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《24の漸進的小品集 Op.44

by F. Sor

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24の漸進的小品集 Op.44

2023年3月1日
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No.18 Marche

 小学生の時、「鼓笛隊(こてきたい)」というのがあって、運動会の時や、なにか町の行事の時に、まさに笛や太鼓を引き連れて練り歩くと言う、今になってみると分けの解らないものがあったのですが、私はその「隊」の「小太鼓」に憧れていたのですが、おそらく背が高いという理由で、一番先頭でただヒタする長い指揮棒を上げ下げすると言う役を負わされてがっかりしたことがあります。(今になって思うと、私の指揮者デビューは小学生の時の鼓笛隊だったわけです。)
 この曲は「行進曲 Marche」と副題がついていますから、どんな雰囲気の曲であるか、どんなテンポで演奏するかという事は、私にとっては容易いことです。おそらく皆さんにとっても、それは同様でしょう。


 随所に「ハーモニックス Harmonics」があって、キラキラした効果を生んでいます。

44_18

 ハーモニックスは左手の指の「腹」で弦に軽く振れ、右指が弾弦した直後に素早く話して「ポ〜ン」と鐘の音のような奇麗な音を出すのですが、正確な場所に指が触れていなければなりません。楽譜では「弦」と「触れる場所(フレット)」が指示されていますが、同時に実際には何の音がなっているのかを覚えていった方がいいでしょう。
 また「12フレット」、「7フレット」と「5フレット」でのハーモニックスは、触れる場所は垂直にフレットの上でいいのですが、「9フレット」、「4フレット」と「3フレット」は少しずれた場所に触れなければ行けないので、注意しましょう。
 後半に出てくる「3, 4, 5」あるいは「5, 4, 3」フレットでの連続するハーモニックスは同じ指を連続するのではなく、楽譜の中に書き加えたような(赤インクで)指使いをした方がいいでしょう。
 また曲の最後の方で、オリジナルのままでは付点のリズムが歯切れ悪く、また難しいところがありあます。これは四角で囲んだように、本来こういう音の筈だと考えられ、その場合の右の指使いも書き加えておきました。参考にして下さい。
 「行進曲」の感じが出るように、警戒に演奏して下さい。複雑な曲ではありませんが、ハーモニックスを、探しながら演奏していたのでは、生き生きした演奏になりませんから、左指が触れる場所を全部覚えてしまった方がいいです。この曲集全体の中にあって、個性的な曲調ですので、左右の指使いに注意して、軽快に演奏して下さい。