●清水信貴(フルート)/9歳よりフル-トを故林リリ子女史に師事、桐朋学園高校音楽科、同大学音楽科にて
野口龍氏に 師事。ジュリアード音楽院に留学し、べ一カー氏に師事。86年京都市交響楽団1番奏者として 招かれ入団、95年首席奏者となる。様々なCD録音の他、97年リオ・デ・ジャネイロ、98年サ
ン・パウロ、99年イギリスのフルートコンベンションにゲストとして招かれた。98年フランス の作曲家兼ピアニスト、ジャン・ミッシェル・ダマーズとの演奏会でフルートとハープのソナ
タ第2番を世界初演、パリ、サル・カヴァー・ホールでの演奏会はピエール・プティ氏によっ てフィガロ紙に絶賛された。 同志社女子大学音楽科講師、桐朋学園オーケストラアカデミ
ー、福岡ミューズ音楽院特別 講師。
●中川佳子(フルート) /1990年東京芸術大学入学。1992年第三回日本木管コンクールで1位優勝。93年安宅賞受賞。続 く94年同大学を最優秀で卒業後渡仏。リュウエルマルメゾンコンセルバトワールに入学。第11
回日本管打楽器コンクール第3位 。木下芳丸、金昌国、佐久間由美子、名雪裕伸、P.ピエル ロ、A.マリオンの各氏に師事。ソリストとして東京芸大オーケストラ、関西フィルなどと協
演。1995年より京都市交響楽団在籍。第1フルート奏者。
●ドナルド・リッチャー(チェロ)/ドナルド・リッチャー
W.ストッキング、S.ケイツにチェロを学んだ後、ジュリアード音楽院でL.マンロウに師事、同 音学院の学士号を得ている。また在学中首席ソリストとしてジュリアード弦楽奏団をはじめ多
くのオーケストラで演奏・録音活動を行い、また各地の音楽祭にも招かれ演奏している。ニュ ーヨークにおいてはニューヨーク・フィルハーモニックのエキストラ奏者としてしばしば演奏
し、また同交響楽団の150周年記念演奏会では海外演奏ツアーに参加した。現在、京都市交響 楽団のチェロ奏者。
●藤井眞吾(ギター)/
ギターを岡本一郎、ホセ・ルイス・ゴンザレス 、デビット・ラッセル各氏に師事。 1976「第1回新人大賞選考演奏会 (日本ギタリスト会
議主催)」で1位優勝 。スペイ ンへ留学。「第26回サ ンティアゴ・デ・コンポステラ国際音楽講習会」に 参加し「ル イス・コーレマン国際音楽コンクール」でコーレマン賞を受賞。帰国後国内各地でソ
ロ活動の他、編曲作曲活動も活発に行なっている。CDに清水信貴との二重奏「夜の スケッチ」ソロアルバム「黒いデカメロン~L.ブローウェル作品集」
ウィンター・ソングス
WINTER SONGS
「冬」からイメージした5つの小品、各曲のスコアの冒頭にはそれぞれ次のような文章が掲げられています。
1. そして、また夜が来る And the night comes
again 北国の冬には辛く厳しいイメージがつきまとう。しかし実は、堅牢な家屋と充実した暖房設備の恩恵で寒い地域ほど屋内は意外に暖かい。そして雪のもたらす静寂に包まれた夜、暖かい室内で少し内省的になって想像力の翼を拡げる事ができるのも北国の冬ならではの暮らしなのだ。そして今日もまた長い冬の夜がやって来る。
2. グラシュティグの舞曲 Dance of Glastig グラシュティグはスコットランドに伝わる踊り好きの妖精。美しい娘の姿をしているが、裾の長い緑色のドレスの裾から覗いた足が山羊の蹄になっているため正体を知られてしまう。この曲も古典的な舞曲の体裁をしているが何処かに羊の蹄が覗いているかも。
3. ホワイト・デビルズ White Devils 雪は「しんしん」と降るという。確かに、吸音性に優れた新雪は街に一時の静けさを運んでくる。そして、空から無数の真っ白い粉雪がヒラヒラと群舞しながら落ちてくる様をみていると、その静けさの中から遠く音楽が聴こえてくる。曲は、意表をついてコミカルでトリッキィな仕立て。砂漠の竜巻をさす「ダスト・デビル」に倣って、降りしきる雪を白い小悪魔に見立ててみた。
4. インディアン・サマー Indian Summer インディアン・サマーは初冬にみられる晴天が続き暖く穏やかな気候、小春日和をさす。「老婦人の夏」「聖ルカの夏」など、国によって様々な呼び名がある。この時期、暖かいとはいえ夜間はグッと冷え込む。そんな時、日溜まりの微睡(まどろ)みでふと脳裏に去来する想いは・・・
5. 雪虫 Snowbugs 雪虫は、初冬の夕暮れ、フワフワと雪のように舞い飛ぶ小さな羽虫のこと。一年の間に4度のめまぐるしい世代交替をする。晩秋から初冬にかけて純白の衣装を纏ってトネリコ属のヤチダモの木を目掛けて一斉に飛翔する第三世代に続く第四世代は、食物を摂取する口さえ持たずに生まれ、交尾のみを繰り返して次のサイクルの卵を残して死んでゆく。