gfd

program note

 

Loading
ESSAY TOP sankaku  Program Note

program note
第87回《再会 A REUNION 3月15日・土

   

1

12

sankakuコンサート情報)

 ジャズのライブハウスのように「藤井眞吾のギター演奏を聴くという場所があればいいな・・・」と願って、このコンサートシリーズを始めましたから、正直なことを言うとお聞き頂く方達だけでなく、演奏者である私自身も曲目に縛られず演奏を楽しめれば、と望んでいたのですが、なかなかそういうわけにもいきません。そういうわけで、毎回、なにかと「タイトル」を付けているのですが、今回ほど個性のないタイトルはなかったかもしれません。

 今月は群馬県、長野県、東京、とツアーがあるので、それぞれに古い友人達と何十年かぶりに会う事ができると言う興奮に近いものがあったため、3月のタイトルを考えているうちになんとなく「再会」という言葉が浮かんで来たのでした。建前としては私が演奏して来た古いレパートリーなどをお聞き頂いて、作品との再会をしてみよう、と言う事だったのですが、よく考えてみると、演奏家はコンサートでは(・・・その時間の隔たりは色々ですが)いつも「過去の音楽と再会」しているのだと言う事に気付きました。それは、たとえ「初演」のものでも、ステージに上がるまでは練習をして「既知の音楽」であるわけですから、それはステージの上で「再会する」というわけです。いつも、ジャズ演奏家のように「即興演奏」が出来る人達を羨ましいと感じますが、それは音楽といつも新鮮な気持ちで迎える事ができると思うからです。

 しかし自分の経験を振り返ってみると作品はいつも、何かの形で「再会」するものですが、しかし「演奏する」という行為は、一度も同じ事の反復であることはありませんでした。それは、これからも変わらないでしょう。

 「一期一会」というのは千利休が茶道の心得、又は神髄として言った言葉だそうですが、私は演奏するときいつもそれに似た事を感じながら演奏をしています。作品との接点が「初演」であれ「再演」であれ、そこに見いだされる感動は変わらないと思っています。再会できると言う事は、それはその感動がもういちど与えられるかもしれないという、神に与えられた僥倖であるのかもしれません。

 

藤井眞吾(2014/3/15)

program

2

 

 

Index

会場:アートステージ567

京都市中京区夷川通烏丸
西入巴町 9-2 「コロナ堂」2F
(Tel. 075-256-3759)
*地下鉄「丸太町」6番出口より徒歩1分

map