REPORT
藤井眞吾 & クリスチャン・プルヴィエ in 姫路
Shingo Fujii & Christian Plouvier, in Himeji

2004年3月20日(土)&21日(日)/姫路市立美術館

PROGRAM
Greensleaves Variations (anon.)
Gavotte (Gossec)
Hamburger Sonata in G (C.P.E.Bach)
Sicilliana (M.C.Tedesco)
3 Pieces (Machado)
Hamabe no Uta (T.Narita)
Koujou no Tsuki (R.Taki)
3 Tangos from "Histoires du tango"(Piazzolla)


写真提供/Ch.Pluvier, & ANGIE RECORDING STUDIO

 今日本に拠点を置いて演奏活動をしている、ベルギー人のクリスチャン・プルヴィエ氏(フルート奏者)と市立姫路美術館で演奏会を行いました。正面入口前にテラスが設置され、当初は屋外での演奏を美術館が和が予定されていましたが、天候・気候などの理由により、実際の演奏は館内ロビーで行うことにさせていただきました。その代わり私達の演奏は地元・姫路の音響「ANGIE SOUND PROJECT」さんの協力で、中庭にもスピーカで流されました。
 クリスチャンから送られてきたプログラムは「グリーンスリーブス変奏曲」 「ゴセックのガヴォット」「ハンバーガー・ソナタ(C.P.E.バッハ)」等でしたが、なかでもC.P.E.バッハは初めての曲でしたがギターにとってもよく合い、綺麗な曲でした。ただ、残念なのはふたつある楽章のうち最初の「Allegretto」のほうしかオリジナルの譜面(通奏低音)が無く、第二楽章「Rondo」は既にギターとフルート用に編曲されていて、これがあまりよい編曲でなかったので、また機会があったら是非通奏低音から編曲し直したいと思っています。また「ゴセックのガヴォット」も送られてきたものは国内で出版されたと思われる編曲で、和音の間違いなど沢山ありましたので編曲をし直しました。どういう場合でも、編曲作品をやる場合にはこういったことに気をつけなければいけません。Machadoの有名な(特に最近よく演奏されるようですね)ブラジル音楽も3曲やりましたが、とても面白かったです。特にクリスチャンはこう言った曲が好きのようで、また演奏もとっても「のって」いました。機会があればまたこの曲はやってみたいですね。それから、ピアソラの「タンゴの歴史」から1,2,3曲。 あと、今回の演奏のために日本の曲を二曲「荒城の月(滝廉太郎)」「浜辺の歌(成田為三)」を編曲し演奏しました。
 会場となった市立姫路美術館のロビーには両日とも沢山の方が詰めかけてくれました。プログラムは一時間をやや越えるものになったにもかかわらず、皆様熱心に聴いて下さいました。(イス席のなかった方々・・・、特にご年配の皆様申し訳ありませんでした。でも最後まで熱心に聴いて下さって有り難うございます。)クリスチャンが片言の日本語を交えて簡単に曲目の解説を英語で行いました。「エマニュエル・バッハは大バッハの21人の子供の中の一人ですが、バッハはこんなに沢山の子供を作りながら、一体いつ作曲をする時間があったのでしょう?」というジョークが「伝わっていないみたいだ・・・!」と、真面目に悩んでいたのが おかしかったですね。 でも今回はよく知られた曲が多かったですし、クリスチャンのお話も手短でありながら演奏を菊に当たって適切な解説となったので、うまく集中を持続できたのではないかと思います。日本の曲も私はこれからも機会を見て色々な形に編曲して演奏してみたいと思っています。
 リハーサルから演奏会終了まで三日間、クリスチャンとは本当によく喋り、食べ、飲みました。といっても彼は実はチョコレート大好きの「甘党」で、飲むのはもっぱら私。楽しかったです。彼はギターとのアンサンブルにもとても興味を持っており、これからもこういう優れた演奏家がどんどん増えてくることを願っています。
 それからももうひとつ・・・、こういうハードな条件の演奏会の現場では「PA」の助けが不可欠となる場合があります。特に私達クラシック音楽の演奏家はそうの編の知識や経験が少ないので、コンチェルトをやる場合でもホールの音響の人に任せっきりで、結果的に音量のバランスが悪かったり、音質が悪かったり、ギターのせっかくの生音のとその魅力を損ねてしまうという、残念な結果に終ることがしばしばあります。機材のクオリティーも勿論のこと、一番のポイントはエンジニアの方が「ギターの音」「フルートの音」さらには「音楽」が分かっているかどうか、と言うことにかかってきます。結局はその人の「耳」が大事ということになります。かと言って、専属の音響技術士と機材を同行するというのは現実的にはかなり難しいことなのです。しかし今回は地元の「ANGIE RECORDING STUDIO」の皆さんのお蔭で、理想的な形で演奏できたのではないかと思います。私達の我が儘も快く聞き入れて下さり、また機材の配備や、音の調整などもかゆいところに手が届く・・・、と言う感じで、会場で聴いていた人達にはその辺の不満を感じた人はいなかったのではないでしょうか。「ANGIE RECORDING STUDIO」の皆さん、本当に有り難うございました!


 姫路美術館の情報はこちらで・・・ http://www.city.himeji.hyogo.jp/art/index.html
 フルートの クリスチャンの最新情報はこちら・・・http://www.christian-plouvier.net/
  ANGIE RECORDING STUDIOさんのホームページはこちらです・・・  http://www.angie.co.jp/

Other Pages ・・・

●TOP  ●演奏会情報  ●プロフィール  ●WORKS   ●CD情報  ●リンク集  ●ESSAY,りんごのおと 
●GUITAR STUDY
  ●フォトギャラリー  ●CONTACT  ●Archives


Web Designing by ....


WARNING!
*本サイトに掲載されている画像、文章等、 全ての内容の無断での転載・引用を禁止します