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      Concerts - Shingo Fujii

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ギターアンサンブルの様々
(財)青山財団助成公演
2003年9月15日[月・祝] 3:00pm 開演

ギターアンサンブルの様々
(財)青山財団助成公演


9月15日[月・祝] 3:00pm 開演
会場/青山音楽記念館(バロックザール)
http://www4.osk.3web.ne.jp/~ammh/

入場料/3,500円(前売り 3,000円/学生 2,000円)

主催/藤井眞吾
お問い合わせ・予約/マンサーナ TEL. 075-972-2834


PROGRAMME

part 1.

 

1. A.ディアベリ/三重奏曲 Op.26 より (ギター三重奏)
Anton Diabelli; from TRIO in D Op.26
- アダージョ Adagio
- アレグロ・モデラート Allegro moderato

2. F.ソル/ロシアの想いで Op.63 (ギター二重奏)
Fernando Sor; Souvenir de Russie Op.63

3. M.de ファリャ/ドビュッシーの墓に捧げる讃歌 (ギター独奏/大谷)
Manuel de Falla; HOMENAJE [Le Tombeau de Debussy]

4. M.リョベット/スケルツォ・ワルツ (ギター独奏/大谷)
Miguel Llobet; Scherzo - Vals (1909)

5. F.クレンジャンス/最期の日の夜明けに (ギター独奏/松田)
Francis Kleynjans; a l'aube du dernier jour Op.33



part 2.

6. L.ブローウェル/黒いデカメロン (ギター独奏/藤井)
Leo Brouwer; El Decameron Negro (1981)
1)戦士の竪琴 el arpa del guerrero
2)谺(こだま)の谷からの恋人達の遁走 la huida de los amantes por el valle de los echos
3)恋する乙女のバラード ballada de la doncella enamorada

7. L.ブローウェル/ムシカ・インシデンタル・カンペシーナ(ギター二重奏)
Leo Brouwer; Musica Incidental Campesina
1)前奏曲 Preludio
2)間奏曲 Interludio
3)舞曲 Danza
4)終曲 Final

8. 藤井眞吾/ギター3重奏のための〈Occasions(新作・初演)〉 (ギター三重奏)
Shingo Fujii; Occasions for 3 guitars (2003)
1st Occasion
2nd Occasion
3rd Occasion

9. J.S.バッハ/トリオ・ソナタ BWV527 (ギター三重奏)
J.S.Bach; Trio Sonata BWV527
1.Andante
2.Adagio e dolce
3.Vivace
■曲目について

 

 A.ディアベリはベートーベンと同じ時代にウィーンで活躍した音楽家です。ピアニストであると当時に、ギタリスト、そして作曲家であり教授、更には出版業を営みシューベルトやジュリアーニの作品を数多く世に送り出しました。「トリオ Op.26」は二本のテルツギター(短三度高い)と一本の通常のギターのために書かれた作品ですが、今回は通常のギター三本の為のA.カンパーニ編(ZERBONI 出版)を用いて演奏します。
 ディアベリとほぼ同じ時代に名手の名前を欲しいままにしたカタロニアのギタリストF.ソルは30歳を超えてから故郷を離れ、パリ、ロンドン、そしてロシアなどヨーロッパ各地で活躍しました。ギターに重奏のための「ロシアの思いで Op.63」は晩年を代表する大作です。
 ファリャが書き残した唯一のギター曲「讃歌」はフランスの作曲家C.ドビュッシーの死を追悼して作曲された。作曲し際しアドバイスを与えたのが、当時ギタリストとして活躍していたスペイン人M.リョベットであった。リョベットのギター曲は高度な演奏技術を常に要求されますが「スケルツォ・ワルツ」はその代表作です。
 ギタリストとしても現在活躍するフランスの作曲家F.クレンジャンスは「最後の日の夜明けに」で一躍有名になりました。死刑の執行を宣告する夜明けの6時の鐘が聞こえると、無実の囚人の壮絶な葛藤が描かれます。
 キューバの作曲家L.ブローウェルはギターのために最も重要なレパートリーを提供した作曲家として、またある時期には最も先進的なギタリストとして私達が記憶することに疑いはないでしょう。「黒いデカメロン」はアフリカの民話に基づく三つのバラードで、もっとも愛奏されるものの一つです。ギター二重奏のための「ムシカ・カンペシーナ・インシデンタル」は「田園付随音楽」等と訳されるようですが、キューバのみで出版されたため演奏される機会は極めて少ない作品です。
 今回の演奏会のために私が作曲した「オケイジョンズ Occasions」はアンサンブルという演奏形態が持つ「場合・場合」の不測の面白さを引き出してみようと考え作曲しました。1曲目は極めて短く、凝縮された音楽です。2曲目は牧歌的な旋律によるミニマル音楽、3曲目は一種のタンゴです。
 J.S.バッハの作品はギターでもしばしば演奏されますが、BWV527のトリオソナタは極めて珍しいことのようです。オルガンで演奏されることの多い6曲のトリオソナタ(BWV525~530)はいずれも高貴な美しさに満ちあふれた音楽です。

(藤井眞吾/記)

 

演奏者 Players
藤井眞吾 Shingo Fujii(gt.) ギターを岡本一郎、故ホセ・ルイス・ゴンザレス、デビット・ラッセル、の各氏に師事。スペイン国立オスカル・エスプラ音学院でホセ・トマスに学ぶ。「第1回新人大賞選考演奏会(日本ギタリスト会議主催)」で1位優勝。スペイン政府の奨学金を得て「第26回サンティアゴ・デ・コンポステラ国際音楽講習会」に参加。「ルイス・コーレマン国際音楽コンクール」でコーレマン賞を受賞(1986)。英国王立音学院 Royal Academy of Music の演奏家ディプロマ《A.R.C.M.》を得る。国内各地でソロ・リサイタル。作曲活動も活発に行う。「九州ギター・サマー・スクール」ゲスト講師、「フォレストヒル・ミュージック・アカデミー(博多)」特別講師。CDに「夜のスケッチ」「黒いデカメロン」。 著書に「ギター二重奏のためのエリック・サティ作品集(現代ギター社刊)」。

出演者からひとこと・・・・

ギターという楽器の表現力には計り知れないものがあるといつも感じています。ギターの音楽といいますと、専ら独奏の音楽ばかりが知られていますが、その魅力はアンサンブルにおいても一層増すものだと思います。今回共演する大谷定広さんは現在バルセロナを拠点に活躍する若いギタリストですが、実は彼とは十年以上のつきあいになります。彼がまだ大学生で、とっても熱心な「ギター小僧」の時代からです。久し振りに大谷さんの演奏を聴かせてもらえること、そしてこうして共演できることを心より楽しみにしています。松田晃明さんは京都にお住まいですから、私は時々お会いするのですが、是非一度一緒に演奏会をしてみたいと思っていた演奏家です。クラシックにこだわらない自由な彼の音楽性が、今回の演奏会に一種のスパイスとなって「効いて」来るのではないかと期待しています。 一人一人の演奏家の個性が二重奏や三重奏でどのようにぶつかり合い、また融合しあうのか・・・、是非お楽しみに!(藤井眞吾)

 

●松田晃明 Teruaki Matsuda(gt.) クラシックギターを溝淵仁啓氏、コード理論とリズムパフォーマンスを鳩山薫氏に師事。第7回朝日放送ABCギターフェスティバル第2位、第8回スペインギターコンクール第3位他、国内のコンクールで多数の賞を受賞。1995年、ホセ・ルイス・ゴンザレスのマスタークラスを受講。1995年より、東京、京都の各地でリサイタルを開催し、同時に「松田晃明 ソロギター」というジャンルにとらわれないコンサートも企画、開催する。日本・スペインギター協会専門会員。フォーラム音楽芸術学院ギター科講師。京都音楽院音楽療法科講師。


出演者からひとこと・・・・

●「癒しの音楽」という言葉がはやり、テレビやBGMでギターの曲がよく流れる ようになりました。ギターという楽器を弾き始めて30年、私自身は「癒しの音楽」 と捉えたことはありませんが、他の楽器と比べて、音も小さく、どちらかといえ ば地味なイメージがあることからも、クラシックギターは永遠に冬の時代のまま なのではないかと考えていました。それだけに、このブーム到来は、ギターを生 業としている私にとっても、クラシックギターが春を迎える兆しとして、とても 喜ばしいことと感じております。
 このような静かなブームのお陰で、クラシックギターのコンサートも増えまし たが、開催されているコンサートの多くは独奏が主体で、もちろんソロも素晴ら しいのですが、ギターはアンサンブルにおいてこそ、その可能性をより発揮でき る楽器だと感じている私にとっては、今回の演奏会はまさに、「アンサンブルの 様々」という題名にふさわしく、クラシックギターを色々な角度から見て、楽し んでいただけるものと自負しております。
 調和・対話の優れたアンサンブルをはじめとした内容充実のプログラムは、ト リオ・デュオ・ソロの全てを存分に堪能いただけます。また、三者三様の個性的 な演奏をお楽しみいただけるソロでは、私、松田晃明は現代フランスのギタリス ト・作曲家である、フランシス・クレンジャンスの「最期の日の夜明けに」を演 奏いたします。
 この曲は、死刑囚が処刑されるストーリーに基づいて書かれたもので、罪人の 心象風景を巧みに表現し、特殊奏法によって、その心の動きや情景をよりリアル なものにしています。皆さんおなじみの「禁じられた遊び」や「アルハンブラの 想い出」などの曲とはまた違った、ギターの世界を感じていただけたら幸いです。
 メンバー構成・プログラミングともに、またとはない演奏会ですので、ギター を弾く方もそうでない方も、必ずや楽しんでいただけるものと確信しております。 多数のご来場を心よりお待ち申し上げております。(松田晃明)

 

●大谷定広 Sadahiro Ohtani(gt.) 1969年、大阪に生まれる。藤井敬吾氏に師事。相愛音楽大学器楽科弦楽器専攻ギターコースにて、大西慶邦、佐野健二、両氏に師事、首席で卒業。1994年に渡西。ルティエール音楽学校にて、アレックス・ガロベェ、フェルナンド・ロドリゲス、アルナルドゥル・アルナルソン、各氏に師事し、演奏家ディプロマを修得。第十回スペイン音楽ギターコンクールにおいて、優勝(東京/1992年)。第43回マリア カナルス国際コンクールにおいて、入賞。(スペイン/1997年)。第1回バルセロナ青年音楽祭ギター部門において、優勝(スペイン/1998年)。第3回コリア国際ギターコンクールにおいて、優勝(スペイン/1999年)。現在、バルセロナの、バルセロナ音楽学校、ルティエール音楽学校教授。教育者としても高い評価を得る。その他、ヨーロッパを中心にソリストとしてまた、EBNMのメンバーとしてコンサート活動を行うほか、テレビ、ラジオにも出演するなど、多岐にわたって活躍。また、スペイン中でマスタークラスやギターコンクールの審査員にも招待されている。

出演者からひとこと・・・・

●私は、バルセロナに住んで今年で早十年目を迎えます。 今までいろいろと世界中の人々と音楽を通じて接する機会を 多く得られその人を知りまたその文化に触れてくることができました。 そういった出会いを通じて得られたものは計り知れないものがあります。 今回は、日本を代表するギターリストである藤井眞吾氏と松田晃明氏と 共演できるということでとても楽しみにしています。
ギターアンサンブルは、聞く機会の少ないものですが、 ギター一台で、オーケストラの響きといわれている楽器が数台集まって 奏でる音楽は、各個人の個性と音楽性がぶつかり合ったり融合したりと とても楽しいものです。それに加えて今回は響きのとても良いバロックザールで 演奏できると言うことで想像するだけで今から少々興奮気味です・・・・。
ソロのほうは、私の今住んでいるバルセロナ出身のリョベートとその人にかかれた 20世紀のスペイン音楽を代表するファリャの曲を聞いてもらいたいと思っていま す。 皆さん、この機会に是非ギターアンサンブルを楽しんでみてはいかがでしょうか?(大谷定広)

演奏会の模様
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