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第62回《一月一日 January 1st 1月25日・土

   

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曲目について

 1893年(明治26年)に明治政府は「祝日大祭日唱歌」を公布します。それには「君が代」「勅語奉答」「一月一日」「元始祭」「紀元節」「神嘗祭」「天長節」「新嘗祭」の8曲が、そして後に「勅語奉答 B」「明治節」が加えられ、都合10曲が国の祝祭や大祭に歌われる歌とされました。昭和の時代には四大節(しだいせつ)〜「四方節(1/1)」「紀元節(日本書紀が伝える神武天皇の即位日 2/11)」「天長節(天皇の誕生日 12/23)」「明治節(11/3)」とし、教育勅語ではこれらの祝日大祭日には小学生は登校をし、校長先生のお話を聞く、また紅白の菓子等を振る舞われる、とされていました。昭和3年生まれで84歳になる私の母は、これらの唱歌をよく歌ってきかせたもので、今でも教育勅語を諳(そら)んじています。

 明治政府は新たな国家、近代国家、そして西欧の列強国に比肩する強大な国家を作るべく、国民の教育に力を注ぎました。そのひとつの大きな目的は強力で近代的な軍隊を作るためには、読み書き話す国語教育、算術の教育、道徳教育、そして音楽教育が必要であると判断していました。音楽教育は、特にリズムや合唱教育によって、規律ある集団行動の基礎となる、という西欧の経験を学んだものでありました。

 1945年8月15日の玉音放送をもって、急速にこれらの事情は一変しました。私達の国がここ100数十年の間に遂げた国家としての変化はあまりにも大きなものでした。それは文化、特に音楽に関しては激動の歴史であったと言っても過言ではありません。私は一人の音楽家として同じ音楽家の先人達の存在を忘れたくないと思いますし、また彼らの残した作品を、純粋に音楽作品として今一度見つめたいと思います。政治によって翻弄された歌の数々は、今また政治の都合で意図的に葬り去られようとしているように思えてなりません。私にはこれらの作品こそが何よりも、私達の国が歩んで来たこと、犯した事も、成し遂げた事も、真摯に語っているように思えてなりません。宮廷の雅楽師、上真行(うえさねみち 1851 - 1937)が作った《一月一日 いちがついちじつ》という歌をお聴きください。

(藤井眞吾/2012年1月25日)

 

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会場:アートステージ567

京都市中京区夷川通烏丸
西入巴町 9-2 「コロナ堂」2F
(Tel. 075-256-3759)
*地下鉄「丸太町」6番出口より徒歩1分

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