1.なぜギターの音が?
ギターの音について考える前に、なぜ私達の耳に「ギターの音が聞こえるか」と言うことを考えてみましょう。ここで言う「ギターの音」とは、その「音色(ねいろ)」「音の強さ(=大きさ)」、もう少し抽象的に言うことを許していただけるなら「音の表情(ニュアンス)」と言うような、「全体的なこと」です。
(Q1)いま、私の耳にギターの音が聞こえましたが・・・
・・・それは、私達の耳の鼓膜が空気の振動をとらえているからです
(Q2)なぜ、空気が振動したのですか?
・・・それはいい質問です、ギターが振動したからです
(Q3)え、ギターが振動したのですか?
・・・それは大事なことです、ギターの表面板が振動したのです
(Q4)なぜ、ギターの表面板が振動したのですか?
・・・それは単純なことです、ギターの弦が振動したからです
(Q5)なぜ、ギターの弦が振動したんですか?
・・・おやおや、あなたが、あなたの指で、ギターの弦をはじいたからですよ
この五つのやり取りはもしかしたら、あなたにとって、とても馬鹿馬鹿しいやりとりに思えるかもしれません。でも私達がギターを弾くためのテクニック、とりわけ右手のテクニックについて考えるとき、ここに見られる結論は決して忘れてはならない《原点》であり、またこの事について考えることが、すなわちあなたのテクニックを考えることとなるのです。テクニックの何か問題にぶつかったとき、必ずここにたち返って原因を考えなければなりません。
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