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第97回《さ・く・ら Sa Ku Ra 4月18日・土

   

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 昨年の秋にハンガリーからセルビアにかけてツアーをした時のことでした、ハンガリーの西欧と東欧の交錯する風情を堪能したあと、セルビアに入って最初のリサイタルを終えて、主催者の歓迎パーティーがありました。セルビアの名物料理、大きな鍋に入った魚料理が供されました。私はどうもヨーロッパでの魚料理には抵抗がありました。ましてや、セルビアでは川魚・・・。ところが食べてみると、白ワインとたっぷりのスパイスで煮込まれた鱒(マス)は、濃厚な味わいで、魚のうま味が存分に出て、北海道の「三平汁」や北陸で頂いた「アンコウ鍋」にも劣らない、最高の味わいでした。

 2012年の春にひと月、アメリカツアーに出かけたました。三月の上旬だと言うのに、最初の公演地ワシントンD.C.やノース・キャロライナ州でも桜が満開で、ホテル周辺も、川縁も、そして通る道々でも桜がふくよかに色づき、私の目楽しませ、心を和ませてくれました。桜と言う花の存在や、その景色が、日本の特徴的なものだと思い込んでいた私には、いささか驚きであり、さらにはそれがアメリカの都市の郊外や、片田舎の景色の一部として、とても自然であったことはさらなる驚きでありました。

 魚料理の独特の旨味が日本の味であると思い込んでしまっていたように、「桜」に対する思いは我々民族だけが独占しているものではないのでしょう。季節が巡り、春が訪れ、生命力の凄まじさを見せつけるように花開き、そして勇ましく散ってゆく桜は、世界中の見る者の心に深い印を刻んでゆくのだろうと思っています。

 

(藤井眞吾:記/2015年4月18日)

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会場:アートステージ567

京都市中京区夷川通烏丸
西入巴町 9-2 「コロナ堂」2F
(Tel. 075-256-3759)
*地下鉄「丸太町」6番出口より徒歩1分

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