私は通常の「6弦のギター」のほかに「7弦のギター」、そして1830年頃製作のオリジナルギターの三本のギターを演奏活動の基本としていますが、今回は「7弦のギター」のみを使用したプログラムをお楽しみ頂こうと思います。リュートがルネッサンスの時代には6コースや7コース、そして8コースと言った弦の数が一般的でしたが、時をへてバロック時代には更に弦の数が増えて行ったように、ギターも作品が盛んに書かれるようになった19世紀の中頃からは7弦や10弦、そして11弦とといった所謂「多弦ギター」を使用する演奏家が現れてきました。しかしやがて6弦に定着したのですが、多弦ギターのための作品はやはり多弦ギターで演奏することによって、その作品の面白さが味わえると言えるでしょう。今回はルネッサンス時代の J.ダウランドによるリュートのための作品、7弦ギターを使用していた N.コストの作品、11弦ギターを使用したと言われる J.K.メルツの作品を中心にお楽しみ頂きます。
藤井眞吾(2022年1月)
●program(予定)/前奏曲とファンシー(J.ダウランド)/“牛を見張れ”による変奏曲(L.ナルバエス)/ワルツ集(J.K.メルツ)/アンダンテ イ長調 Op.39(N.コスト)
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