「2番目の音楽 2nd Music」という、我ながらヘンチクリンなタイトルだな・・・、と思います。開催の日が「2月22日」だからという、それだけの理由なのですが、「2」と言うのは実は私の大好きな数字でもあります。もしかしたら私が三人兄弟の次男だから、というのが理由として無意識の中にあるのかもしれません。「2番目の〜」というのは、ときには「次善の・・・」とか「一番ではないが・・・」などと、いささか否定的な意味になる場合もありますが、今日はそうではなくて、「組曲の中の二番目」とか、「作品番号が二番目」という視点でお聞き頂きたいと思います。
実は音楽には意外な事に数字がつきもので、ですから「2」という数字も音楽作品の中には探してみると、単に作品番号や、組曲の順番以上に深く関わっている場合があります。例えば「ソナタ形式」では「二つの主題」があり、その対比が極めて重要です。また音と音の隔たりを表わす「音程」では「2度」という音程によって隣の音へ移動できるわけですが、「長2度」と「短2度」では表情が全く違うわけです。
例えば有名な連作・・・、本日演奏する曲でいえばバッハの「六つの無伴奏チェロ組曲」や「六つの無伴奏バイオリンの為の組曲(三つのソナタと三つパルティータ)」でも、第1番は良く知られ、また演奏されることも多いように思うのですが、第2番と言うと「おや? どんな曲だったっけ・・・?」ということがあります。おそらくどんな場合でも、少なくとも作曲者は作品を書いている時に、第1番だけに精力を注いでいると言う事は無いと思いますし、そういった順番さえ、後世の人が勝手に付けた物であるのに、色々な事情からあたかも第1番が代表的な物であるかのように人々に伝わっていくことがあるように思うのです。そういえば、このコンサートシリーズも今日で86回目を数えますが、演奏者である私、そしてそれをお聞き下さる皆様の「二者」があって初めて成り立つ物ですし、また事務局をしてくれるマンサーナの家内との「二人三脚」があって、はじめて実現する事だとつくづく感じております。
今日はそんなことを考えながら、色々な音楽をお楽しみ頂ければと思います。
藤井眞吾(2014/2/22)
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