gfd
《アルペジオ Giuliani の Op.1》
by Shingo Fujii
sankaku
sankaku
~アルペジオ~
Giuliani の Op.1

補遺

いくつか右手の指使いで面白いものがあるので、それに触れて本稿を終りとしましょう。「より現代的な指使い」でもお話しましたように、必ずしもジュリアーニの指示したした指使いを守って下さい、というつもりはありません。ここにあるのはおそらくいくつもの可能性の中のひとつでしょうし、他の指使いを学ぶことは大いに意味があることです。

17

No.17では「 p i p i 」という、親指と人さし指の交互が指示されています。これはルネッサンスの時代から続くリュートなどの奏法の名残で、勿論ギターでもこの奏法は今以上に多用されていました。それはソルの Op.31-19 などにも見られます。おそらく現代でもこの奏法は有益です。しかしこの課題では・・・

第1弦= a
第2弦= m
第3弦= i
第4~6弦= p

という法則を適用しての練習もしてみてください。

115

No.115では「 a m i i p 」という、第3弦から第4弦にかけて「 i 」を滑らせるという指使いが指示されています。しかしこれもバロックの時代のリュートやギターではごく普通のテクニックでした。現代のギターでは、このケースでは余り有効ではないように思えます。「 a m i p p 」と親指を連続するか、いっそのこと「 i i i i p 」と人さし指を全部滑らせてしまったほうが良いかもしれません。

アルペジオの練習はできるだけ左手が単純なものを選んで勉強して下さい。押さえが難しいと右手への集中が無くなってしまうからです。誰かの作曲したものでなくとも、皆さんが個々に考えて、開放弦で様々なパターンを練習することも極めて有効でしょう。アルペジオは極めて重要なテクニックですので、丁寧に練習して下さい。


BACK |