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時を遊ぶ


2004年9月11日[土] 12:00〜
会場/大津市伝統芸能会館

ゲスト出演
上床博久(テナー)
藤井眞吾(ギター)


昨年京都市立病院の院内コンサートで共演いたしました上床博久さんと今度の9月11日に大津市伝統芸能会館 で「時と遊ぶ」という催しでゲスト出演いたします。曲目は昨年演奏した「世界の民謡」「日本の歌」等のほか、クラシックギターのレパートリーを何曲か演奏する予定です。お能の舞台での演奏なので、どんな響がするのか・・・、どんな雰囲気になるのか、楽しみです。
PORTRAITS
・・・とても楽しかったです、それが今日の「時を遊ぶ」でのゲスト演奏を終えての率直な感想です。何しろこういう日本の伝統的な舞台に上がるのが初めてでした。10年くらい前に、京都の歌舞練場で演奏したことはありますが(主催/ローム・ミュージックファンデーション)、その時はあくまでもクラシックの演奏会(現代音楽)でしたから演奏会そのものは普段と変わらない雰囲気でした。でも今回は会の雰囲気も違いますし、周りは着物を着た女性ばかり。それに私たちまで、舞台に上がるには「白足袋」を着用しなければならず、タキシードに白足袋というかなり風変わりないでたちでありましたが、久し振りの上床さんとの共演、そして会を主宰された若柳富久陽さんが素敵でした。写真でご覧頂くような舞台です、如何ですか?
リハーサルではクラシックのコンサート会場とは違う響きに慣れるようにと、また「荒城の月」では若柳富久陽さんが「立方」として共演して下さいますので、その段取りなどを確認しました。そして今回始めて演奏する曲の「小さな空(作詞・作曲/武満徹)」を少し入念に練習をしました。会場は最近のクラシック音楽の会場のように豊潤な残響がある、というわけではなく、むしろどちらかというと「デッド」な響なのですが、舞台が木ですから音の反射は素直で、柔らかく、私はこういう会場も実はとても好きなのです。残響のたっぷりあるコンサート・ホールは小さな「音のキズ」を隠してくれるので演奏しやすいのですが、演奏の極めて細部というのは不鮮明になりがちで、また演奏者固有の音色というのも伝わりにくくなりがちです。今日のような会場はギターの音の一つ一つまで客席に伝わるでしょうし、歌手にとっては音の余韻の作り方がとても難しいのですが、反面、奏者が「為したこと」は素直に伝わるという確信があります。
演奏曲目は昨年の京都市立病院の時と殆ど一緒なのですが、「アニー・ローリー」の前に武満さん編曲の「ロンドンデリーの歌」を、また「世界の民謡」と「日本の歌」がプログラムの中心でしたから「マルボローの主題による変奏曲(F.ソル Op.24)」をトゥリーナに替えて演奏しました。本当は「マルボロー・・・」のあとに、予定通り「禁じられた遊び」と「アルハンブラの思いで」を弾くつもりだったのですが、「マルボロー・・・」が終ったら、上床さんが舞台に出てこられたので、この2曲は割愛して、次の「浜辺の歌」にプログラムを進めました。きっと上床さんはその事に気付いてられないだろうし、聴衆の方々もそんなに気付かれなかったのではないかと思うのです。というのは結果的に「プログラムの流れ」としてはその方がずっと良かったからです。舞台に颯爽と現れた上床さんのお顔は「浜辺の歌」になってましたからね! 私が一人、心の中で面白がっていたのかもしれません。生のステージというのは本当に面白いものです。

「荒城の月」では若柳富久陽さんと三人での共演でした。最近よく、クラシック音楽の生演奏と「ダンス」や「踊り」の共演という企画を目にしますが、なるほど、とても面白かったです。音楽だけの場合と、微妙に間合いが違ってきて、それがその場の息で作り出されていって、また新しい音楽ができてくるという感覚がとても新鮮でした。・・富久陽さんの「舞い」をご覧下さい!

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