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Guitar Study

《24の漸進的小品集 Op.44
by F. Sor

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作 品 研 究
24 Petites pièces progressives, Op.44

2019年6月3日
 
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No.24 VALSE

 24曲の最後を飾るのは「ワルツ(Valse)」です。当時のパリではこの舞曲がとても流行していました。ソルはワルツを沢山作曲していますし、変奏曲の最後に華やかなワルツを配置している例も多くみられます。この曲集でもソルはやはり同様のことを考えたのでしょう。
 また、この曲集は「漸進的な小品集(=徐々に難しくなっていく・・・)」と題されていますが、確かにこの第24曲になって、今までにないハイポジションの多様や、固定ポジションでの旋律の演奏など、技術的に少し難しくなっています。しかし音楽的な内容は明快であり、さほど難しいというわけではありません。

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 曲の冒頭で珍しい指使いが指示されています。スラーでムズばれたアウフタクトの二つの十六分音符が、「1-1」と人差し指を滑らせて、いわゆるグリッサンドです(A)。これはそのすぐ後にみられる装飾的な動き(B)でも同様です。これは実際に試してみると解るのですが、普通のスラー奏法で演奏した場合より強いアクセントが得られると思います。ソルはその効果を狙ったのではないでしょうか。
 曲は四つの部分からなっています、それぞれの調的関係をみていきましょう。

 第1の部分=イ長調
 第2の部分=イ長調属和音から始まる
 第3の部分=ニ長調(下属調)
 第4の部分=平行短調のロ短調 → 下属和音 → イ長調

 特に第4部分でロ短調の属音「F#」が「F → E」と半音下降して主調(イ長調)の属和音に変化するところは表情が豊かで美しいです。その柔らかな変化をより一層表現するために「C-1」や「C-2」の三拍目を「D」にみられるように、次の小節まで保持して旋律をつなげるように聴かせたいと思います。そのためには左手の指使いを工夫しなければなりません。
 また三小節目から四小節目にかけて、3弦で演奏される「D → C#」というつながりが度々出てきますが、この内声をはっきりと聞かせるように。
 ハイポジションも出て来て、少し難しく感じるかもしれませんが、ポジションに慣れてしまえば、それほど難しいことではありませんので、旋律を奇麗に聴かせる事に留意しつつ、快活で華やかな音楽を楽しみましょう!

終わり