from Nov. 19th 2002
only Counter!
 
19世紀ギター
オリジナルの19世紀ギターによる演奏を是非お聴き下さい! 「ダンスリー」という古楽グループでリュートを弾いていたころから19世紀のギターには大きな興味を持っていました。大阪音楽大学で教鞭をとっていたときには大学所有の19世紀ギターやバロックギターなどでコンサートをやったりしましたが、今回は滋賀県にある観峰館所蔵の楽器の中から「マルタン」と「シュタウファー」の2つを選び、9月に同館で演奏いたします。曲目は「F.ソル」「M.ジュリアーニ」「M.カルカッシ」「J.K.メルツ」「N.コスト」、題して「19世紀ギターの精華」です。

チラシデザイン by Manzana

2007年9月29日(土)2時開演
会 場●観峰館 展示室2
    http://www.nihon-shuji.or.jp/kampo/
    滋賀県東近江市五個荘竜田町136
    TEL.(0748)48-4141
入場料●1000円、高校生以下600円
主 催● 財団法人 日本習字教育財団 観峰館
演 奏●藤井眞吾(使用楽器/シュタウファー、マルタン)
チケット取り扱い●マンサーナ

program
F.ソル
 ・魔笛の主題による変奏曲 Op.9
 ・ 24の小品集 Op.44
M.ジュリアーニ
 ・Robin Adair 変奏曲 Op.125
N.コスト
 ・舟唄
 ・練習曲二短調
J.K.メルツ
 ・ロマンス
 ・序奏と華麗なるロンド Op.11
M.カルカッシ
 ・練習曲集 Op.60より 

観峰館の博物館展示場内に設定された円形のステージのバックには白いついたてが、音響を良くするために設定されましたが、会場は既にギターにとって最高の響きを持っていました。更に今回使用した2つの楽器、シュタウファー(写真1・2)もマルタン(写真1の後ろ)も、200年近くの年月を経た楽器であることを忘れさせるような、艶やかで、豊かな音を響かせてくれました。会場には100名ほどの聴衆が詰めかけ、本当に静かに、集中して演奏に耳を傾けてくれました。此処の会場のすぐ近くには安土が有り此処のセミナリオを古楽のコンサートが多く、その影響があるのかもしれません。
やはり19世紀の音楽を表現する手段として、19世紀のオリジナル楽器から得られる教訓は計り知れなく多く、また深いものがあります。現在の私にとってはカルカッシやソルの小品(練習曲)で、現代のギターとの違いを強く感じます。
先日のアートステージでの演奏会と同様、19世紀ギターを初めて聞いたとおっしゃる方は沢山いらっしゃいましたが、これらの楽器が本当にそんなに昔のものであるのか・・・、なのにどうしてそんなに豊かな音量を持っているのか・・・、等々の驚きを抱かれたようです。優れた楽器は健康な保管に恵まれればこのように長く生き延びることが出来ますし、その機能も十分なものでることは言うまでもありません。音量に関しては、むしろこう言った楽器は音量がないのではないか、という考えの方が「偏見」であって、私はその様なことを疑ったことはかつて一度もありません。音が非常に pure でとても「通り」が良いことは事実です。かなり大きなコンサートホールでも全く問題はないでしょう。今度はそんな会場で是非演奏してみたいと思います。この機会を与えて下さった観峰館に心より御礼申し上げます。

(藤井眞吾:9月29日)

ManzanaForesthill
WARNING!/本サイトに掲載されている画像、文章等、 全ての内容の 無断での転載・引用を禁止します

Copyright © 2007 Shingo Fujii, All rights reserved