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第75回《対 話 Dialogue 3月23日・土

   

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曲目について

藤井眞吾

 もうずいぶん前にバルトークの「ピアノのための九つの小品」と言う組曲の中の「四つの対話 four Dialogues」と言う曲をギターのために編曲していましたが、なかなか演奏する機会がありませんでした。私が大学院生の頃ですから、30年以上前の事です。1926年の作品ですから、バルトークが第二次世界大戦の戦火から逃れてアメリカに亡命する前、まだウィーン楽派の影響を色濃く残していた時代の作品だと思われます。ピアノ奏者としても優れていたバルトークの書き残した「ピアノのためのエチュード」あるいは「習作」的な作品ですが、単純な二声で書かれたこの対位法による四つの小品は、いずれも「復調(*二つの声部が異なる調性であること)」で書かれており、その神秘的な響きは、極めてギター的だと考えていました。

 何故今まで演奏しなかったかと言うと、音楽的にも技術的にも、まだ及ばなかったと言うこともありますが、それ以上に、こういった音楽がギターのレパートリーには極めて少なく、また一般的なギター愛好家にはこういった音楽が馴染みが無かった・・・。したがって、なかなか演奏曲目に加えにくかった、というのが正直なところです。

 ポリフォニックな音楽(=多声部の音楽)が必ずしもひとつの調性の中で均衡を保っているわけではなく、中世ヨーロッパではすでに、全く異なる調性(あるいは旋法)を楽しんでいる音楽がありますから、バルトークの試みは必ずしも先鋭的な事とは言えません。むしろ、ここの声部が完全な調性の中にあり、極めて伝統的な形式の中から新しい響きを作り出して行っているよ言うに私には思えます。

 今回のテーマ、対話は、体位法的な技法のみならず、音楽そのものがいつも「誰かとの対話」を希求するものである、というのが私の考えている事です。今回の様々な作品の中から、作者、あるいは作品そのものが「語り合う」ことによって「表現」を構築していると言う事を感じて頂ければ、と思っております。

(2013/3/23)

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会場:アートステージ567

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