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Guitar Study

《24の漸進的小品集 Op.44
by F. Sor

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作 品 研 究
24 Petites pièces progressives, Op.44

2021年9月17日
 
 
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No.23 Allegro moderato

 楽曲の性格を判断するとき、旋律の「形 figure」はしばしば大きな手がかりとなります。もうひとつの手がかりは「発想記号」。この曲では「Allegro moderato」ですから「快活に、しかし穏やかに」ということです。また 6/8 という拍子は時に、難しい場合があります。この曲はテンポが速すぎるとアグレッシブな印象を与えてしまいますので注意しましょう。

 旋律をみてみましょう。

44-23

 最初の「A」の旋律は、イ短調の主和音の分散音を力強く駆け上がっていきます。それに対して、続く「B」の旋律は順次進行が多く、より滑らかな表情が感じられます。これら二つの要素はこの曲の性格を見つけるために重要です。
 また曲は三つの部分からなり・・・

 第1の部分=イ長調
 第2の部分=ハ長調(平行調) → イ短調(主調)
 第3の部分=イ長調(同主調)

・・・と転調し、ダル・セーニョの後、終わります。どれも単純な転調ですが、そのお陰で曲は単調でありながら、一種の爽快感があります。特に二つ目の部分は平行調のハ長調に転調しますが、主音(ド)のペダル上で繰り返される長三度の反復は、快活です。低音ペダルの効果を完全なものにするために(D)、以下のような指使いをお薦めします。

44-23-D

 三つ目の部分はイ長調に転調して、旋律の形も連続した音(順次進行)の滑らかです(C-1)。ふくよかな印象を受けますが、最後の方では一転して1オクターブ駆け上がり(C-2)力強く解決します。
 「E」にみられる装飾音が「ミ」の音になっていますが、これは「レ」の誤植かもしれません。「ミ」のままでも音楽的には何ら不自然ではないのですが、「レ」のほうがギターでは自然かもしれません。奏者の判断に委ねられるところでしょう。