私が担当している「アンサンブル講座」のことばかりを書きましたが、これはあくまでも講習会全体の中の一部であって、勿論基本となる講義は参加者一人一人が受講する「個人レッスン」であることは言うまでもありません。少し個人レッスンのことに触れましょう。この講習会では全ての講師による個人レッスンが並行して開講されます。つまり常に同時に五つ(今年は六つ)の個人レッスンクラスが開講されているわけです。全てのレッスンは公開されていますので、参加者は自分のレッスン以外でも、興味のあるクラスを自由に聴講参加することが出来ます。そのためにそれぞれのクラスの開講時間と、受講者・受講曲があらかじめ発表されています。
このように「聴講して学ぶ」事は演奏の勉強には不可欠のことです。こういう機会をを若い人達にはもっともっと利用して欲しいと思います。本当は私も是非他の先生方のレッスンを聴講したいのですが、残念ながら私のレッスンは全てのコマが一杯で、なかなかその時間が得られません。
最終日には「アンサンブル講座」の最後のレッスンがあり、レッスンの最後には、気持ちを引き締めて、本番と同じ気持ちで演奏をします。とても感動的な瞬間です。昼食後には参加者による発表会(コンサート)があります。
一人一人がまさに「入魂」の演奏を聴かせてくれます。この講習会で学び、プロの道へ進んだ人達、あるいはかつてこの講習会の受講者であった人が今は講師として活躍していたり、・・・歴史の深さを痛感せずにはいられません。
会場のことを少しお話しましょう。昨年までは「根子岳山想」が私達の宿舎であり、レッスン会場であったのですが、今年は参加者の増加にともない、すぐ隣にあるもうひとつのペンション「森のレンガ館
」にも宿舎としてお世話になりました。こういった講習会では「貸し切り状態」で勉強できることが必須条件ですが、特に「根子岳山想」さんには毎年大変お世話になっています。私達のわがままも快く受け入れて下さり、いつも最高に美味しい料理を、最大のボリュームで提供して下さいます。またチャペルでの私達の演奏を必ずオーナー女史が聞いて下さる光景も、参加者には言葉には表せないほど嬉しいことです。また今年初めてお世話になった「森のレンガ館
」も温かく、そして優しく私達をサポートして下さり、心より感謝いたしております。これらふたつのペンション情報は以下のサイトからご覧頂くことが出来ます。
根子岳山想
森のレンガ館
真摯に勉強すること、真剣な時間を通して初めて音楽という芸術が語り継がれてゆくと信じています。来年はどんな顔と会うことができるのでしょうか、そしてどんな感動が待っているのでしょうか。今から楽しみです。
(2003年/藤井眞吾) |