曲目について
以前に何度か「歌と踊り」というテーマで演奏会をしてきましたが、歌という要素も、踊り(舞曲)という要素も音楽にとっては大きな魅力です。今回は「舞曲」という要素に少し焦点を絞って演奏してみたいと思います。
楽曲が作られ演奏されるまでに、様々な目的があるわけですが、純粋に踊るために作られた音楽でもそれが定番となって、今度は踊るという事から解放され、器楽で演奏される事だけを目的に作品が作られることがあります。それはすでにバロックの時代に始まりました。今回お聴き頂くバッハの作品がそうです。踊りの伴奏、という事だけを考えれば、ギターと言う楽器はあまり相応しい楽器ではありませんが、それでもギターのための作品には舞曲をもとにしたものが少なくありません。キューバの作曲家ブローウェルには祖国の民族音楽に根ざした作品や、全く現代的なもの等沢山あります。「個性的舞曲 Danza Caracteristica」は作者が20代の若いときに作曲したものです。
タレガの「マズルカ」やグラナドスの「12スペイン舞曲集」は本来舞曲でありながら純粋に器楽曲として作曲されながら、溢れんばかりの情感を表現しています。グラナドスの第2番「オリエンタル」と第5番「アンダルーサ〜哀しみ」は私自身の編曲です。
武満さんの二つの編曲は「踊り」ではなく「歌」、ちょっと気分転換。
再び最後にブローウェルをお聞き頂きます。「簡素な練習曲集 Estudios Sencillos」は勿論学習者の練習のための作品ですが、明記はされていないものの、明らかに舞曲を基調としたものが沢山あると思います。最後の「舞踏礼賛 Elogio de la Danza」はロシアの作曲家 I.ストラヴィンスキーに捧げられ、二十世紀を代表する名曲です。
(藤井眞吾/2012年6月27日)
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