GGサロンコンサート
富川勝智&大島直&栗田和樹
ソロ&デュオそしてトリオによる委嘱作品初演

2010・5・14(金)7時開演
●チケット
 一般/3500円(前売り 3000円)
 学生/3000円(前売り 2500円)
●お問い合わせ・チケット予約
 TEL.03-3530-5342(GGショップ)
 http://www.gendaiguitar.com/


 「夜想曲 Nocturno」という新作を今朝脱稿しました。ギター三重奏のための作品です。昨年暮れにお話を頂き、構想を練っていましたが、カタロニアにまつわる 作品というコンセプトは私にとっては、複雑で深く、重く、「鳥の歌 El Cant dels ocells」を主題とすることによって、その音楽の質が、ソルやモンポウなど偉大な音楽家を生んだこの地と、関わりを持てればと思いつつ書き上げまし た。
 作品は7つの部分からなり、それぞれは独立した音楽ですが、連続して演奏され約13分の音楽を形作ります。場面の切り替わりが大きな意味を持ち、 特に最後の結尾の部分では、それまでの旋律やモチーフが回想されます。

 1.夢へのプロローグ Prologo del Sueno
 2.逆さまのレセルカーダ(a-b) Recercada al contorario
 3.飛翔 Vuelo
 4.遠くに聞こえる歌 Cancion lejana
 5.鳥達のマズルカ Mazurka de los Pajaros
 6.M.マグダレナのパッサカリア Passacalle de Maria Magdalena
 7.《鳥の歌》 El cant dels ocells

 テーマとなったカタロニア民謡「鳥の歌」はカタロニア生まれのチェリスト、パブロ・カザルス(パウ・カサルス Pau Casals)が1971年に国連本部で演奏したことで、その切ない旋律は世界中に知られるところとなりました。この作品の持つ美しさを、ギター三重奏 で、いくつかの音楽のスタイルをまさぐりながら表現してみました。一般的な意味での「変奏曲」ではなくて、これを素材とした「変容」、あるいは古いスペイ ンの音楽で言う「ディフェレンシアス Diferencias」に近いやり方です。  「1.夢へのプロローグ Prologo del Sue撲」はモチーフの提示、しかしそれよりもギターの作り出す幻想的な響きが皆さんの耳を引きつけることでしょう。「2.逆さまのレセルカーダ(a- b) Recercada al contorario」はルネサンス期のスペイン音楽へのオマージュです。何が逆さまなのかは、お聞きになってのお楽しみ。「3.飛翔 Vuelo」は活 気のある音楽、鳥たちの群れが一斉に空へ飛翔するような様ですが、低声部にテーマが聞かれます。「4.遠くに聞こえる歌 Canci溶 lejana」は原曲の旋律がそのままに聞こえますが、旋律をさらにメリスマティックに変化させています。遠くから聞こえるような静かな音楽。「5.鳥達 のマズルカ Mazurka de los Pajaros」は「鳥の歌」の後半部の旋律を使ったマズルカ。実は次の楽章「パッサカリア」とひとつながりになっていて、これら二つの楽章全体が「ロン ド」の形式になっています(かなりアンバランスなロンド形式ですが・・・)。「6.M.マグダレナのパッサカリア Passacalle de Maria Magdalena」は一気果敢に突き進む変奏。「マリア・マグダレナ」は18世紀、イタリアはナポリからポルトガルにやってきたチェンバロの名手、ドメ ニコ・スカルラッティが仕えた女王の名前。最後はテーマを、すこしモダンな響きに書き換えました。  初演は5月14日、富川勝智さん、大島直さん、栗田和樹さん、の三人によって東京のGGサロンで 行われます。

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