gfd

program note

 

Loading
ESSAY TOP sankaku  Program Note

program note
第78回《バロック Baroque 6月29日・土

   

1

12

sankakuコンサート情報)

曲目について

藤井眞吾

  「バロック Baroque」と言う言葉が「バロコ Barocco」という、真珠や宝石のいびつに歪んだ形を意味するポルトガル語から来ている事は良く知られています。均整や秩序、調和や規律を重んじたルネサンスの文化に対して、過度な装飾をまとった17〜18世紀の文化に対する言葉ではありますが、絵画や文学に於けるバロックと、音楽の場合のバロックは同一には論じることが出来ないでしょう。

 ギターはその数百年の歴史を見ても、劇的に形な構造、大きさ、奏法、音楽の内容を変えて来た楽器である事が解ります。「バロックギター」と現在の私達が呼称するこの時代のギターは、現代のギターよりもはるかに小振りで、「5コース」の弦を持っていました。音域は極めて狭く、しかしその独特の調弦法故に、現代のギターとは全く違った響き、旋律のイディオムを持っていました。バロックの時代のギターが現在のギターの原型であるからと言って、その当時の音楽を、その楽譜でそのままに演奏すると言う事は、似て非なるものを作ることに繋がりかねません。

 私が初めてバロックギターの生の演奏に接したのは、1982年、イギリスの良くと言う町で開催された古学講習会での事でした。リュートの生徒として私は参加しましたが、その時の講師であったJacob Lindberg 氏がリサイタルで、「バロック・ギター、バロックリュート、19世紀ギター」と三つの楽器をを駆使したリサイタルを行いました。きらびやかで、軽やかで、神秘的な音色は、現在のギターとはおおよそ違うものでした。

 私達「クラシック・ギタリスト」は、特に20世紀以降、そのレパートリーとして「バロック音楽」を重要な物のひとつとしていますが、そのいずれもが「私達のギター」の為のオリジナル作品ではなく、編曲作品であると言う事は忘れてはならない重要な点です。今夜はそういったバロック音楽と、バロック時代に完成された音楽形式による、いくつかの現代の作品をお聞き下さい。

(2013/7/27)

program

2

 

 

Index

会場:アートステージ567

京都市中京区夷川通烏丸
西入巴町 9-2 「コロナ堂」2F
(Tel. 075-256-3759)
*地下鉄「丸太町」6番出口より徒歩1分

map