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El Decameron Negro
Night Sketches

作品タイトル&データ
PassacagliaConcertino for Violin and Guitar with Guitar Ensemble
memorial composition for " Guitar Summer Course in Kyushu, 2000"
(dedicated to my best friends, Akira Morioka & Keiko Hamasuna )

《パッサカリア》 独奏ギター、独奏ヴァイオリンとギター合奏のための小協奏曲

〜九州ギターサマーコースのための記念作品(2000年)
〜親友、森岡晃氏と濱砂恵子氏に捧げる

●2000年作曲、藤井眞吾
●同年8月27日「九州ギターサマーコース」において初演
 ヴァイオリン:荒田和豊/ ギター:中野義久 /指 揮:藤井眞吾
●演奏時間:10分
●出版:フォレストヒル・エディション 
Foresthill
(楽譜を表示)
解説

 2000年に開催された「ギター・サマーコース in 九州」でのアンサンブル講座の教材として、この作品を作曲しました。この年は私のほかに、九州交響楽団のバイオリン奏者、荒田和豊氏がゲスト講師として来られることになっていたので、バイオリンを含む協奏曲を書こうと思ったわけです。
 この年は私が同講習会にゲストとして招かれ初めて3年目に当たりますが、それまでの経験から、限られた時間でのアンサンブル講座には、受講生のレベル構成などに対応するために、技術的側面、また音楽的側面から、オリジナルの作品(書き下ろし作品)を用意すべきだと考えたのです 。また基礎的な指揮法を実際に学習するためにも「協奏曲」という形式は勉強しやすい、とも思ったのです。今から思うと、よくもこんなに難しい曲を書いたものだと、そして受講生の人達、またソリストの荒田氏(バイオリン)、中野氏(ギター)ともに本当に素晴らしい演奏をしてくれたものだと、今思いだしても熱い気分になります。
 半音進行による定旋律の上に変奏が重ねられるという、古典的な形式ですが、二つの独奏楽器と合奏部は対等の存在感をもって音楽展開します。また様々なテンポの変化と、モダンな和声感で表現した叙情的中間部、そしてバイオリンの短いカデンツァ、軽快なワルツ部、などなど様々な要素を盛り込みました。
 この曲がきっかけで、私はギターアンサンブル(合奏)の可能性を再認識しましたし、オリジナル作品を提供していくことの意義を強く見いだしました。作曲を終えてから、私にこのような活躍の場をいつも提供してくれる創造性と愛情に溢れた二人の親友、森岡晃氏と濱砂恵子氏に、この作品を捧げることに何ら迷いはありませんでした。この作品自体も、そして講習会の中で初演されたあの感動も私にとっては生涯忘れられないものとなりました。
 またこの作品は2005年、山形県は庄内でO.ギリア氏を迎えて開催される「庄内ギターフェスティバル」で福田進一氏の指揮によって再演されることとなりました。2006年には博多で私の指揮で再び演奏されることも予定されています。

 

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