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第93回《旅の想い出 Recuerdos de Viaje 11月28日・土

   

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   コンサートシリーズの毎回のタイトルを考える時、「こんな曲を弾いてこんな音楽会にしたい・・・」とか「その頃はあんな季節だからこんな曲がいいだろう・・・」などと考えるのですが、あとになって思うと、結果は予想と結構違っていると言うことがあり、それはそれで面白いなと楽しんでいます。今回のタイトル《旅の想い出》も、「8月にドイツとアイスランド、10月はハンガリーとセルビアに行くから、きっと土産話がいっぱい出来るだろう・・・」なんて脳天気に考えていたのですが、想い出がありすぎて収拾がつかないくらいです。そもそも私は「記念写真」とか言うものが大嫌いで、アルバムの写真を見ていると気持ちがどんどん時間をさかのぼってばかりで、しまいにこれからやってくる時間を考えられなくなるという、困った習性があるからなのです。「iPhone」というスマホをつかうようになって、軽便に写真が撮れるようになったせいで、少しは記念写真を撮るようになりましたが、それでもあとで写真を眺めると言う習慣はあまりありません。  私のブログ
藤井眞吾:Shingo's Diary(http://blog.shingofujii.com/)
にここしばらく「旅の想い出」というタイトルでいくつかの思い出話をまとめてみたのですが、わずかこれだけの演奏旅行なのに、あまりにもいろいろなことが思い出されて、困ってしまいました。お時間のございます方は是非ご覧下さい。

 「百聞は一見にしかず」という古い教えがありますが、まさにその通りで、海外での経験はいつも驚きや新たな発見、経験に溢れています。ヨーロッパに行くと言う事は、日本から地球の約半分の行程だと思うのですが、その距離の長さよりも、文化や習慣の隔たり、そしてそこで流れていた時間と、日本にいるあいだの時間がどうにも上手く繋がらないと言う、不思議な感覚の方が、私にはいつまでも驚きです。丁度一ヶ月前の10月29日はまだブダペスト(ハンガリー)に居たわけで、ホテルを出て大通りの向こう側にはF.リストが最初に造った音楽学校の建物があり、左に曲がるとそこの広場には Z.コダーイの生家があり、そして後ろに流れるドナウ川のむこうには B.バルトークの家がある、という景色は途方も無く日本の、私が住んでいる景色とは違うのです。そういった記憶がいつも、そこで私が演奏して来た音楽とひとつになって脳裏を行き来していると言う、時間の尺度では説明できない鮮烈さが、旅の想い出の素晴らしいところなのかもしれません。

 

藤井眞吾(2014/11/28)

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会場:アートステージ567

京都市中京区夷川通烏丸
西入巴町 9-2 「コロナ堂」2F
(Tel. 075-256-3759)
*地下鉄「丸太町」6番出口より徒歩1分

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