくれました。そしてここから、私にとっては非常に興味深い光景が始まったのです。初めて見るスコアを頼りに一通りの演奏が終ると福田氏は、即座に「ここは楽譜にはこう書いているね・・・、それからあそこではもっとアーティキュレーションをはっきりしないと、作曲者の意図に反するから・・・」と言う具合に若手講師陣への的確なアドバイスが始まったのでした。お茶を飲みながらその練習風景を見ていた私は、作曲者として、福田氏の卓越した音楽の理解力、そして明快で圧倒的な指導力に息を飲んだのでした。まさに福田進一パワー炸裂、と言った感じです。彼が世界を股にかけて活躍する理由のひとつがそこにあるのは言うまでもありません。この日の練習は私たちにとって非常に意義深いものでした。このような音楽の「メーキング」風景は、もしかしたら受講生の人達にこそ公開し、見て、学んで欲しいものかもしれません。
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