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Guitar Study

《24の漸進的小品集 Op.44
by F. Sor

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作 品 研 究
24 Petites pièces progressives, Op.44

2021年9月17日
 
 
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No.22 Andantino

 クラシックの曲に限らず、民謡やポップスなどでも「4小節」が基本の単位としている場合がしばしばあります。この第22番も例外ではありません。4小節ごとに理解していくと、覚える、暗譜するためにも大きな助けとなります。

44-22

 最初の「4小節」は「2+2」と、異なる性格の2小節がふたつで出来上がっています。最初の2小節では「A-1」で第1弦の「ミ」の音が連続して、「B-1」ではそれが完全四度ジャンプ(ミ → ラ)します。次の2小節でも「A-2」は順次進行で滑らかに下降し、「B-2」で再び完全四度ジャンプ(シ → ミ)します。
 次の「4小節」では旋律は穏やかな変化をします。前半は最初の「8小節(4+4)」と、それが装飾的な変化を加えて反復された「8小節(4+4)」から構成されています。
 この曲は「イ短調」ですが、後半は平行調の「ハ長調」に転調して始まったかのように聞こえます。もっとも注目すべき事は4小節間(2+2)低音でなり続ける「ド」のペダルです。これが曲調を一気に変え、その低音の上にある上声と中声の旋律の動きを穏やかな表情にしています。後半2小節目の中声部、十六分音符で動く旋律の「ド#」はスラーで始まり、アクセントを持っています。
 半音の動きに導かれて、曲は「主調(イ短調)」へ回帰します。曲の最後の方では再び半音の滑らかな表情が掛け合い、印象的な終わり方をします。
 この曲はほぼ「三声」であると理解する事ができますが、中声部は「上声部と動く」場合と「低声部と動く」場合、また後半の始まりのように「独立して動く」場合があります。それぞれの声部を個々に意識しながら演奏する事、またそれらの動きを明確を聞かせる事は聞き手にとっても興味深いことのはずです。こういう曲は友達がいれば、二重奏や三重奏にして演奏してみると、各声部が如何に独立していて、また重要であるかがよく分かるでしょう。とくに微妙に変化する上声部の表情は、そのようにすることによってよく分かります。勿論独奏では、そのすべてを一人で弾き分けられなければいけないのですが。
 この曲もまた、ソルの特徴的な書法だと云えます。