「庄内国際ギターフェスティバル
in 響」が23日に盛大に開催され、28日に全てのプログラムが幕を下ろしました。私は「特別アンサンブル講座」のレッスンを行うべく、トレーナーとして参加しましたが、勿論初日からのオーディションや、レッスン、数々の演奏会も皆さんと一緒に楽しませていただきました。
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《パッサカリア》は独奏バイオリン、独奏ギター、そしてギターアンサンブルのための小協奏曲ですが、このフェスティバルが開催される直前に
FORSETHILL EDITION から楽譜が出版され、FORTESTHILL の森岡ご夫妻も駆けつけられ、このアンサンブル講座の成功のために様々にお手伝いをいただきました。演奏には16名の受講生のほか、聴講生が、またソリストとしてバイオリンの中島麻さん、ギタリストの大萩康司君が参加。総勢63名の大編成となりました。当初アンサンブル講座の練習は24日から27日までの「4:30〜6:00」4回が予定されていましたが、受講生や地元参加者からの熱い要望に応えて、夜に演奏会の予定が無かった24日と25日には「7:00〜8:30」の練習が追加されましたので、期間中合計6コマの練習・レッスンが行なわれました。福田進一氏がそのうち2コマの指導と本番での指揮を担当、私は4コマの指導を担当しました。
最初のレッスンでは「合奏は初めて」と言う人達のために、「指揮の約束事」つまり「指揮棒の見方」を簡単に勉強してもらいました。予め「庄内国際ギターフェスティバル
in 響」のサイトからパート譜をダウンロードしてパート練習をしてきた参加者の皆さんは、すぐに練習に溶け込むことが出来たようです。また東京から参加した受講者の一人で、小額3年生の加藤早紀チャンは全てのパートを練習して、しかも自分が選んだ
1st パートは暗譜で臨むという気合いの入れようでした。またソリストの大萩君が合流する26日まではその代役を東京から参加、受講生の金傭太君が見事に務めてくれました。また仙台から参加の佐藤正隆君はコンサートマスターとして、金君とふたりオーケストラメンバーの取りまとめを精力的に行ってくれたので、練習は順調な仕上がりを見せました。
今回は福田氏、そして私の二人が指導を行いましたので、アンサンブルのポイントと基礎的な練習を私が、福田氏は本番に向けての音楽的な仕上げを、と言う具合に内容を分担して練習を行いました。庄内の地元は勿論のこと、鶴岡、福島、酒田からのギターアンサンブルの方々の参加ばかりか、大阪、東京、千葉、福岡など、各地からの個人参加の方もいらして、作曲者としては本当に嬉しいかぎりでした。
今回はもうひとつ、福田氏からの依頼でガラコンサートのためにロッシーニのオペラ《泥棒かささぎ》序曲を編曲。O.ギリア、福田進一、村治佳織、大萩康司、鈴木大介、と言う豪華メンバーでの演奏を堪能させていただきました。さすがにギリア氏は祖国の代表的作曲家の作品にはテンポの設定や、クレッシェンドのひとつひとつに一家言があり、リハーサルも非常に勉強になるものでした。が、何と言っても最大の聞き所はガラコンサート本番での五人の名主が繰り広げる、すさまじいばかりのサウンドの豪華さ、そして音楽の生き生きとしたさま。私は編曲者として、勿論最高に大満足であったばかりでなく、この日のこのおそらくもう二度と実現しないであろうこの組み合わせによる演奏を聴いた人達は、物凄くビッグな想い出となったのではないでしょうか。響ホールには割れんばかりの拍手が鳴り響きました。
《パッサカリ》の方もマエストロ達の演奏に負けず劣らず、立派な演奏で、特にこのような大きなホールでこの作品を聴くのは初めてだったのですが、自分の中にあったイメージが空間の広がりを得て、一層延び延びと、そしてゆったりと鳴り響いてくれたのがとても嬉しかったのです。63名の演奏者の一人一人の気持ちが「音」となって、ホール一杯に花を咲かせた様な気がします。
フェスティバル全体の模様は「庄内国際ギターフェスティバル
in 響」の公式サイトトップページにブログで報じられていますので、是非ご覧下さい。このフェスティバルを主催された様々な方々の努力と情熱に最大の賛辞を、そしてこのフェスティバルに参加された沢山の方々に、心より感謝をしたいと思います。
2005年8月30日
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